クリスティー・シェン&ブライス・リャン著 岩本正明訳 ダイヤモンド社 2020
読みやすい。一気に読んでしまいました。
読む前のイメージはFIREのノウハウ本だと思っていました。
読んでみると著者のFIREまでの人生を振り返りながら、ノウハウを教えてくれるというものでした。
著者は中国人で共産党政権の下、極貧生活を過ごしました。
幸い、父がカナダに留学することになり、中国を脱出できました。
初めて飲んだコカ・コーラに衝撃を受け、そのコーク缶をいつまでも手元に置いていたというエピソードが出てきます。
彼女は自分がやりたいことではなく、最もコストパフォーマンスがよいコンピュータープログラマーを職業に選びます。
そして、31歳でFIREを達成します。
この本のキーワードは吃苦(チーク―)です。苦しみを味わい、耐えるという意味です。
FIREの成功に一番大切なのは収入に占める生活費をいかに低く抑えるか、どれだけ貯金できるかということのようです。
FIREの後、著者は元々の夢だったライターになり、本を出版します。
それはFIREをしたことによる余裕ある生活がもたらしたものなのでした。
で、そこそこお金持ちの日本人の私には、お金のためだけに仕事を選ぶなんてできなかったし、どうせ働くなら好きなことをしてお金を稼ぎたいと生きてきたのでした。
人生は生きている間の暇つぶしなので、いろんな生き方をしていいんです。
著者の生き方はある意味、普通の人にはできないので、こうして本になったんですから…。