10日ほど前、我が家の竹林のタケノコ掘りを見に行きました。それより前からおじいちゃ
んとおばあちゃんがせっせと掘りに行っていましたが、今年は天候不順のせいか思うように
生えてこず、収穫も芳しくなくそれでも多い時には三十本ほど掘り上げていました。私の
出番はもっぱら、ひと気のない時にやって来るサルの追い払いです。サルは集団でやって
来るとまず先鋭隊のようなサルが、人間がいないかこっそり降りてくるようでそのあと仲間
に鳴いて合図を送る・・と私は考えています。だから小さな物音や鳴き声を聞き取るのが
私なのです。肝心のこげはあまり当てにもできず、私が打ち上げ花火を手にすると俄然色め
きたって庭中を走り回ります。おかしなことに、今まで飼った犬たちは打ち上げ花火の音を
聞くと一目散に小屋に入ったり身を隠すのですが、こげはシュッという最初の音だけ体を
硬くするけど、そのあとの打ちあがっていく花火やパーンという音は平気です。最後の煙が
立ちこめるのにはしかめっ面をするのですが、もっと上げて欲しいように見上げるのです。
花火の音で山の中で怒るサルのざわめきに猛然と吠える・・とはいきませんが、唸ります。
私が竹林に入って見つけたタケノコは、一番柔らかいところをサルがもいで抜き取っていま
した。ケシカランやつですね。こげの体内に古座川の猟犬の血が残っている証拠かもしれま
せん。
これは双子で生えてきたものを、片方だけ食べています。そばの白布はここにタケノコが
あるので、決して踏まないようにの印。そんなに広くはない竹林ですが下草や笹の葉が
積もっているので、印をつけないと掘り忘れ、掘り残しがでてくるのだ。タケノコ産地のよ
うに柔らかい土壌ではないので掘るのも一苦労だし、高級品のように小さいものを掘るわけ
ではないです。とはいえそんな地上に伸びきったものは硬いので15センチほど出たのを
根が見えるまで周りを掘って最後の一撃でパコンときれいに掘り上げるのだ。私やおとうさ
んはなかなか掘らせてもらえないのは、途中でクワをタケノコの胴体に入れてしまう、切っ
てしまうからだ。人に貰ってもらうのできれいに掘らないといけない。まぁでも、老人たち
も体力的にきつくなると、そうは言ってられないから二日、三日と連日掘ると適当になりつ
つあるようです。
頑張って掘っても、写真のように見おとされたタケノコがこうやって伸びてきます。これは
のこぎりで倒してしまうか、竹に残すかです。のこぎりでは簡単に切れます、なんたって
中は空洞だし、竹自体まだそう硬くないのです。