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また大阪がアカんようになる

大阪府知事選が決着した。
28日朝のテレビ・ニュースで知事の座を射止めた候補者へのインタビューを見た。プアーな受け答えに、インタビューも盛り上がらず、質問される方も 自らのプアーさを棚に上げ、何度も同じことを聞くな!という態度に見えた。
まず、この人の政治的信条が不明な点に不安がある。自民推薦・公明支持を受けたのは 結局どういう信条の反映なのか。しかも選挙活動では それを隠したという。どういう意図なのか。信条が 明確でなければ 結局 その政策に 必ずブレが生じるものだと思う。どのような方向にも簡単に転んでしまうだろう。手練手管の既得権者には 御しやすい相手となるだろう。
ISO9001にも登場する“integrity”とは 単に“完全に整っている状態” という ばかりではなく、“ブレない→信頼できる→正直” という意味がある。この部分に大いに不安があるのだ。
しかも その公約は、その判然としない信条をどのように反映した結果なのか不明である。その信条を反映した象徴的で具体的なイメージに十分に絞り込まれていないため、少し突っ込まれると “収入の範囲で予算を決める”の一点張りとなってしまい、これでは 政策自体の発展性もなく、ジリ貧の印象だ。今後生じるだろう予測もしなかった事態には どのような政策や政治的決定がなされるのか 非常に不透明だ。結局、公約が十分に練り上げられた“理念”までにはなっていないのだ。
しかも、何をテコに大阪を発展させるかの政策も無い。ここが肝心なところだが、全く触れられていない。これでは、“また大阪がアカんようになる”という不安が漂う。
大阪がアカンということは、関西がアカンことになるし、それは 東京以外の都市の没落、ひいては日本の没落を誘引することになるだろう。

大阪府知事選に関し、日経新聞の28日朝刊の署名記事は興味深かった。政党が 人材を発掘・育成していないという論調で、今回も政治的手腕の未知数の人材から 選択せざるを得なかった、と言って 次のように続けている。
“各党が最近、多くの地方選で推薦の相乗りをやめ、独自候補を立てていることは評価できる。”
“ただそれらは興行主(政党)が劇場や舞台を整えて多くの観客を呼び込もうとするように、当然の取り組みにすぎない。今回の大阪府知事選は自前の役者育成が追いつかず、実力もわからない客演や無名の俳優を起用して観客たる有権者を戸惑わせている政党の姿を改めて浮かび上がらせた。”

都市自治は 民主主義の学校と言われるが、町内会やマンションの自治も上手くやれない日本人に 成熟した政党の活動も期待できる訳が無いということなのかも知れない。
90年代以降、政治や外交不在のまま 世界の大舞台で漂流し始めて久しい日本だが、低下した経済力も再生不能となり、そのまま負のサイクルに巻き込まれ、地球上からフェード・アウトするのだろうか。

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