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板野博行・著 “眠れないほどおもしろい吾妻鏡”を読んで

今回は今年のNHK大河ドラマ“鎌倉殿の13人”の内容を先取りするべく書かれたネタバレ本を紹介する。それは板野博行・著“眠れないほどおもしろい吾妻鏡”だ。表紙がまるで、大河ドラマの頼朝役の大泉洋を彷彿とさせるイラストで、おもわずクスッとなる、いかにも滑稽本の印象だった。 NHK大河ドラマやこの本は『吾妻鏡』がベースになっているのだが、『吾妻鏡』は北条氏にとって都合よく書かれているところが多々あり、慈円の『愚管抄』の記述を参照して是正することにしたとある。この本の後半の第5章に“「鎌倉殿」を支えた十三人”というところがあって、大河ドラマはここから来ていると思われる。 内容に言及すると命を懸けた権力闘争が凄い。源氏血統の将軍は闇討ちや暗殺となり、“鎌倉殿の13人”の内、3人は明らかに因縁を付けられて、酷い場合は騒乱となり、殺されている。登場者たちが皆、実力者集団であることから、血で血を洗う闘争となっていて、確かにこれでは大河ドラマに仕立てるのは困難と思われる内容だ。これはヤクザ映画の筋立てそのものを想起させるものだ。だからこそ、脚本を三谷幸喜とし、頼朝を大泉洋に配役して、脇に西田敏行を置いて、若干コミカルに味付けしようとしていると了解した。 . . . 本文を読む
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