腕時計をなくす。
落としてしまったことに薄々気づいてはいるものの、
家のどこにもないとわかっていても
時間を見つけては探し・・・もう2週間になる。
朝 慌ただしく家を出たあの日。
腕時計をつける時間も惜しく、
後でつけようとさっと鞄に入れて出かけた記憶。
その日鞄を落とし、逆さまになった鞄を勢いよく起こした記憶。
落ちたとすればあの時。
小さな時計は音もなく、静かにその場に置き去りになってしまったのであろう。
時計は、婚約の記念に主人に買ってもらった大切なもの。
最後に時計を見た記憶から
家の中を探すのは意味ないことと知りつつ、探している。
あの時、腕時計をつける時間を惜しまなければ。
あの時、振り返って確認さえしていれば。
時計を落としたことに気づく余裕もなく生きていたあの日を後悔しながら、
ないとわかっていても探し、
これからも不在を確かめてしまうのだろうと思う。
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