The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
再び反温暖化説の本を読んで―今度は科学者の解説書
先日、“「温室効果ガスの増加による地球温暖化説」も何かのために考え出された 巧妙な仕掛ではないのか。” と書いた。これには 下敷きがある。それは、最近読んだ反温暖化説の本に根拠があるのだ。
環境マネジメントシステムに関るものとしては “温暖化”へのしっかりとした見方を持っておく必要があるが、どうも最近、温暖化説や一般に言われている環境的常識を覆す内容の本が 書店に目立つように思える。そこで、その中でも かなり刺激的な表題の本を選んだ。少々長い表題だが、“科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている”というものだ。非常に センセーショナル、挑発的表題である。
しかし、著者は国内の複数の大学を経てスタンフォード大学を出た地質学者で、専攻は地球惑星科学という。おまけに紫綬褒章受賞者という地球科学者、東工大の丸山茂徳教授で、その発言には、説得力、迫力がある。
前に読んだ本は いわゆるジャーナリストという微妙な立場の人による解説本だったので その内容がどこまで信じられるのか、という疑心暗鬼が先立ってしまった。従って、読み方も注意深くなるが、すると著者は反温暖化を断言してはいないことに気付いてしまうという 結局、表題に比べ結論が曖昧な印象の本だった。
著者の思惑がどこにあるのか不明のまま そういう本から得た情報に基づいた私なりの推論・結論は、“地球と太陽との関係で寒冷化・温暖化サイクルについて信頼度の高いミランコビッチ・サイクルのモデルでは、現在は寒冷化サイクルに入っているにもかかわらず、現実は温暖化しているのは 温暖化の程度が深刻な状態だからではないか。”というこであった。
今回 読んだ本は その私の推論を さらに推し進め転換させるものだった。
丸山教授は手短に言って、ミランコビッチ・サイクルも含めて他の太陽活動と地球の関係の中で 既に 寒冷化に向かっている、と主張している。その寒冷化に向かっている証拠は この2008年の寒波に現れた、と主張しているのである。(確かに中国では大雪害があった。)そして、その寒冷化に向かっているのか、温暖化に向かっているのかは、今から 5~10年後に明確になる、と断言しているのだ。
そして 温暖化よりは 寒冷化の方が 食料供給にとっては非常に大きな障害となるので 大規模食料不足が出現する、と言っている。そして、その食料問題を契機として 戦争が頻発するだろうから、米国を中心とした世界政府の樹立の必要性を説いている。これが この本の概要である。
注意深く考えてみれば、地球へ熱エネルギーを供給しているのは 太陽だけである。従って、温暖化については、先ずは 地球と太陽の関係から その熱エネルギー授受の状態と結果について検討するべきなのである。
そこで、丸山氏は 温暖化に大きく影響する次の5要素を挙げている。
①太陽の活動度
②地球磁場
③火山の噴火
④ミランコビッチの周期(ミランコビッチ・サイクル)
⑤温室効果ガス
①と②は太陽系の外側から飛来する宇宙線が絡む話で、①は今後 太陽の活動が低下し、太陽風が弱まり、その結果地球に降り注ぐ宇宙線が増加する。すると 大気中を通過する宇宙線は その飛跡に水蒸気を結露させ 雲量を増加させるというもの。雲量が増えれば 地上に届く太陽の熱エネルギーが少なくなり、寒冷化へ向かうというもの。
②は 地球磁場は 過去400年間で弱くなっており、それが宇宙線を弾き返さなくなる原因となり、これも地球上の雲量を増加させ 寒冷化の要因となるというものだ。
ついでながら、丸山教授は 余談として、この宇宙線が増加すると、“生物の遺伝子に突然変異を起こし、進化の速度を数十倍から百倍にした、というもので、私が昨年提唱した新説である。”と言っている。
③は 現在増加の傾向にあると言う訳ではないが、火山灰が太陽エネルギーを遮るという よく知られた話である。
④のミランコビッチ・サイクルは 意外にも 単純ではない話のようだ。“日射量の変化には、太陽と地球の距離だけではなく、地球の自転軸の傾きの変化も影響している。一般的に地球の自転軸は23.4度傾いているといわれているが、約4万年の周期で22.1度から24.5度の間で揺れ動いていることが明らかになっている。” と言う。こういう要素や、他の惑星や月の影響が公転軌道や干潮・満潮が気象にも影響するため、その計算は非常に複雑であり、IPCCの地球温暖化予測でもミランコビッチ・サイクルは織込んでいないという。
しかし、過去40万年の気温変化の推定値(アフリカ沖大西洋の深海堆積物の有孔虫化石の酸素同位体比から推計)から12,23,31.5,40万年前に 温暖化のピークがあり、これはミランコビッチ・サイクルに一致するという。そして、どうやら“現在の地球は寒冷化がいつ始まってもおかしくない時代にすでに突入している”ということなのだ。
そして⑤の温室効果ガスについて。丸山教授はCO2ガスの温室効果は 1ppm増加して0.004℃程度なので、他の様々な要因の中で うずもれてしまうほどのものだ、としている。
さて、丸山教授の説明に基づくイメージを私なりに図示したのが上図である。この図で 左側が地球への熱の入射(インプット)側、右側が熱の放散(アウトプット)側である。実際には これが地球上の尾内示場所で同時に進行・混在している。
モノゴトの本質を理解する場合は 大抵(熱やエネルギーの場合は必ず) 考察対象へのインプットとアウトプットの両方を見定めて、その状態を分析するものである*が、IPCCは 地球の温暖化について アウトプット側だけを無用に強調しているように思える。結論だけが一般に喧伝されているためかも知れぬが、これはおかしい。しかも 大気圏に存在するCO2ガスの割合は379ppm(IPCCデータ2005年)であり、雲を形成する要因となるH2Oは0.3重量%レベルなので、温暖化を考察する上で 雲の形成要因を考察対象から無視することはできないはずだ。
しかも、この本では東工大・生駒教授の理論計算データにより水蒸気の温室効果はCO2ガスのそれより大きいことを示している。そして東工大理学研究流動機構で帰納法シミュレーションで2035年に1900年頃の気温に低下するとの予測結果を示している。(この帰納法がよく理解できない。帰納法で仮説モデルを作りそれでシミュレーションすることか。)
ところが、IPCCは“(雲の変化がどのように気候に影響するかは)多くの研究が進められているところである。”と肝心の議論を逃げている。これでは、IPCCの議論は本筋を外した一方的議論であり、枝葉末節を 針小棒大に論じたものに見える。一体、何のためにこんな言説を唱えるのか、と思えてくるほどだ。
それに対し、丸山教授のモデルはバランスのとれた見方と思える。
*ISO9001のプロセスアプローチや品質工学でのインプット、アウトプットを考えると良い。ファイナンスでの金の流れも同じことだ。全て 入側、出側の両方の変化への反応の仕方で、対象物の本質が見えるはずだ。IPCCのように出側の一部要素だけを強調して議論するのは 著しくバランスを欠く非科学的態度だと思う。
しかし、この本の後半は、その言説は何となく子供じみた印象で、がっかりしてしまう。つまり、寒冷化による世界的食料不足を契機とする予想される動きへの政治的な見通しに関するものであるが、子供じみた議論で、前半の迫力に比べて かなり単純な偏ったものの見方のような気がするのだ。
現下の地球温暖化は事実であろうが、よく考えてみれば、というか地球史規模で思いを馳せれば、現在の温暖化は どうやら“これしき”と言えるレベルであり、この程度の温暖化は これまでにも何度かあった程度のもののようだ。それにも拘わらず、現在の温暖化程度のことで 何故 大騒ぎするのだろうか。やはり、騒ぐ人には何か意図的なものがあると言えるのではないかと思うのだ。
例えば 縄文期の遺跡に 有名な三内丸山遺跡があるが この遺跡が実際に繁栄した時期は 現在よりさらに温暖であったらしい。現に そのホームページには次のように何のけれんみも無く書かれている。“当時は現在より少し暖かく、年間の平均気温が2度から3度くらい高かったと考えられています。したがって海が現在よりも内陸に入り込んでおり、標高5メートル前後が海岸線と考えられます。” なおこの三内丸山遺跡は“今から約5500年前~4000年前の縄文時代の集落跡”とのことだ。昔あったことは 将来も有りうることではないか、と思うのは当然であろう。
話は変わるが、私は今 コミュニケーション・ツールとしての“環境報告書”に興味を抱いているところなので、丸山教授の属する東工大の環境報告書2008年版を見てみた。すると“省エネルギーとCO2対策のマネジメント活動”という一節を設けて 東工大の活動を説明していた。
また東工大統合研究院は 主催するシンポジウム“脱温暖化に向けての技術開発とリスク評価”を平成20年10月8日大岡山キャンパスで開催しているようだ。
どうやら東工大・丸山研究室は、地質学を梃子に“地球はどのような歴史をたどり、生命はいつどこでどのように生まれたのか?地球の内部はどうなっているのか?そして地球の中心にはなにがあるのか?”を研究しているのであり、気象学、気候学が正式なテーマではないので、大学全体も大学の事務当局も 丸山教授の“反地球温暖化説”を それほど重視していないのかも知れない。
それはそれとして、丸山教授の指摘のように、気候が 実は寒冷化という 真反対に向かっているとすれば 大問題ではないのか。教授に拠れば地球を取り巻く物理条件は 寒冷化に向かっているようだが、現在までは温暖化は事実である。これは 熱には慣性があり、周辺の条件が変化しても、現象自体にはこれまでの傾向が残る性質があるから、とも素人なりに考えられる。
しかし、今年の日本の北国の山々の初冠雪の時期や 紅葉が 例年より1ヶ月早いと一時言っていたように思う。これは 丸山教授の主張する 寒冷化への序章が 局所から秘かに始まったためと言えるためだろうか。関西の紅葉は遅いらしいが。
“低炭素化社会”へと舵を切った世の中で、寒冷化していることが 明白な事実となった場合、世の中は一体 どんな反応をするのだろうか。ゴア氏のノーベル賞は 剥奪されるのであろうか。いや、その程度のことでは 済まない程 社会にはもっと大きな影響があるだろう。CO2排出抑制は、普通の人々の思考のベースになってしまっている。つまり、疑いようもない事実であり原則になってしまっているのだ。今の世情では 簡単には後戻りできまい。
排出権取引の始末はどうつけるのだろうか。“乗ったヤツがアホだった”で終わるのか。やっぱり日本は世界の“ミツグ君”なのか。
そう考えると 丸山教授が指摘するように、国家予算を使いながら“温暖化”御輿を担いでいる科学者の罪は大きく深いと言えるのではないか。
未だ そう決まった訳ではないが・・・・よく考えるとIPCCの議論は どこか変に無理があるような気がする。
環境マネジメントシステムに関るものとしては “温暖化”へのしっかりとした見方を持っておく必要があるが、どうも最近、温暖化説や一般に言われている環境的常識を覆す内容の本が 書店に目立つように思える。そこで、その中でも かなり刺激的な表題の本を選んだ。少々長い表題だが、“科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている”というものだ。非常に センセーショナル、挑発的表題である。
しかし、著者は国内の複数の大学を経てスタンフォード大学を出た地質学者で、専攻は地球惑星科学という。おまけに紫綬褒章受賞者という地球科学者、東工大の丸山茂徳教授で、その発言には、説得力、迫力がある。
前に読んだ本は いわゆるジャーナリストという微妙な立場の人による解説本だったので その内容がどこまで信じられるのか、という疑心暗鬼が先立ってしまった。従って、読み方も注意深くなるが、すると著者は反温暖化を断言してはいないことに気付いてしまうという 結局、表題に比べ結論が曖昧な印象の本だった。
著者の思惑がどこにあるのか不明のまま そういう本から得た情報に基づいた私なりの推論・結論は、“地球と太陽との関係で寒冷化・温暖化サイクルについて信頼度の高いミランコビッチ・サイクルのモデルでは、現在は寒冷化サイクルに入っているにもかかわらず、現実は温暖化しているのは 温暖化の程度が深刻な状態だからではないか。”というこであった。
今回 読んだ本は その私の推論を さらに推し進め転換させるものだった。
丸山教授は手短に言って、ミランコビッチ・サイクルも含めて他の太陽活動と地球の関係の中で 既に 寒冷化に向かっている、と主張している。その寒冷化に向かっている証拠は この2008年の寒波に現れた、と主張しているのである。(確かに中国では大雪害があった。)そして、その寒冷化に向かっているのか、温暖化に向かっているのかは、今から 5~10年後に明確になる、と断言しているのだ。
そして 温暖化よりは 寒冷化の方が 食料供給にとっては非常に大きな障害となるので 大規模食料不足が出現する、と言っている。そして、その食料問題を契機として 戦争が頻発するだろうから、米国を中心とした世界政府の樹立の必要性を説いている。これが この本の概要である。
注意深く考えてみれば、地球へ熱エネルギーを供給しているのは 太陽だけである。従って、温暖化については、先ずは 地球と太陽の関係から その熱エネルギー授受の状態と結果について検討するべきなのである。
そこで、丸山氏は 温暖化に大きく影響する次の5要素を挙げている。
①太陽の活動度
②地球磁場
③火山の噴火
④ミランコビッチの周期(ミランコビッチ・サイクル)
⑤温室効果ガス
①と②は太陽系の外側から飛来する宇宙線が絡む話で、①は今後 太陽の活動が低下し、太陽風が弱まり、その結果地球に降り注ぐ宇宙線が増加する。すると 大気中を通過する宇宙線は その飛跡に水蒸気を結露させ 雲量を増加させるというもの。雲量が増えれば 地上に届く太陽の熱エネルギーが少なくなり、寒冷化へ向かうというもの。
②は 地球磁場は 過去400年間で弱くなっており、それが宇宙線を弾き返さなくなる原因となり、これも地球上の雲量を増加させ 寒冷化の要因となるというものだ。
ついでながら、丸山教授は 余談として、この宇宙線が増加すると、“生物の遺伝子に突然変異を起こし、進化の速度を数十倍から百倍にした、というもので、私が昨年提唱した新説である。”と言っている。
③は 現在増加の傾向にあると言う訳ではないが、火山灰が太陽エネルギーを遮るという よく知られた話である。
④のミランコビッチ・サイクルは 意外にも 単純ではない話のようだ。“日射量の変化には、太陽と地球の距離だけではなく、地球の自転軸の傾きの変化も影響している。一般的に地球の自転軸は23.4度傾いているといわれているが、約4万年の周期で22.1度から24.5度の間で揺れ動いていることが明らかになっている。” と言う。こういう要素や、他の惑星や月の影響が公転軌道や干潮・満潮が気象にも影響するため、その計算は非常に複雑であり、IPCCの地球温暖化予測でもミランコビッチ・サイクルは織込んでいないという。
しかし、過去40万年の気温変化の推定値(アフリカ沖大西洋の深海堆積物の有孔虫化石の酸素同位体比から推計)から12,23,31.5,40万年前に 温暖化のピークがあり、これはミランコビッチ・サイクルに一致するという。そして、どうやら“現在の地球は寒冷化がいつ始まってもおかしくない時代にすでに突入している”ということなのだ。
そして⑤の温室効果ガスについて。丸山教授はCO2ガスの温室効果は 1ppm増加して0.004℃程度なので、他の様々な要因の中で うずもれてしまうほどのものだ、としている。
さて、丸山教授の説明に基づくイメージを私なりに図示したのが上図である。この図で 左側が地球への熱の入射(インプット)側、右側が熱の放散(アウトプット)側である。実際には これが地球上の尾内示場所で同時に進行・混在している。
モノゴトの本質を理解する場合は 大抵(熱やエネルギーの場合は必ず) 考察対象へのインプットとアウトプットの両方を見定めて、その状態を分析するものである*が、IPCCは 地球の温暖化について アウトプット側だけを無用に強調しているように思える。結論だけが一般に喧伝されているためかも知れぬが、これはおかしい。しかも 大気圏に存在するCO2ガスの割合は379ppm(IPCCデータ2005年)であり、雲を形成する要因となるH2Oは0.3重量%レベルなので、温暖化を考察する上で 雲の形成要因を考察対象から無視することはできないはずだ。
しかも、この本では東工大・生駒教授の理論計算データにより水蒸気の温室効果はCO2ガスのそれより大きいことを示している。そして東工大理学研究流動機構で帰納法シミュレーションで2035年に1900年頃の気温に低下するとの予測結果を示している。(この帰納法がよく理解できない。帰納法で仮説モデルを作りそれでシミュレーションすることか。)
ところが、IPCCは“(雲の変化がどのように気候に影響するかは)多くの研究が進められているところである。”と肝心の議論を逃げている。これでは、IPCCの議論は本筋を外した一方的議論であり、枝葉末節を 針小棒大に論じたものに見える。一体、何のためにこんな言説を唱えるのか、と思えてくるほどだ。
それに対し、丸山教授のモデルはバランスのとれた見方と思える。
*ISO9001のプロセスアプローチや品質工学でのインプット、アウトプットを考えると良い。ファイナンスでの金の流れも同じことだ。全て 入側、出側の両方の変化への反応の仕方で、対象物の本質が見えるはずだ。IPCCのように出側の一部要素だけを強調して議論するのは 著しくバランスを欠く非科学的態度だと思う。
しかし、この本の後半は、その言説は何となく子供じみた印象で、がっかりしてしまう。つまり、寒冷化による世界的食料不足を契機とする予想される動きへの政治的な見通しに関するものであるが、子供じみた議論で、前半の迫力に比べて かなり単純な偏ったものの見方のような気がするのだ。
現下の地球温暖化は事実であろうが、よく考えてみれば、というか地球史規模で思いを馳せれば、現在の温暖化は どうやら“これしき”と言えるレベルであり、この程度の温暖化は これまでにも何度かあった程度のもののようだ。それにも拘わらず、現在の温暖化程度のことで 何故 大騒ぎするのだろうか。やはり、騒ぐ人には何か意図的なものがあると言えるのではないかと思うのだ。
例えば 縄文期の遺跡に 有名な三内丸山遺跡があるが この遺跡が実際に繁栄した時期は 現在よりさらに温暖であったらしい。現に そのホームページには次のように何のけれんみも無く書かれている。“当時は現在より少し暖かく、年間の平均気温が2度から3度くらい高かったと考えられています。したがって海が現在よりも内陸に入り込んでおり、標高5メートル前後が海岸線と考えられます。” なおこの三内丸山遺跡は“今から約5500年前~4000年前の縄文時代の集落跡”とのことだ。昔あったことは 将来も有りうることではないか、と思うのは当然であろう。
話は変わるが、私は今 コミュニケーション・ツールとしての“環境報告書”に興味を抱いているところなので、丸山教授の属する東工大の環境報告書2008年版を見てみた。すると“省エネルギーとCO2対策のマネジメント活動”という一節を設けて 東工大の活動を説明していた。
また東工大統合研究院は 主催するシンポジウム“脱温暖化に向けての技術開発とリスク評価”を平成20年10月8日大岡山キャンパスで開催しているようだ。
どうやら東工大・丸山研究室は、地質学を梃子に“地球はどのような歴史をたどり、生命はいつどこでどのように生まれたのか?地球の内部はどうなっているのか?そして地球の中心にはなにがあるのか?”を研究しているのであり、気象学、気候学が正式なテーマではないので、大学全体も大学の事務当局も 丸山教授の“反地球温暖化説”を それほど重視していないのかも知れない。
それはそれとして、丸山教授の指摘のように、気候が 実は寒冷化という 真反対に向かっているとすれば 大問題ではないのか。教授に拠れば地球を取り巻く物理条件は 寒冷化に向かっているようだが、現在までは温暖化は事実である。これは 熱には慣性があり、周辺の条件が変化しても、現象自体にはこれまでの傾向が残る性質があるから、とも素人なりに考えられる。
しかし、今年の日本の北国の山々の初冠雪の時期や 紅葉が 例年より1ヶ月早いと一時言っていたように思う。これは 丸山教授の主張する 寒冷化への序章が 局所から秘かに始まったためと言えるためだろうか。関西の紅葉は遅いらしいが。
“低炭素化社会”へと舵を切った世の中で、寒冷化していることが 明白な事実となった場合、世の中は一体 どんな反応をするのだろうか。ゴア氏のノーベル賞は 剥奪されるのであろうか。いや、その程度のことでは 済まない程 社会にはもっと大きな影響があるだろう。CO2排出抑制は、普通の人々の思考のベースになってしまっている。つまり、疑いようもない事実であり原則になってしまっているのだ。今の世情では 簡単には後戻りできまい。
排出権取引の始末はどうつけるのだろうか。“乗ったヤツがアホだった”で終わるのか。やっぱり日本は世界の“ミツグ君”なのか。
そう考えると 丸山教授が指摘するように、国家予算を使いながら“温暖化”御輿を担いでいる科学者の罪は大きく深いと言えるのではないか。
未だ そう決まった訳ではないが・・・・よく考えるとIPCCの議論は どこか変に無理があるような気がする。
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