郵政民営化法案に造反した元自民党の議員が、復党することでしばらくニュースをにぎわしていましたが、12名のうち11名が復党できて、一応落ち着いて来たようですね。
一人まだのようですが、強い信念があり、自民党の示した条件を 「踏み絵 」 と称して、その踏み絵を踏まないと言っています。偶然にも、先日私が紹介しました 「 ガリバー旅行記 」 のことを取り上げて、昨日の朝日新聞の 「 天声人語 」 が語っていました。作者のスイフトは、ガリバーは日本にきたときに踏み絵のことをちょっと書いています。「 天声人語 」 はそのことから書き始めていました。
それを読んでいたら、こりゃまた書かなくっちゃという気持になりました。またまたガリバーの話です。
ところで、ガリバーが書かれた頃と 「 御伽草子 」 が出来上がった頃とは、近いような感じがします。で、私が気にしている物語は、その 「 御伽草子 」 の中にある 「 一寸法師 」 と 「 御曹司島渡り 」 という話です。一寸法師の話しは有名ですから、皆さんが知っているのとほぼ同じなんですが、「 御曹司島渡り 」 は、ほとんど知られていません。
御曹司 ( おんぞうし ) というのは、平家の公達( きんだち )に対しての源氏の嫡流の息子たちを指す言葉です。中でも特に義経を指すことが多いですね。公達は、貴族の子息たちを指しますが、平家を特別に貴族扱いにして、そう呼んだのでしょうか。さて、その義経が御伽草子のなかでは、千島列島らしい方面に旅をするという、とんでもない冒険をすることになっているんです。
いろいろな所に行くのですが、ここでは二カ所紹介します。まず小人の国です。上の絵にあるように、確かに小さい人たちのいる島に渡っています。
さて、ガリバーは最後の第四編では馬の国に行っています。我々の世界では人間が最高の生き物になっているのですが、そこでは馬が最高の存在です。そして、ガリバ
ーがある時に見た動物は、何とも言えないような軽蔑したくなるような様子をしている猿のような生き物でした。それはよく見ると自分と同じ姿形をした人間ではありませんか。そしてその生き物は、その世界ではヤフー(yahoo)と呼ばれているのです。
この絵は昔の絵ですし、物語の挿絵ですから、今私たちが描く馬の姿のようではありませんが馬の絵です。
ガリバーの中に書かれている話しと、この御曹司島渡りに出てくる話は同じではありませんが、どうもスイフトは、この御伽草子にヒントを得ているのではないかと思えてなりません。
鎖国の時代とは言え、西洋との交流があったわけですから、ひょっとするとスイフトはこの話を読んでいたかも知れませんね。確たる証拠は私には発見できませんので、単なる想像の域はでませんけど、この島渡りの話が御伽草子の中でも室町あたりに書かれたものであるなら、偶然でもないような気がしてなりません。