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政治状況雑感―日本に迫る危機

風邪を引いてしまった。先週半ばから不調で、咳と痰がひどい。咳と痰だけであれば未だましだが、身体がだるいのがつらい。なので、今週の投稿は少々短く終えたい。先週からのトラブル続きで恐縮だが、御許し頂きたい。

先週行った環境審査に行った先で、社長さんの娘さんが管理責任者だったが、選挙で投票先について小学生の子供さんから、“安倍さんダヨ”と言われたので、驚いて何故かと聞いたら、“北朝鮮から守ってくれるのは、安倍さんしかいない。”と言っていたという。それを聞いて又びっくりしたとの話だった。どうやら子供達にまで、政治感覚の乏しい大人が変なことを吹き込んでいるようだ。もし、これが教師だったら非常に罪が深い。教師のレベルがかなり劣化しているのかもしれない。教師の変な事件が後を絶たないし、いじめの問題も一向に解決しない一因がこうしたことにあるのかもしれない。政府は教育関連に金を使うことを抑制し、削減さえしようとしているのではないか。もし、削減にエネルギーを費やしているのならば、それは最悪の政策だ。“1年先を考える人は稲を植え、10年先を考える人は木を育て、100年先を考える人は人を育てる。”と言う言葉がある。政府にも維新の戦争で荒廃した長岡を復興させた“米百俵の精神”を言った首相がいたが、それはどうなったのかあれも口先だけだったのか。今の首相は特に口先だけが甚だしい。にもかかわらず、先のように安倍氏を礼賛する人物が結構いて、子供達にまで間違った情報を吹聴するというのは一体どういう社会風潮なのか、不思議でならない。

テレビでチラッと見たのだが、安倍首相はイバンカ氏の来日を受けての挨拶で“日本は変わった。30年前には考えられなかったように米国と肩を並べるに至った。”といった風なことを言っていたように思うが、一体どういう認識なのだろうか。30年前こそ日本の経済力は米国に並んだ時代だった。国民一人あたりのGDPはほぼ同格だったのだ。むしろ日本のサラリーマンの方が高給取りではないかとまで言われていた。今や日本の一人あたりのGDPはアジアでもマカオ4位、シンガポール10位、香港16位の後塵を拝して、22位なのだ。この事実を日本人はあまり知らないのではないか。日本の国力の長期低迷と後退は一体どこにあるのか。先ずは事実を知ることが大切だが、その事実を知らずに議論してもはじまらないのだ。“日本は変わった。世界経済に遅れて国力は落ちている。”という台詞が正確なのだ。ここでも安倍氏は堂々とウソを言っている。ヒョットしてウソを本当と思い込んでいるのかも知れない。自分に都合の良いことがけが真実なのだろう。これでは国家の指導者としての資格はない。

アベノミクスで日本経済は良くなったのだろうか。完全失業率が低下し、有効求人倍率が上昇しているというが、それはザックリ言えば生産年齢人口の減少が生んでいる見かけの数字ではないか。怪しい議論をするテレビ・コメンテーターが多いが、それが実態なのではないか。ここにも大勢の忖度がある。
イバンカ氏がアベノミクスはウーマノミクスだというのは、口先だけの社交辞令であり笑止そのものだ。

日本のゴマすり社会が世の中を悪くしている。少なくとも良くはしていない。米国ではトランプ氏側近の元選対本部長ら3人を起訴している。韓国では現職の大統領を起訴している。日本では先日の選挙で、官僚の間でますますゴマすりや忖度の度が激しくなることが予測される。国民はそれで良かったのだろうか。
モリカケ問題で、“謙虚に”“丁寧に”対応するという言葉だけで、それで良かったのか。選挙後早速、加計学園が運営する岡山理科大の獣医学部(愛媛県今治市)の開設が認められる方向となった。森友学園も恐らくは、籠池氏個人の資質だけを問題にして収拾を図ろうと財務と検察の官僚同士の談合で決するのだろう。忖度、ソンタク、アァ忖度!
自民党の若手議員は国会での発言時間を、議席に応じて配分しろと要求し、―多分政権側が要求させたのかもしれないが、―野党の反対質問を封じようとしている。与党と野党の質問時間の比率を2:8としたのは、自民党が野党の時に決めたものだと言う。こんな自己中を言うがままに放っておいて良いのか。そして、どんな質問をするのか。いわば“上司”に向かって本質を抉るような厳しい質問ができるとは思えない。否、そうではなくて“ヨイショ”頻発の無意味な発言ばかりになるのだろう。いわば大ゴマすり大会と化するのだ。既に自民の恍けたジイサマ議員が質疑時間が余ったとして、読経したことがあったという。ただでさえ質疑時間不足のはずなのに、こんなことをするのは議会制民主主義のオダブツを象徴しているのではないか。これを称して、安倍首相は“日本は変わった”とにこやかに言うのかも知れない。
こうした政権与党の我が儘勝手を許したのが、この度の選挙結果であるのは確かな事実だ。

さてこれから、トランプ大統領がやって来る。何しに来るのか。恐らく北を攻撃する腹積もりは決まっており、ために“ロナルド・レーガン”,“セオドア・ルーズベルト”,“ニミッツ”の3隻を11月中旬に“演習”と称して近海に結集させる。これで北を攻撃するためのトマホーク千発は最低限揃う。これで、その後の有人機による地上掃討戦も優位に進められる。恐らく、見えない潜水艦も多数これに加わり、トマホークは第一撃としては量的には十分だろう。しかも、この春には動きのなかった空軍がB1を度々飛来させたり、F35・12機を嘉手納に配備して来ている。
こうした準備を進めた上で、日韓中歴訪し、それぞれと対北攻撃の大筋を打合せることになるのだろう。特に日本には戦費をどこまで負担させるか、日米地位協定に従って自衛隊をどこまで指揮して使いこなせるのか、その覚悟を安倍氏に確認に来るのだろう。この対北攻撃で返り討ちで東京がどのような攻撃を受けようが、知ったことではないのだろう。その点について安倍氏は釘を刺す用意はあるのだろうか。最悪は東京に核ミサイルが落下することだ。韓国にあるTHAADや洋上のSM3は本当に有効なのだろうか。有効ならばこれまでの北のミサイル実験でどうして使用しなかったのか。北が安保理決議違反したミサイル発射に対し、これを迎撃しても国際問題にならなかったはずだ。迎撃できない無効性の暴露を恐れたのではないか。いわばいい加減な兵器を米国から高く売りつけられているのではないか。“あやまちは二度と繰り返しません。”はやはり安倍氏によって虚言と化すのか。駆り出された自衛隊員にも被害者は多数出る可能性がある。もしこうなれば、こと既に遅しとなっているのだが、ここでようやく安倍氏の外交政策の基本が問われることになるだろう。
ところでトランプ氏は来日前にハワイに立ち寄って、アリゾナ記念館を訪問し、“リメンバー・パール・ハーバー”とツィートしたという。やはり、この人は一体どういう神経の人だろうかと思わざるをえない。そんな大統領にベッタリしていて大丈夫なのだろうか。
頼みは、マチス国防長官のこうした被害を最小限にする緻密な作戦計画しかない。だが作戦は緻密であればあるほど、それだけ齟齬や予想外があるのは認めなければならないだろう。

やはり首相は安倍氏でよかったのだろうか。あの小学生の発言は正しかった、と言えるのだろうか。日本の運を天に任せるのみだ。危機は目前に迫っている。

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