先日、CS放送で昭和の『十三人の刺客』が放送されたので録画をした。いつかは観るであろ
う…というパターンの録画で、録り貯めた映画が何本かDVDデッキに入っている。残してお
きたいものは焼いておくけどその作業が私はできないので、おとうさんの暇な時に頭を下げ
てお願いしている。そうしたものは消去するけど 一度観て残したいけどそのまま・・・
というのがある。映画かドラマかしらないけど小栗旬の『青と白で水色』という絵の具の
混ぜ混ぜごっこのようなタイトル、小栗と宮崎あおいの青春もので蒼井優がいじめっ子とい
う内容、でもけっこう小栗がよかったな・・・
昨年平成版『十三人の刺客』という時代物の映画を観に行った。主役の役所広司が「斬って
斬って斬りまくれ~」と叫ぶCMとスマップの稲垣君が悪代官ならぬ悪殿様というのが観たく
て観に行ったのだ。そのことをブログで書いたら那智勝浦町の中田さんが「昔にも同じ
『十三人の刺客』が映画になりましたよ」というコメントを下さっていたのも覚えていた
ので、機会があれば観たいと思っていたのだ。当然白黒映画だ。白黒映画も結構、迫力ある
ので私は苦にはならない。ただ時代物ではないものは、演技がとても変だったりするときが
あるけど、いま老年でドラマ・映画に出ている超ベテランさんの若い頃がこんな顔だったの
かとか、そっちの楽しみもあるからね。昭和版『十三人の刺客』は古すぎて、出演者のほと
んどが故人になってしまっている。生きているのは里見浩太郎くらいじゃないか?役所さん
の役が片岡千恵蔵やもん、水戸黄門の西村晃に嵐 寛寿郎、丹波哲郎とか。調べてみなく
ちゃならないやん・・・。って平成版で十三人めになった山猿のような伊勢谷友介がやった
役が山城新吾、昔も二枚目をもってきたみたいね。相手役がまだ任侠映画に出ていないよう
な藤純子。ちらっと調べたら1963年公開で、映画界が時代劇から任侠映画に変わって
いく頃の作品だとか。平成版では長い長い戦いのシーンは昭和版でも同じように撮影されて
いて、この二本以外にも仲代達矢版の『十三人の刺客』があるというやん。どれも戦闘シー
ンが記録的な長さだとか。平成版はカラーでもあり、特殊撮影とかのせいか迫力あり、
昭和版は残念ながらセットがチャチで(現代と作りが違うから仕方ないかな)、飛び交う
矢もなんかゆっくりやし、斬り合っている横で乗ってきた馬がつっ立っている、ヒヒ~ンと
鳴いて逃げ出すとか、そんな様子もないし、そうそう斬っても斬っても殿様側の侍が減って
いかないの。百人もいなかったやろ~と観ながらツッコミを入れたけど。平成版はそこそこ
途中で減っていったよな、敵も味方も・・・。『十三人』のなかに腕の立つ剣士がいて
平成版では伊原剛志が、昭和版では西村晃、何十人もたたっ斬るので平成版では狭い道の
両側に刀を突き立て、それを走りながら一本また一本と抜きながら斬っていくのが、これは
もうウエスタン映画みたいな感じであったので、昭和版にはないやろと思っていたら、ある
にはあるけど、それは二本の刀を板壁にわら束をのせて立てかけていたという寂しさ。
当時ならそこまでかな・・とは思ったのだ。展開は平成版は昭和版と同じやん!と思う
ほど、部屋の間取りやカメラの位置(これは室内だけやけど)。それにしてもあの悪殿様は
誰が演じていたんだろう。稲垣吾郎君もそこそこ頑張ってはいたけどラストは少し違ってた
な。ラストシーンで島田新左衛門を明石藩の鬼頭半兵衛が討つのだけど新左衛門は刃を
避けることなく斬られ、半兵衛がなぜ避けなかったときくと「私がおぬしを斬らなければ
ならない侍の一分、おぬしが私を斬らなければならないのも侍の一分・・」と答えるのだ
が、半兵衛も刺客側の一人に後ろから槍で突かれるのだ。たしか『武士の一分』という
邦画もあった、あれもなんか武士の納得はできないけど納得せなあかん・・みたいな話
ではなかった?要するにだ、この明石藩主の松平斉韶(なりつぐ?)の暴走残虐ぶりには
明石藩の老中連中もハラワタが煮えたぎるくらいの思いを抱いていたんだけど、仕えなく
てはならないので、こんなおバカな主君に命を捧げるのもアホらし~と思ってるけど、
主従の関係なのよね!映画の中では徳川家斉の弟で明石藩主というところも、実際の徳川
時代、側室とかに産ませた子が多すぎて各地の領主として押しつけた・・というあたりか
ら、蛮行を繰り返して城内が困り果てた・・ということもあったとか。
史実の明石藩主 松平斉宣(1840-1844)は将軍 家慶の弟であるという出自、
また参勤交代中に尾張藩領であった木曽の中山道で行列を横切った幼児を切り捨てたため
に尾張藩の怒りを買って参勤交代の通行を拒否されるという不行跡が伝えられるなど、こ
の作品の「斉韶」に近いみたいよ。モデルかしら・・・。刺客側もそんな将軍の血を引く
殿様を斬るんだから、失敗したら公になって切腹もんだし、成功してもそれはそれで公に
もできず殿様を討ち取ったけど相応の処分が下されてしまうのよね。平成版でだいたいの
ストーリーはわかっていたけど昭和版ですっきりしたわ。でも13人対53騎という人数
だったのか・・・斬り合いの時はもっと居たように思ったけど。いつの時代も 国を治め
る人、地方を治める人はおバカでは困るということで、そういや阪神タイガースにも
「上がアホやから野球やってられん」とか言い放った方もおられたわなぁ・・・
お上が下々を困らせて、ふんどりかえっていては下々も一分(いちぶん)を持つかもしれ
ません。
一分(いちぶん):〔古風な言い方で〕それ以上は譲ることのできない名誉。一身の面目
「これでは武士としての一分が立たぬ」
来年あたりにCS放送で平成版『十三人の刺客』がオンエアされると思うので、昭和版共々
焼いてもらいたい・・と思ってるのだ。ちなみに調べたら昭和版の暴君役は、この作品で
暴君役の大御所となりのちの『必殺シリーズ』なんかにも出演したそうな・・なら、どこ
かのシーンで観たはずやな・・・・そうそう、役所広司が劇中でも叫んでいた「斬って
斬って斬りまくれ」は昭和版で、片岡千恵蔵が叫ぶことも無かったけど、じつは役所さん
はテレビドラマの中で「斬って 斬って 斬りまくれ」と叫んでいるのを観たことがある
もちろん現代劇で もちろん『十三人』より前のドラマだった。この場合の斬るは 世相
のことで、彼の役はニュースキャスターで、とてつもなく悪い青年 妻夫木聡に追い込ま
れてゆくという 故 野沢尚のサスペンスだ。結構おもしろい、これもCS で再放送してい
た。『十三人』を観てからドラマを観たので「なんとー!役所さんって「斬って斬って」
から離れられないのか~」と思ったのでした。おもしろい時代劇を観たいです!
う…というパターンの録画で、録り貯めた映画が何本かDVDデッキに入っている。残してお
きたいものは焼いておくけどその作業が私はできないので、おとうさんの暇な時に頭を下げ
てお願いしている。そうしたものは消去するけど 一度観て残したいけどそのまま・・・
というのがある。映画かドラマかしらないけど小栗旬の『青と白で水色』という絵の具の
混ぜ混ぜごっこのようなタイトル、小栗と宮崎あおいの青春もので蒼井優がいじめっ子とい
う内容、でもけっこう小栗がよかったな・・・
昨年平成版『十三人の刺客』という時代物の映画を観に行った。主役の役所広司が「斬って
斬って斬りまくれ~」と叫ぶCMとスマップの稲垣君が悪代官ならぬ悪殿様というのが観たく
て観に行ったのだ。そのことをブログで書いたら那智勝浦町の中田さんが「昔にも同じ
『十三人の刺客』が映画になりましたよ」というコメントを下さっていたのも覚えていた
ので、機会があれば観たいと思っていたのだ。当然白黒映画だ。白黒映画も結構、迫力ある
ので私は苦にはならない。ただ時代物ではないものは、演技がとても変だったりするときが
あるけど、いま老年でドラマ・映画に出ている超ベテランさんの若い頃がこんな顔だったの
かとか、そっちの楽しみもあるからね。昭和版『十三人の刺客』は古すぎて、出演者のほと
んどが故人になってしまっている。生きているのは里見浩太郎くらいじゃないか?役所さん
の役が片岡千恵蔵やもん、水戸黄門の西村晃に嵐 寛寿郎、丹波哲郎とか。調べてみなく
ちゃならないやん・・・。って平成版で十三人めになった山猿のような伊勢谷友介がやった
役が山城新吾、昔も二枚目をもってきたみたいね。相手役がまだ任侠映画に出ていないよう
な藤純子。ちらっと調べたら1963年公開で、映画界が時代劇から任侠映画に変わって
いく頃の作品だとか。平成版では長い長い戦いのシーンは昭和版でも同じように撮影されて
いて、この二本以外にも仲代達矢版の『十三人の刺客』があるというやん。どれも戦闘シー
ンが記録的な長さだとか。平成版はカラーでもあり、特殊撮影とかのせいか迫力あり、
昭和版は残念ながらセットがチャチで(現代と作りが違うから仕方ないかな)、飛び交う
矢もなんかゆっくりやし、斬り合っている横で乗ってきた馬がつっ立っている、ヒヒ~ンと
鳴いて逃げ出すとか、そんな様子もないし、そうそう斬っても斬っても殿様側の侍が減って
いかないの。百人もいなかったやろ~と観ながらツッコミを入れたけど。平成版はそこそこ
途中で減っていったよな、敵も味方も・・・。『十三人』のなかに腕の立つ剣士がいて
平成版では伊原剛志が、昭和版では西村晃、何十人もたたっ斬るので平成版では狭い道の
両側に刀を突き立て、それを走りながら一本また一本と抜きながら斬っていくのが、これは
もうウエスタン映画みたいな感じであったので、昭和版にはないやろと思っていたら、ある
にはあるけど、それは二本の刀を板壁にわら束をのせて立てかけていたという寂しさ。
当時ならそこまでかな・・とは思ったのだ。展開は平成版は昭和版と同じやん!と思う
ほど、部屋の間取りやカメラの位置(これは室内だけやけど)。それにしてもあの悪殿様は
誰が演じていたんだろう。稲垣吾郎君もそこそこ頑張ってはいたけどラストは少し違ってた
な。ラストシーンで島田新左衛門を明石藩の鬼頭半兵衛が討つのだけど新左衛門は刃を
避けることなく斬られ、半兵衛がなぜ避けなかったときくと「私がおぬしを斬らなければ
ならない侍の一分、おぬしが私を斬らなければならないのも侍の一分・・」と答えるのだ
が、半兵衛も刺客側の一人に後ろから槍で突かれるのだ。たしか『武士の一分』という
邦画もあった、あれもなんか武士の納得はできないけど納得せなあかん・・みたいな話
ではなかった?要するにだ、この明石藩主の松平斉韶(なりつぐ?)の暴走残虐ぶりには
明石藩の老中連中もハラワタが煮えたぎるくらいの思いを抱いていたんだけど、仕えなく
てはならないので、こんなおバカな主君に命を捧げるのもアホらし~と思ってるけど、
主従の関係なのよね!映画の中では徳川家斉の弟で明石藩主というところも、実際の徳川
時代、側室とかに産ませた子が多すぎて各地の領主として押しつけた・・というあたりか
ら、蛮行を繰り返して城内が困り果てた・・ということもあったとか。
史実の明石藩主 松平斉宣(1840-1844)は将軍 家慶の弟であるという出自、
また参勤交代中に尾張藩領であった木曽の中山道で行列を横切った幼児を切り捨てたため
に尾張藩の怒りを買って参勤交代の通行を拒否されるという不行跡が伝えられるなど、こ
の作品の「斉韶」に近いみたいよ。モデルかしら・・・。刺客側もそんな将軍の血を引く
殿様を斬るんだから、失敗したら公になって切腹もんだし、成功してもそれはそれで公に
もできず殿様を討ち取ったけど相応の処分が下されてしまうのよね。平成版でだいたいの
ストーリーはわかっていたけど昭和版ですっきりしたわ。でも13人対53騎という人数
だったのか・・・斬り合いの時はもっと居たように思ったけど。いつの時代も 国を治め
る人、地方を治める人はおバカでは困るということで、そういや阪神タイガースにも
「上がアホやから野球やってられん」とか言い放った方もおられたわなぁ・・・
お上が下々を困らせて、ふんどりかえっていては下々も一分(いちぶん)を持つかもしれ
ません。
一分(いちぶん):〔古風な言い方で〕それ以上は譲ることのできない名誉。一身の面目
「これでは武士としての一分が立たぬ」
来年あたりにCS放送で平成版『十三人の刺客』がオンエアされると思うので、昭和版共々
焼いてもらいたい・・と思ってるのだ。ちなみに調べたら昭和版の暴君役は、この作品で
暴君役の大御所となりのちの『必殺シリーズ』なんかにも出演したそうな・・なら、どこ
かのシーンで観たはずやな・・・・そうそう、役所広司が劇中でも叫んでいた「斬って
斬って斬りまくれ」は昭和版で、片岡千恵蔵が叫ぶことも無かったけど、じつは役所さん
はテレビドラマの中で「斬って 斬って 斬りまくれ」と叫んでいるのを観たことがある
もちろん現代劇で もちろん『十三人』より前のドラマだった。この場合の斬るは 世相
のことで、彼の役はニュースキャスターで、とてつもなく悪い青年 妻夫木聡に追い込ま
れてゆくという 故 野沢尚のサスペンスだ。結構おもしろい、これもCS で再放送してい
た。『十三人』を観てからドラマを観たので「なんとー!役所さんって「斬って斬って」
から離れられないのか~」と思ったのでした。おもしろい時代劇を観たいです!