麦刈り

2007年06月26日 | Weblog


 面白いことに、あることにほとんど気づいていないときと、やたらきになってしまうことがよくあるものです。

 たとえば、空腹の時には、街をあるいていてやたら食べ物の臭いが気になります。レストランからの臭い、スーパーの換気口からの揚げ物などの臭い、喫茶店から来るコーヒーの香りなど気になりますね。立ち止まって深呼吸してしまうことがありますからね。

 高校生の頃、丘の上の学校 ( お堀の反対側は女学校だったんすよ こちらの敷地にあった銅像がいつもそっちに向けられていましたっけ ) から下の街つまり娑婆に下りてきて駅までの道沿いに、うなぎやさんがありました。毎日まいにちぼくらは鉄板の上で焼かれて、、じゃなくって毎日まいにち僕らはその臭いをかいで帰りました。そこでは、よく深呼吸をしましたよ。お金がないので食べたことありませんけど。

 臭いの代金は請求されなかったので、払いませんでした。もっとも、高校生は学割で無料だったのかも、、、。もし、請求されたら落語に出てくるみたいに、コインをガチャガチャと振って音をだして、料金ですと言えばいいんですけどね。

 鳥の声もそうです。気をつけて耳を立ててみると、いまはずいぶんスズメが鳴いていますよ。数がかなり多そうな感じです。ひよどりの声など聞こえたらもう気をつけなければなりません。そろそろブルーベリーが明るんできますからね。

 そして、そのスズメなど時によりとてもがかわいく感じたり、またある時には憎たらしいものに変わったりします。そうです。それは作物を荒らされるときです。カラスなどはいつもいたずらばかりしているので、かわいいなんて思ったことなどありませんけど。一定していつも憎たらしく思いますね。見かけたら、持っている鎌でも何でも、目がけてぶん投げてやりたくなります。「このバカラスめーっ。」 いま、黒い声で鳴き始めましたよ。

                ~

 夜は雨になるでしょう。というので、それが早まり午後から雨になったら、それはたいへんと想って大仕事をしてしまいましたよ。そしたら、雨など降りませんでしたよ。予報士さん。

 朝、とあるところに用事があったので自転車で行ったのですが、途中で私より二つ大きい人が二人して語っています。「 あ、いじめられる。」 と思って遠回りしたのは小学生の頃、いまは大人になったので大丈夫ですから、「 おはようっす。」 と近寄って30分ばかり立ち話。「 今日は麦刈りをしなくっちゃならないんだ。」 と言いますと、さすがは先輩ですね。「  そうなんだよ。今の時期は。大麦なら梅雨の前に刈れるんだけど、小麦は梅雨の最中なので、ヘタすると芽がでてしまうんだよな。」 と言います。なるほどねぇ。大麦は作ったことがないので、そういうこともあるんだなと思いました。

 それで、やりましたよ。まずスズメ除けのネットを丁寧にはずし、それからノコギリ鎌でガリガリと刈り取り、台車で庭にはこび、脱穀しました。

 

 この機械は足踏み式脱穀機です。別名ガーコンガーコンといいます。これは間違うとドラムが逆回転します。タイミングを合わせて順回転にして脱穀します。書いてある文字は右から読むんですから、古いものです。工場のあったところは 神奈川県橘樹郡 とありますよ。どこなのかさっぱり分かりません。

 調べてみたら、これは「たちばなぐん」と読むのだそうで、ウィキペディアでは 「 現在は川崎市( 川崎区、幸区、中原区、高津区、宮前区、多摩区、の全域および麻生区の一部 )および横浜市の一部( 鶴見区の全域および港北区、神奈川区、中区、保土ヶ谷区の一部 )になっている。」 と出ていました。

 麦刈りが午前の部で、脱穀が午後の部です。脱穀後は広げてネットをかけ干しました。看板を掲げるなら 「 スズメにチウイ 」 ですね。これから毎日干します。種を残し、粉にして天ぷら粉にでもしようと思います。食べきれない分は鶏のえさです。

 

 この機械は、私のおばあさんが使っていた物です。まだ大丈夫でした。年代物ですよ。実際には、この歯の付いたドラムで麦をこくと、実が四散しますので幌をかけます。

 藁は敷き藁にします。