goo

長谷川宏・著“新しいヘーゲル”の読後感想

日本の近代を考えてみれば、戦前戦後を通じて、閉塞感を打破する理性に基づく夢を語る政治家が居た例がないことに最近気付いた。日本の高等教育で思想・哲学をおろそかにした結果であろうか。やっぱり思想・哲学が大切だとそう思った時、私自身は哲学の“お勉強”をして行こうと一層思うようになった。 私の“お勉強”はヘーゲルで立ち止まっている。西研先生の“ヘーゲル・大人のなり方”を読んだが、まだまだ消化不良なので、引き続きヘーゲルにもう一歩突っ込んで、今度は長谷川宏氏の著書“新しいヘーゲル”に取り掛かった。 この本によれば、“人類の精神史は理性の進展とその徹底にある”というのがヘーゲル哲学の結論である、と理解した。そしてそれは“美学、芸術論にも及ぶ”。また弁証法はそれを証明するための厳しいせめぎ合いの方法論であると。このように長谷川宏氏は“難解とされるヘーゲル”を分かり易く説明してくれている。やはりこの段階で一歩進むには一旦原典に当たるべきか。それほど分かり易い本であった。著者の長谷川宏氏について、改めて他の著作も私のような者にも読むに値するのだろう。 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( )