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笠原 嘉・著“退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服”を読んで

今週は笠原 嘉・著“退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服” (講談社現代新書)の紹介をしたい。2月末に鑪 幹八郎・著“アイデンティティの心理学”を紹介したが、そこでこの本が紹介されていたのだ。その際、“身近の若者が妙に気になっている”と書いたが、その若者が、“退却神経症”に該当するのではないかと思われるので読んでみた次第だ。 それは、この本“アイデンティティの心理学”の中で、“スチューデント・アパシー(学生無気力症候群)”と呼ばれる症例に該当するように思ったからだ。このアパシー(Apathy)という言葉の“語源はギリシャ語にあり、一般的には「感情や興味の欠如」と定義される。学生でありながら、本業であるはずの学業等への意欲のなさ、無気力な状態を特徴とする学生特有の障害”と説明されている。 この本は、1988年発行の古い本で、一般書店では既に取り扱ってはおらず、BOOK OFFか図書館でしか入手できない。内容は古くない印象だが、それだけに日本の心理学の進展が進んでいないのではないかとの疑念も湧いてしまう。だが一方、精神の正常化へのプロセスはいろいろな道があるのかもしれない。そんな気もするのだ。 . . . 本文を読む
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