健康塾通信

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夏から秋へ

2007年09月04日 23時55分16秒 | Weblog
残暑お見舞い申し上げます。
酷暑の夏が過ぎましたが、9月とはいえまだ朝晩と日中の気温差もあり、
さらに今日、小笠原諸島で発生した台風の影響でなんとも蒸し暑い日でした。

ところで皆様は夏の疲れは出ていませんか?
この夏の暑さでお肌は紫外線を浴び、角質が厚くなることで、固くなり新陳代謝や免疫力も低下するといわれています。
また体のほうは、冷たいものの取り過ぎで胃腸の働きがにぶり、体の冷えもあってすっきりと目覚めることができないということはありませんか?

これから乾燥する季節、未だ暑さも残りますので、お肌も体も夏の疲れをのこさないようケアし、夏に消耗したものを十分に補うことが大切です。

今回は秋に向けての養生法についてのお話を致します。

秋の期間 とは東洋医学では、24節気のうち立秋(りっしゅう、8月8日頃)から霜降(そうこう、10月24日頃)までの6つの節気を秋に分類しています。
秋は気候の変化が大きい季節で、初秋はまだ暑さや湿気が残っていて、中秋になると空気が乾燥し、晩秋には寒さを感じるようになります。

貝原益軒(江戸時代の儒学者)の「養生訓」には
「秋は、夏に開いた皮膚が、まだ閉じていない。外邪から守る気が未だ堅固でない。
 秋風に吹かれると破られやすいので、慎んで涼風にあたりすぎてはならない。
病ある人は、残暑過ぎて後所々に灸して風邪をふせぎ、陽を助けて痰咳のうれひをまぬがるべし。」とあります。

*秋の養生法のポイント

1:乾燥と冷えを防ぐ

秋の養生のポイントは「養陰防燥」といい、秋になると陽気は次第に衰え始め、陰気が盛んになるので、季節に合わせて、体内の陰気を養うことと、陰気を養うためには防燥(乾燥から身を守る)に心がけることが必要といわれています。

陰陽五行の考え方では秋は肺に対応していて、乾燥した気候は肺の陰気を損傷させやすいと考えられます。そのため、口や咽喉が渇く、空咳が出るなど呼吸器系の病気が発生したり肌の乾燥、便秘しやすいなどの症状が出やすくなります。
そこで秋の養生は乾燥を防ぐことが重要です。
乾燥と同時に、秋は冷気も入ってきます。夏にたくさん汗をかいて水分が不足している状態ですので冷気に侵されると、頭痛・鼻づまり・胃痛・関節痛などの症状が現れやすくなります。
また慢性病や新たな病気を誘発することもあり、特に高齢者や虚弱体質の人はこうした気候の変化への適応能力や抵抗力が弱いので、冷えには充分注意してください。


2:肺の働きを助ける飲食を心掛ける

肺に対応する色は白色ですが、梨の実、白菜、ダイコン、銀杏、ネギの白い根っこの部分などがあります。

梨・・ノドの乾きを止め、咳を止めます。

白菜・・肺病に効きます。

ダイコン・・辛味でカゼやのどの痛みに効果があります。

銀杏(ぎんなん)・・喘息に効きます。
そのほか
柿・・咽喉の痛み、口や舌の爛れ、空咳などの症状が現れ、肺病を患った人は
   喀血することもあります。柿はこうした症状の予防・治療効果があります。

百合・・心臓と肺の働きをたすける作用があり、咳や痰を鎮めます。
    風邪にも効果があり、不眠症を解消したり精神安定にも有効です。   

栗・・栗には脾の働きを助けて消化を促進させ、腎臓の働きを活発にする作用が
   あると言われています。また自律神経の働きを助けてくれます。

体内の陰気を養い潤いを与えるものには、白キクラゲ、胡麻、蓮、ホウレン草などもあります。

少辛多酸といい、辛い食物を食べ過ぎると肺の活動は異常に旺盛になり、そのため肝臓の働きを損なうことがあります。
ネギ、生姜、ニラ、唐辛子など辛い食物は食べ過ぎないように注意し、リンゴやブドウ、トマトなどは肝臓の働きを助けます。
朝はお粥を食べると脾・胃の働きが調整されます

秋は『食欲の秋』と言われますが、これは食べ物の少なくなる冬に備えて身体が蓄えを増やすという動物としての本能が残っているからです。
特に『旬』のものを選んで、食べるようにしてください。

3:秋冬は早寝早起きで陰気を養う

春夏は陽の気が頭部や皮膚に上昇していますが、秋冬は陰気が強くなり、気は下降します。

4:基礎体力を養い運動する

心を沈めて深呼吸を10回、特に朝の気を取り入れることにより元気にさわやかな一日を過ごしましょう。

以上、古典からの養生法をヒントに、夏から秋にかけては、その日の気温にあわせ、衣を一枚重ねたり脱いだりと上手に調整しながら、身体の中からも外からも
対応して、実りの秋にふさわしく、充実した日々を過ごしたいものです。