The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
ハルマゲドンの始まりか―反知性主義の悪魔が世界を覆う
トランプ氏が大統領に就任して、いよいよ反知性主義の時代が幕開けした。それは、われらが首相の時代でもある。だが今、御本人にはそんな自覚はなく、昨年末と違って申し込んだ会談の予定が立たずに焦ってビビンチョになっているのではないか。昨年末には、結構簡単に会えて有頂天になり、各国首脳にもTPPは大丈夫と言い回った。だが一方、その会談について当時のオバマ氏から不快感を伝えられ、驚きオヨヨとなって急遽ハワイに飛んで謝罪しなければならない羽目となった。今度は、トランプ氏に一向に会える目途が立たずにビビンチョなのだ。しかも、何とかやり遂げたTPPは灰燼に帰しようとしている。
しかし、会えれば結構ウマが合うはずだ。知性派のオバマ氏よりは全くましだろう。政策矛盾があっても二の次で、何よりそれで、彼の増長慢となり一層の傲慢政治を展開することになるのだろう。彼には国民の幸不幸は二の次なのだ。
さて、反知性の時代は分断と混乱を生むはずだ。政治家に少しでも事実誤認があれば、その下で実施される政策は、社会に大きな害悪を与える。しかし、あるファクト・チェックによれば、トランプ氏の発言の70%がウソで出来上がっているという。それで適正な政策が実施されるとは全く思えない。
トランプ氏を熱狂的に支持したプアー・ホワイトすら結果的に救うことはできないだろう。オバマ・ケアの中止は、一体誰を救うための政策であろうか。彼を取り巻く閣僚は大金持ちばかりで、プアー・ホワイトの置かれた状況を全く理解しておらず、正反対の立場に居る。トランプ氏の言動は矛盾に満ちているのだ。
やがて、見捨てられたと気づいたプアー・ホワイトは時既に遅しとなり 救われるどころか、どんどん地獄に落とし込められるだろう。そうなった時、逆上した彼らは究極の報復手段に出る可能性は高い。それは、米国の歴史を見れば明らかだ。銃社会の米国は、私達が考える以上に暴力的なのだ。
トランプ氏が得意だろうと想像されているディールとは、交渉相手とウィン・ウィンの関係になることだ。だが、彼の主張するアメリカ・ファーストはどうやらオール・テイキングのようだ。全てを奪えるディールでなければ許さないという乱暴さが垣間見える。そういう強奪は盗賊の為せる業だ。それは17世紀の海賊を国家が支援したことを思い起こさせる。反知性主義はこうした、強烈なアナクロニズムを生むのだ。普通に考えれば、とても許容されるものではない。
北米自由貿易協定NAFTAすら、その存在を疎む姿勢は理解不能だ。何故ならば、それが米国社会の繁栄の基礎となっているからだ。リカードの比較優位学説は歴史的事実によってその真正性は明らかだが、それを無視するのはあり得ない。間違ったトランプ氏の政策は正しく反知性主義によるものだ。
今更、米国の従来型製造業の繁栄する余地はない。無理にやれば米国経済は不況に入るだろう。何よりも今は大人しくしているエスタブリッシュメントが、それを許さないだろう。
トランプ氏が政権を手中にすることで、そのビジネスとの利益相反となることが指摘されている。だが、彼にはそのビジネスを売却しようにも出来ない状態にあるという報道があるようだ。そのビジネスは既に債務超過しているので、売却すれば負債が残るだけだというのだ。それが真実ならば、トランプ氏は成功者ではなく、むしろ事業に失敗して、それを回復するために政権を奪取し、権力を利用しようとしていると考えられないことはない。
私的利益のために政権を奪取したとなると、それが善政となるとは考え難い。これは重大問題だ。
トランプ大統領は私的利益のためなら、中露ともdeal- doneする可能性は高い。否、逆に戦争もいとわないかも知れない。
私の想像では、中露とのdeal-doneは、米国の闇・軍事マフィアを敵に回すことになるだろう。何故ならば、軍事マフィアには軍事的緊張が必要で、それが薄れればビジネスが成立しなくなるからだ。そうなれば、又別の側からの究極手段がとられる可能性が高いと思う。このように反知性主義による矛盾と私的利益追求は、多くの政敵を生むだけなのだ。そして、それは多大の分断と混乱を生む。
というのは実は些末な話。実は、ロシアとのもっと大きなスキャンダルが米マスコミの間で関心を持たれているという。田岡俊次氏の伝えるところを筆者が要約すれば次のようだ。
“1月20日の米大統領就任式を前の1月11日ドナルド・トランプ氏が初めて行った記者会見で、演壇に立ったトランプ氏とCNNテレビの著名な記者との質疑応答でひと悶着があった。
それは、CNNが1月10日、「オバマ大統領とトランプ次期大統領に提出された機密文書に、トランプ氏の名誉に関わる私的、財政的情報をロシア情報員が持っているとの説が含まれていた」と報道したからだ。この機密文書は英国MI6[対外情報部]によるものとされ、米国の中央情報庁[CIA]などにも伝達された模様で、英米の一部メディアも昨年夏ごろには仄聞していたが、確証が無く報道されなかった。しかしインターネットメディアの「バズフィード」は、1月10日にその報告書を公開し、その概要をCNNも使ったということ。そのバズフィードの伝えるところでは、2013年11月、モスクワで開かれたミス・ユニバース・コンテストにトランプ氏は「ミス・ユニバース機構」代表として列席し、モスクワ・リッツカールトンホテルの要人用の特別室に宿泊した。彼はそこで複数のコールガールを入れ、‘Golden Shower’をさせるなど異常な性行動に及び乱痴気騒ぎをしたのを、ロシア連邦保安庁[FSB:KGBの後身]が撮影していた、という。
もしこのビデオが存在し、公開されれば次期大統領は弾劾か辞任を免れまい。大統領の変態的行為は金銭的不正以上に米国民の怒りと侮蔑を招くだろうし、それをロシアに握られたとなれば、大統領がロシアの意のままになるだけだ。しかしロシアにとっては切り札なので、公式にはその存在を隠して本人を脅迫し、コントロール(操縦)し続けるだろう。”
田岡氏はこの会見で“CNNと対立してきたFOX Newsすら「報道の自由を妨げた」としてトランプ批判に加わった。”と言っている。米マスコミの殆ど全てを敵に回して、任期4年持続可能でないかも知れないと思うがどうだろうか。
だが一方、トランプ氏の権力奪取によって、欧州の右派反知性主義者も勢いづいているという。欧州は今年は選挙の時期となるという。こうしてもし、反知性主義が地球を覆うことになれば、世界により大規模な分断と混乱を引き起こすだけだ。
そうか、これが21世紀のハルマゲドンだったのか。一体、どうすれば反知性主義者の悪魔に勝利できるのだろうか。知性が少し気を許した間に、反知性が容易には打倒し難いほど巨大になってしまったのだ。民主主義のどこに欠陥があるのだろうか。人類は性懲りもなく無残な戦争を経験しなければ、理性的な知性を呼び起こすことはできないのだろうか。それが人間の本質なのだろうか。オバマ氏がマスコミに言ったように、報道人の良心の一にかかっているだけなのだろうか。
思わず長くなってしまった。本当は全く別の記事を投稿しようとして、トランプ氏の就任式を見てその感想を前文に出そうとしたものが、長くなったのでそれを本文に急遽変更したのだ。どうやら、結局今年の予想・第2編となってしまった。
しかし、相場格言に“申酉騒ぐ”というが、どうやら相場に限定した混乱ではなくなる可能性が高い。その混乱がまた大暴落相場を生むだろう。それに、ブラック・マンデーの87年以来10年ごとに経済困難が起きているという指摘がある。97年には山一證券の破綻があり、07年はリーマン・ショックだった。こういうジンクスは意外に当たるものだ。今年はここに述べたように、既に大混乱が予測される。一体、どうなることやら。
しかし、会えれば結構ウマが合うはずだ。知性派のオバマ氏よりは全くましだろう。政策矛盾があっても二の次で、何よりそれで、彼の増長慢となり一層の傲慢政治を展開することになるのだろう。彼には国民の幸不幸は二の次なのだ。
さて、反知性の時代は分断と混乱を生むはずだ。政治家に少しでも事実誤認があれば、その下で実施される政策は、社会に大きな害悪を与える。しかし、あるファクト・チェックによれば、トランプ氏の発言の70%がウソで出来上がっているという。それで適正な政策が実施されるとは全く思えない。
トランプ氏を熱狂的に支持したプアー・ホワイトすら結果的に救うことはできないだろう。オバマ・ケアの中止は、一体誰を救うための政策であろうか。彼を取り巻く閣僚は大金持ちばかりで、プアー・ホワイトの置かれた状況を全く理解しておらず、正反対の立場に居る。トランプ氏の言動は矛盾に満ちているのだ。
やがて、見捨てられたと気づいたプアー・ホワイトは時既に遅しとなり 救われるどころか、どんどん地獄に落とし込められるだろう。そうなった時、逆上した彼らは究極の報復手段に出る可能性は高い。それは、米国の歴史を見れば明らかだ。銃社会の米国は、私達が考える以上に暴力的なのだ。
トランプ氏が得意だろうと想像されているディールとは、交渉相手とウィン・ウィンの関係になることだ。だが、彼の主張するアメリカ・ファーストはどうやらオール・テイキングのようだ。全てを奪えるディールでなければ許さないという乱暴さが垣間見える。そういう強奪は盗賊の為せる業だ。それは17世紀の海賊を国家が支援したことを思い起こさせる。反知性主義はこうした、強烈なアナクロニズムを生むのだ。普通に考えれば、とても許容されるものではない。
北米自由貿易協定NAFTAすら、その存在を疎む姿勢は理解不能だ。何故ならば、それが米国社会の繁栄の基礎となっているからだ。リカードの比較優位学説は歴史的事実によってその真正性は明らかだが、それを無視するのはあり得ない。間違ったトランプ氏の政策は正しく反知性主義によるものだ。
今更、米国の従来型製造業の繁栄する余地はない。無理にやれば米国経済は不況に入るだろう。何よりも今は大人しくしているエスタブリッシュメントが、それを許さないだろう。
トランプ氏が政権を手中にすることで、そのビジネスとの利益相反となることが指摘されている。だが、彼にはそのビジネスを売却しようにも出来ない状態にあるという報道があるようだ。そのビジネスは既に債務超過しているので、売却すれば負債が残るだけだというのだ。それが真実ならば、トランプ氏は成功者ではなく、むしろ事業に失敗して、それを回復するために政権を奪取し、権力を利用しようとしていると考えられないことはない。
私的利益のために政権を奪取したとなると、それが善政となるとは考え難い。これは重大問題だ。
トランプ大統領は私的利益のためなら、中露ともdeal- doneする可能性は高い。否、逆に戦争もいとわないかも知れない。
私の想像では、中露とのdeal-doneは、米国の闇・軍事マフィアを敵に回すことになるだろう。何故ならば、軍事マフィアには軍事的緊張が必要で、それが薄れればビジネスが成立しなくなるからだ。そうなれば、又別の側からの究極手段がとられる可能性が高いと思う。このように反知性主義による矛盾と私的利益追求は、多くの政敵を生むだけなのだ。そして、それは多大の分断と混乱を生む。
というのは実は些末な話。実は、ロシアとのもっと大きなスキャンダルが米マスコミの間で関心を持たれているという。田岡俊次氏の伝えるところを筆者が要約すれば次のようだ。
“1月20日の米大統領就任式を前の1月11日ドナルド・トランプ氏が初めて行った記者会見で、演壇に立ったトランプ氏とCNNテレビの著名な記者との質疑応答でひと悶着があった。
それは、CNNが1月10日、「オバマ大統領とトランプ次期大統領に提出された機密文書に、トランプ氏の名誉に関わる私的、財政的情報をロシア情報員が持っているとの説が含まれていた」と報道したからだ。この機密文書は英国MI6[対外情報部]によるものとされ、米国の中央情報庁[CIA]などにも伝達された模様で、英米の一部メディアも昨年夏ごろには仄聞していたが、確証が無く報道されなかった。しかしインターネットメディアの「バズフィード」は、1月10日にその報告書を公開し、その概要をCNNも使ったということ。そのバズフィードの伝えるところでは、2013年11月、モスクワで開かれたミス・ユニバース・コンテストにトランプ氏は「ミス・ユニバース機構」代表として列席し、モスクワ・リッツカールトンホテルの要人用の特別室に宿泊した。彼はそこで複数のコールガールを入れ、‘Golden Shower’をさせるなど異常な性行動に及び乱痴気騒ぎをしたのを、ロシア連邦保安庁[FSB:KGBの後身]が撮影していた、という。
もしこのビデオが存在し、公開されれば次期大統領は弾劾か辞任を免れまい。大統領の変態的行為は金銭的不正以上に米国民の怒りと侮蔑を招くだろうし、それをロシアに握られたとなれば、大統領がロシアの意のままになるだけだ。しかしロシアにとっては切り札なので、公式にはその存在を隠して本人を脅迫し、コントロール(操縦)し続けるだろう。”
田岡氏はこの会見で“CNNと対立してきたFOX Newsすら「報道の自由を妨げた」としてトランプ批判に加わった。”と言っている。米マスコミの殆ど全てを敵に回して、任期4年持続可能でないかも知れないと思うがどうだろうか。
だが一方、トランプ氏の権力奪取によって、欧州の右派反知性主義者も勢いづいているという。欧州は今年は選挙の時期となるという。こうしてもし、反知性主義が地球を覆うことになれば、世界により大規模な分断と混乱を引き起こすだけだ。
そうか、これが21世紀のハルマゲドンだったのか。一体、どうすれば反知性主義者の悪魔に勝利できるのだろうか。知性が少し気を許した間に、反知性が容易には打倒し難いほど巨大になってしまったのだ。民主主義のどこに欠陥があるのだろうか。人類は性懲りもなく無残な戦争を経験しなければ、理性的な知性を呼び起こすことはできないのだろうか。それが人間の本質なのだろうか。オバマ氏がマスコミに言ったように、報道人の良心の一にかかっているだけなのだろうか。
思わず長くなってしまった。本当は全く別の記事を投稿しようとして、トランプ氏の就任式を見てその感想を前文に出そうとしたものが、長くなったのでそれを本文に急遽変更したのだ。どうやら、結局今年の予想・第2編となってしまった。
しかし、相場格言に“申酉騒ぐ”というが、どうやら相場に限定した混乱ではなくなる可能性が高い。その混乱がまた大暴落相場を生むだろう。それに、ブラック・マンデーの87年以来10年ごとに経済困難が起きているという指摘がある。97年には山一證券の破綻があり、07年はリーマン・ショックだった。こういうジンクスは意外に当たるものだ。今年はここに述べたように、既に大混乱が予測される。一体、どうなることやら。
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