ウィキペディアで調べたら、ホワイトアウトとは雪が関係していれば、なんでもいい
ようだ。
だが、私が体験したのは、非常に明るい曇り空の日だった。
風はほとんどなく、雪は朝にはやんでいて、私は10時ごろそこを通過した。
交通量の少ない福島県の山間地を下郷に向かって走っていた。
小さな集落を通り過ぎて、両側が田んぼで、急に開けたところだった。
30メートルほど、その開けた空間に突入した時、ホワイトアウトに遭遇した。
うす曇で太陽はどこにあるのか分からない。
雪と雲の間で、太陽の明かりが何度も反射を繰り返して、晴天時以上に明るくなっ
ている。
道路の雪は一切汚れていないので真っ白だ。空も田んぼも道路も、遠くの林も全て
真っ白で同じ明るさだ。
「影の消えた世界」に40kmで突入してしまった。もう1歩も進めない。
運悪く道路境界を示す、矢印の付いたポールが無い。
ラッセルして出来た、40cmぐらいの土手があるはずなのだが、識別できない。
この先は、ゆるく右にカーブしていて、5mぐらいの小川を渡る橋があるはずなのだ。
車から下りて雪を踏みしめると、やっと気持ちが落ち着いた。
5mほど歩いたら、何とか目が慣れてきて、道路の識別が出来るようになった。
のろのろと田んぼを突っ切って、やっと影のある世界にたどり着いた。
サングラスがあると、少し違うかもね。見えるということでなくて、落ち着くんでは
ないだろうか。
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