
こうして掘り上げたタケノコ、根元の赤いブツブツのところで切らないといけないんだって
皮つきで茹でるのが一般的ですが、そんなのは小さいタケノコ一本を家庭で茹でる場合でし
ょうね。私は家でたった一本のタケノコを茹でているのを見たことが無い。

こうやって皮を取り除いてむき身の状態にして、一つかみのヌカとトウガラシ5本を入れて
水から釜で炊きます。スーパーで売っているのとは大きさが全然違うし、釜にたくさん入れ
るために半分に割って隙間をつくらないように入れるのですって。

出ました!餅つきの時にも登場のカマド、カマドは四分割になっていてそれぞれかなり重く
物置から一つずつしか運んでこれません、当然ススだらけで軍手は必要です。釜は昔の台所
の横にあった大きなクド(オクドさん)で使っていた小さいほうの釜だって。子供心にも
記憶はあるなぁ、確かクドには三つの火炊き口があって、一番奥のはこの釜より大きい釜が
据えていて滅多に使わず、手前の釜では湯を沸かしていたので牛乳をお酒の燗をする道具に
流し込み、温めた。冬は火炊き口の前は暖かくて、でも台所の天井はススで真っ黒、天窓は
雨が降ってきたら、いの一番に閉めに走る・・ということだったなぁ。
タケノコは釜が沸騰するまでどんどんたきぎをくべます。沸騰したら、今度は釜の蓋が持
ち上がらないようにおもりを乗せ、蓋の蒸気口も詰めて吹きこぼれないようにたきぎを加減
しながらくべます。この時は火の番はつきっきりで二時間近く釜の前にいなくちゃなりませ
ん。

しっかし、火の前で座っていると眠くなります。たき火とか火を静かに見ていると精神的に
落ち着いたりする(なかには危険な人間もいるけど)とか、都会では『たき火クラブ』みた
いなのがあるって、「ちちんぷいぷい」でやっていた、昔。人間が火を手にしてからの歴史
を考えたら、火は大事なものでこれを扱えるのは人間しかいない、それがきっと進化だった
のかな・・・あいまいな私のタケノコの火の番中に思ったこと。さて、茹でたタケノコは
おばあちゃんによってより分けられ、近所に分けて(食べてもらいます)いきます。