The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
ISO/TS16949の審査基準文書
最近 ISO/TS16949関連記事へのアクセスが増加しています。そこで、私自身 理解し始めてきた事柄などを含めて気になることをご紹介したいと思います。
そして、まず私が 不思議に思うのが この認証を得る時の基準文書を明示した参考図書が無い、と言うか そういう解説本が 分かっている範囲では見たことがないのです。
ところで、ISO9001では 何が 審査基準になるか、と改めて問い直されると いかがでしょう。
ISO9001自身が審査基準であることは間違いないのですが、それ以外にもあるのです。これはISO9001自身に規定されています。それは、以前に“ISO9001の核心”で、ご紹介した内容で もう一度 掲げます。
つまり “顧客要求事項(明示・暗黙)”、“法令・規制要求事項”、“組織の要求事項”です。
ですが、ISO9001の認証審査の場合は、ほとんど これらが強調され、実施されることはありません。何故か、それは 審査員自身が 組織個別に要求されている これら“要求事項の具体的な 内容を体験的に知ることはない”ということが 背景にあると思うのです。ですから ISO9001の場合は 大抵 ISO9001自身のみが 事実上の審査基準になっているものと思うのです。
ここで、本題に戻りましょう。では ISO/TS16949何が審査基準か ということですが、これを次に掲示いたします。
実は ISO/TS16949はISO9001が ベースになっていますので、既述のISO9001での要求事項は当然含まれます。
ですから、当然 “顧客要求事項(明示・暗黙)”が 含まれるのですが、ISO/TS16949の場合は これが特に 強調されています。特に、米国ビッグ3の要求事項は公表(日本語訳の文書が あり、改訂はその都度IAOBホームページで公表/IAOB:International Automotive Oversight Bureau)されていて ISO/TS16949の審査員は この個別要求事項にも精通していますので これが 明確に審査基準となっています。顧客が 米国ビッグ3以外の場合では 個別の要求事項を 受審組織が審査前に審査チームに提示しなければなりません。その上 審査員は 自動車産業出身者ですので、“要求事項の具体的な 内容を体験的に知っている”と 思うべきです。ISO9001ほど甘くはないようです。
“IATFルールブック”というのは 審査の手順を書いたものです。審査のやり方も 審査基準に関わってくる部分がありますので これも基準と認識するべきでしょう。(IATF:International Automotive Task Forceの略でISO/TS16949の発行元)
“公式解釈集Sanctioned Interpretations”というのは ISO/TS16949の解釈を示したもので、“勝手な解釈を許容しない”というIATFの強い意志が伝わるような気がします。これは IAOBホームページで公開されています。というのは、この公式解釈は テンポラリーに変更されるということで、それを知らなかったというのは許されないということです。ですから、当事者は 常に このホームページを監視しておく必要があるということです。英文ですので 担当者は 大変ですね。(実際のところは 大したことは書いていない?印象ですが。FQAも重要カモ!)
それから ISO/TS16949や 顧客要求事項で 引用される5つのコア・ツールも規格基準の一部と考えるべきです。この品質管理手法をレファレンスマニュアルとしてパッケージ化していることを、セクター規格としての“優れもの”と評している参考書もあります。何故、これが “基準” として考慮しなければならないかというと 認証審査のテクニカルな部分に関わるのですが、手法自体 公式のレファレンスマニュアルに書かれていて、関係する記録などの様式が そのレファレンスマニュアルと違っていると、その理由を審査員に 合理的に説明し 納得を得なければならないからです。要するに 独自のやり方では 余程のことが無い限り “審査にパスし難い” ということです。
どうでしょうか、自動車関連産業では これら全てを マスターし、クリアしていることが “常識” であるということです。
ISO9001と違って 表面的な審査ではないという印象が強いですね。米国などの自動車会社がISOマネジメントとその運営そのものに対する不信感を持っているという結果が 強く反映しているのでしょうか。
トヨタ自動車は このISO/TS16949も 信用していない、だからISO/TS16949の認証取得の要求がないのではないか、ということですので、非常に厳しい話です。
それから、ISO/TS16949認証取得組織が 自動車会社から不信を買った場合、認証取得の剥奪もあり得るということです。そうでないと、その不信を買った組織を審査した審査会社自身が ISO/TS16949の認定の剥奪される可能性がある、とのことです。
ISO9001にも こういう厳しい 側面が 必要かも知れません。
そして、まず私が 不思議に思うのが この認証を得る時の基準文書を明示した参考図書が無い、と言うか そういう解説本が 分かっている範囲では見たことがないのです。
ところで、ISO9001では 何が 審査基準になるか、と改めて問い直されると いかがでしょう。
ISO9001自身が審査基準であることは間違いないのですが、それ以外にもあるのです。これはISO9001自身に規定されています。それは、以前に“ISO9001の核心”で、ご紹介した内容で もう一度 掲げます。
つまり “顧客要求事項(明示・暗黙)”、“法令・規制要求事項”、“組織の要求事項”です。
ですが、ISO9001の認証審査の場合は、ほとんど これらが強調され、実施されることはありません。何故か、それは 審査員自身が 組織個別に要求されている これら“要求事項の具体的な 内容を体験的に知ることはない”ということが 背景にあると思うのです。ですから ISO9001の場合は 大抵 ISO9001自身のみが 事実上の審査基準になっているものと思うのです。
ここで、本題に戻りましょう。では ISO/TS16949何が審査基準か ということですが、これを次に掲示いたします。
実は ISO/TS16949はISO9001が ベースになっていますので、既述のISO9001での要求事項は当然含まれます。
ですから、当然 “顧客要求事項(明示・暗黙)”が 含まれるのですが、ISO/TS16949の場合は これが特に 強調されています。特に、米国ビッグ3の要求事項は公表(日本語訳の文書が あり、改訂はその都度IAOBホームページで公表/IAOB:International Automotive Oversight Bureau)されていて ISO/TS16949の審査員は この個別要求事項にも精通していますので これが 明確に審査基準となっています。顧客が 米国ビッグ3以外の場合では 個別の要求事項を 受審組織が審査前に審査チームに提示しなければなりません。その上 審査員は 自動車産業出身者ですので、“要求事項の具体的な 内容を体験的に知っている”と 思うべきです。ISO9001ほど甘くはないようです。
“IATFルールブック”というのは 審査の手順を書いたものです。審査のやり方も 審査基準に関わってくる部分がありますので これも基準と認識するべきでしょう。(IATF:International Automotive Task Forceの略でISO/TS16949の発行元)
“公式解釈集Sanctioned Interpretations”というのは ISO/TS16949の解釈を示したもので、“勝手な解釈を許容しない”というIATFの強い意志が伝わるような気がします。これは IAOBホームページで公開されています。というのは、この公式解釈は テンポラリーに変更されるということで、それを知らなかったというのは許されないということです。ですから、当事者は 常に このホームページを監視しておく必要があるということです。英文ですので 担当者は 大変ですね。(実際のところは 大したことは書いていない?印象ですが。FQAも重要カモ!)
それから ISO/TS16949や 顧客要求事項で 引用される5つのコア・ツールも規格基準の一部と考えるべきです。この品質管理手法をレファレンスマニュアルとしてパッケージ化していることを、セクター規格としての“優れもの”と評している参考書もあります。何故、これが “基準” として考慮しなければならないかというと 認証審査のテクニカルな部分に関わるのですが、手法自体 公式のレファレンスマニュアルに書かれていて、関係する記録などの様式が そのレファレンスマニュアルと違っていると、その理由を審査員に 合理的に説明し 納得を得なければならないからです。要するに 独自のやり方では 余程のことが無い限り “審査にパスし難い” ということです。
どうでしょうか、自動車関連産業では これら全てを マスターし、クリアしていることが “常識” であるということです。
ISO9001と違って 表面的な審査ではないという印象が強いですね。米国などの自動車会社がISOマネジメントとその運営そのものに対する不信感を持っているという結果が 強く反映しているのでしょうか。
トヨタ自動車は このISO/TS16949も 信用していない、だからISO/TS16949の認証取得の要求がないのではないか、ということですので、非常に厳しい話です。
それから、ISO/TS16949認証取得組織が 自動車会社から不信を買った場合、認証取得の剥奪もあり得るということです。そうでないと、その不信を買った組織を審査した審査会社自身が ISO/TS16949の認定の剥奪される可能性がある、とのことです。
ISO9001にも こういう厳しい 側面が 必要かも知れません。
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