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2015年、年末のご挨拶

また、いつの間にやら、年末となった。この1年何があったか、やったか。大げさかもしれないが 先ずは、社会的な状況総括をしてから、個人的な生き方へ視点を移して今年の総括から来年への展望へとつなげてみたい。

今年は何といっても安保法制の成立が、大きな社会的問題であった。立憲主義が揺らいだ1年だったように思う。これによって、果たして日本は近代法制度になじむ社会なのか どうなのか疑問符の付く実態が明らかになったように思う。そうなると、とりあえず何故そうなのか、と思ってしまうが、その前に自分自身が、もっと“法理の常識”というか近代法のグローバル・スタンダードとはどういうものかの“常識”を知っておかねばならないと思うようになった。そこで、実は既に そういう方面の“お勉強”を 少しずつ指向し始めている。
そこで先ずは、トーマス・ホッブズから始めてみたが、“キリスト教のコモン・ウェルス”がさっぱり理解不能。何故そうなのか、その原因はキリスト教について実は何も知らないことに気付いたのだった。そこで、次にキリスト教を理解するための本を読もうとなって、これはかなり遠い道のりとなる気配を感じている。

さて政治的には 安保法制が大きかったが、アベノミクスはどうなったか。国内総生産(GDP)はどうやら停滞が実態ではないか。当初、“2015年7~9月期のGDP速報値は、実質で前期比0.2%減、年率換算では0.8%減で、4~6月期(年率換算で0.7%減)から2四半期連続のマイナス成長となった。”と言われていた。しかし、その後、“7~9月期のGDP改定値は、物価変動を除いた実質で前期比0.3%増、年率換算では1.0%増だった。速報値から上方修正した。”とされている。このデータのマイナスからプラスへの転換に、安倍首相は妙に異様にはしゃいだ。私はそこに“怪しさ”を感じ取ってしまった。
現にこれに対し、東大の渡辺努教授は、取っている統計値の正確性について疑問を呈していた。要するにゼロ成長時代に簡単にマイナスからプラスへ転じるのはいかがなものか、という課題だ。片山義博氏も、今の政権が株価やDGPの“数値”に異様な固執振りから、内閣府の所管する数字の信頼性が疑われると指摘している。現政権は報道にすら圧力を加え、日本の報道の真実性への信頼が薄らいでいる状況では何らかの恣意性が紛れ込んでいると思われるのだ。

本当に日本経済は順調に成長しているのか、そんな実感が全くないのだ。少なくとも関西では景気は良くなっているとは思えない。私は この冬のダウン・コートが欲しくて1ヶ月近く物色していた。ようやく気に入ったコートが見つかったのだが、それは同じメーカーの格上のブランドと殆ど同じデザインで材質も変わらず、従い着心地も全く変わらないが、値段は2万円強安価なものだった。それでも即座には購入せず数週間様子見していたら、どのサイズも売れる気配が全くなくとうとう先日バーゲンに入り、当初の値段よりさらに30%ダウンの1万円強値下げしていた。要するに格上のブランドから見ると、“半値8掛け”に近いものがあるのだ。そこで私はこれを買うことにした。それでも売れなければ、来年1月バーゲンには“半値8掛け2割引き”となるのではないか。
これが消費現場の実態だ。どうも とにかく売れない。これで“デフレ脱却”と言えるのだろうか。輸入物資が円安で値上がりしているのを、政権が“デフレ脱却”と称しているだけ、ではないのか。いわば“悪いインフレ”のコスト・プッシュ・インフレが起きているだけ。下手をすれば、不況下のインフレになり生活弱者の一層の困窮に資するだけではないか。

翻って、そうした懸念を株式市場は既に反映しているように思う。今年初めは日経平均で1万7千円台だったが、その後円安による企業業績回復・向上を囃して夏季に2万円台にまで至った。が、中国不況を懸念して値下がりし、企業業績改善の掛け声は小さくなって来ている。最近は原油安が株価下落要因となっているが、それは企業業績を本来押上げる要因であるにもかかわらずである。外人の日本株式への関与が大きいため、米国の市場状況が反映していると理解すべきなのだろう。
日経平均の株価チャートを見ると、8月よりいわゆる“三角持合い”に入っているように思える。チャート上で三角形を描いてみると、来年2月の初旬に頂点つまり線分の交差点が出来る。一般的にはここで、株価が上昇するか下降するかの分岐点になると予測されるはずだが、上昇する要素は見当たらない。現状では“ハザード(マイナスのリスク要因)”が多すぎるのだ。原油安、中国不況、その他欧州・中近東の国際政治要因等々である。こんな先の見えない状況で、企業は賃上げに応じられるのだろうか。しかも円安要因のみで回復したとされる企業業績は円安が停滞すれば、停滞又は悪化するのではないか。ドル独法高は米国経済には悪影響なので、政治的にこれ以上のドル高はあるまい。
しかも勤労者の殆どが務める中小企業では、赤字決算のため法人税減税の恩恵に浴することはなく、むしろ強化される外形標準課税で持って行かれてしまい収益向上は望み薄。つまり日本の勤労者の殆どの賃上げは望めないのが実情だ。これでは、モノが売れて景気が良くなるとは見込めない。

恐らく春先には円安も止まり、こうした経済停滞がさらに露わになって株価はさらに下落するのではないだろうか。官製相場の威力も外人のヘッジファンドの前には、これまでの株価推移を見る限り無力ではないか。そうなると不況は共通した一般的な認識となるであろう。そうなると、アベノミクスは“アホノミクス”と罵る声が大きくなり、安倍政権は不安定化するだろう。参院選での自民圧勝の予想も怪しくなる可能性は大きい。しかし、政治的には受け皿になる野党が居ないのが現在の日本の不幸なのだ。

問題は現政権が 目先にとらわれ過ぎていることだ。本来は政治は、経済には長期的視点の政策を指向するべきなのにもかかわらず、日々のマーケット動向について政権中枢から各証券会社に問合わせが入るという。このように余りにも短期的視点でいるため、結果として日本の株式市況の指標は上昇傾向になっていない。例えば、ドル換算指標では全くの停滞状況。こういう市場には海外の長期資金は入って来ない。現に短期ヘッジファンドのオモチャと化しているとのこと。ヘッジファンドにとっては全体では停滞していても振れ幅の大きい市場こそ、鞘抜き可能な市場だ。これが“アホノミクス”の主因だ。そのため、来年後半は日本は政治的、経済的に漂流する可能性は高いように思える。

こういう見通しの下で、12月初めには8月以降に購入したJPXのインデックス投信を全て売却した。利益は出なかったが遊ばせるよりましと思って投資したつもりだったが、初秋の頃は年末にかけて日経平均は上昇するとの見通しが一般的だったので買ってみた。この方向転換は今の所成功だった。今後キャッシュ・ポジションの増加が賢いのかも知れない。

さて、個人生活はどうであったか。例年のように特に、外形的には大きな問題はなく過ぎた年だった。春には、昨年出来なかった福島の原発事故の汚染地域の視察を行った。除染後の放射能汚染物質を随所に野積みしていて、フレコンの耐候性が気になったが、その後国内のフレコン・メーカーから、中国製のフレコンが耐候性が無く野積み汚染物質の飛散が起きているとの話を聞いている。

健康状態は、気道狭窄が昨年夏以来少しずつ回復してきて、若干の後戻りもあるが回復基調は続いている。しかし、まだまだ完全復調ではない。昨年、200mが泳げていないと書いていたが、先々週ようやく250mまでには泳げたと思ったら、今は又150mまでしか泳げなくなっている。また、激しく酔っぱらうと息苦しくなるというような状態は続いている。
しかし、そういう状況下で健康状態のメンテナンスというか、ウォッチング体制は結果的に上手く築けて来ている。大病院での定期的血液検査と超音波健診。時にそれに基づく追加の詳細な探査。それらの結果を見ての、近所の医者による投薬。運動は週1回以上の水泳、1回で合計約1000m泳ぐ、この辺が実力。それに併せて筋肉メンテでマッサージにも2週間毎に行っている。歯科医は最近若い気鋭クリニックを見つけた。この体制はしっかり維持したい。

京都版・神戸版の環境システム審査の仕事の仲間内では、さらに少しポジショニングを上げられたと内心自負している。特に、神戸版の審査員の特に懇意な仲間内の忘年会にも参加できるようになった。固よりミスなく審査をやり遂げることが重要だがやりきれており、相手の活動に役立つ審査報告書も書けて来たと自負している。そのような中で ISO14001の改訂に伴う規格改訂があり、顧客説明も上手くできているつもりだが、来年は相手がシステム運営を適切にできているか見なければならない。その結果が多少心配なところだ。

ISO品質審査員資格ホルダーの勉強会では、秋には実際の企業のISO9001の運営状況を視察することになっていた。そこで昨年は 関西での研修会開催に当初意欲を燃やしたが、本部から今年はそのような予定はないと一蹴されて終わった。どうやら協力企業が少ないという理由で、今後はやらない方向のようだが、本当にそれで良いのか様子を伺いたい。
夏には東京での監査技法の講習会にも参加した。このスキル研鑽は今後は、OJTの自学自習となろう。この時ついでに、東大本郷キャンパスや議事堂周辺を観光、関西では売っていない菓子のシベリヤも食べた。
研究発表では、ISO改訂でQMS、EMSいずれもリスク評価の要求事項が入って来ているので、それにはバランス・スコア・カードの活用が有効であるとの提案を行い、その内容とやり方のノウハウ含めて説明した。コーディネーターからは好評だった。来年のテーマは未だ決めていないが、この会では今後環境も扱うとのことで、そちらでの発表もありだ。

リスク研究会には、今年も御無沙汰状態を意識的に継続させている。その理由は、代表の御考えが硬く、会の運営方針も一旦やり始めたことを柔軟に時代に応じて変更する意志が無く停滞が続いている印象だからだ。
この団体には、“出前講座”の企画があるのだが、掛け声ばかりで一向に具体化していない。そこで私は“バランス・スコア・カードに関するコンサル”について、先述のISO勉強会で説明した資料を提供すると申し出て、12月の例会でその内容を説明した。しかし会の停滞状況では、これが その後さらに具体的に展開することは期待できまい。
この団体の会員メルマガで、ようやく出番が巡って来て自己紹介が出来た。また“予防原則”という考え方に対するリスク論的対応の必要性を感じていると宣明した。これについては冒頭に言った“法理の常識”のお勉強を通して考えをまとめて行きたいと思っている。本当は今年中に基礎勉強を終えたいと思っていたのだが出来ずにいた案件だ。かなり息の長いテーマになったと思うが、そういうものがあった方が 今後の人生には良いのではないかと思っている。
ついでだが、久しぶりに出た12月の例会では会員の集まりが少なく驚いた。忘年会にもかかわらず昨年と比べても低調になって来ている。この会合には、革新が必要だが、その切っ掛けがつかめていない。代表の交代が必要なのは確かだ。

また年末には2名の先輩当人の逝去の知らせがあって、先週香典を郵送した。今後 こういう知らせが多くなるのは必至なのだろう。寂しいというか、何とも言い難い。
気付けばこのブログのヘッダー・デザインは春以来替えずに今に至ってしまって申し訳ないことになっている。何だか時間の経過が早く、季節の変化も早いような気がする。しかし、少なくともお正月には変更は必要なので、今デザイン検討を行わなければならない。
まぁ、今年はこういった次第だった。次回は年始のご挨拶になるが、正月3が日はお休みさせて頂きたく、年初の投稿は11日とさせて頂きたい。

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