中井貴一さんが金田一耕助を演じていたのは最近まで知りませんでした。
このドラマではらしくない洋装の金田一耕助なのでした。
脚本が長坂秀佳さんなのでひねりが効いています。
野々宮珠世が財前直見さん。
この頃のドラマのヒロインといえば財前さんだったんですね。
この珠世がまたかっこいい。
今までの珠世と違って自分の気持ちをはっきり言います。
そして犬神佐兵衛は若山富三郎さんなのでまたひねっています。
犬神佐兵衛が「愛」なんて口にします。
このドラマでは珠世の出生の秘密はどうでもいいとバッサリ切っています。
そこに事件のカギがあるんじゃないのと思いますが金田一もスルーします。
というのも、このドラマでは青沼菊乃こそ犬神佐兵衛が愛した人という設定だからです。
だから珠世の祖母のことは触れないのです。
青沼静馬はただの間抜けな男で佐武、佐智の殺害後の工作にも関わってなく、佐清が一人で死体処理をやったことになっています。
しかも、手形を押すところも静馬に脅迫されたわけでなく、佐清が自主的に押していました。
竹子、梅子は子どもが死んでも悲しまず、お金のために子どもを作ったと公言します。
松子は最初から佐清がニセモノとわかっていたというどんでん返し。
このひねりがたまらなく心地よいです。
宮川香琴が実は青沼菊乃だったという原作どおりの設定かと思ったら菊乃の妹の設定でした。
小林桂樹さん演じる古館弁護士は菊乃の元恋人で、犬神佐兵衛に奪われてしまったと言っていたのに金で菊乃を譲り渡したと香琴に真実をばらされるところもよかったです。
とにかく、この「犬神家の一族」は今までの映画やドラマをひねりにひねっていておもしろかったです。
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