健康塾通信

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女性の『冷え』

2007年09月17日 12時29分55秒 | Weblog
9月も半ばを過ぎ、これからは健康講演が多くなってまいります。
 
先日は、「リンパ浮腫の運動療法について」そして明日は「ヘルパーの健康管理」が予定されています。
ある種の疾患をかかえている方も、介護を仕事としている方々も、自身の機能向上と自己管理のために、身体の機能や生理をよく理解して、運動していくことはより大きな効果を生むことに繋がります。

漢方の古典である『黄帝内経(こうていだいけい)』と言う医学書のなかの「四気調神大論」に季節の養生法として夏は陽気をよく発散させて熱を身体に閉じ込めないようにするとあり、秋は万物が実を結びすべてが引き締まり収納される時なので、活動的になりすぎず、発汗しすぎると風邪をひきやすくなるので、発汗したらすぐ汗をふき取ることとあります。

私事ですが「運動」を提唱している当人として、今生活の中に取り入れていることが「ウオーキング」です。
私の生活が「運動指導」から「治療」ベースになって10年以上が経過しましたが、その中に講演などの仕事がプラスされ、原稿書きなどデスクワークも増えてまいりました。バランス的にも一番手っ取り早いものが、歩くことと、ストレッチングでした。朝の1時間を週3回の目標にしています。
この時期の養生法にあるように、汗をすみやかにふきながら心地よい秋風にふかれて足元からエネルギーを充電するつもりで歩いています。
またこうして身体を規則的に動かすことで、治療や運動指導、そして講演活動などに活力が増すことも事実です。

さて、前置きが長くなりましたが、前回の「冷え」の続きで「なぜ女性は冷えやすいのか?」ということから今回のテーマに入りたいと思います。

女性には性周期(卵胞ホルモンを分泌し、排卵がおこり、月経がはじまる)というように、いつもホルモン分泌の変動があります。「ホルモン分泌」を司るのは脳の「視床下部」という所ですが、そこにはもう1つ、「自律神経」(交感神経と副交感神経)を司る場所もあります。この二つの中枢が影響しあって自律神経失調になったり、ホルモンバランスを崩しやすく、それが冷えにつながるのです。

さらに女性は排卵の後に黄体ホルモンが出ます。このホルモンは末梢血管を拡げて血液の流れを良くし、体温を高くしますが、その時期を過ぎると低温期がやってきて、常に体が冷たく感じられます。
ところが更年期になると無排卵になるので高温期がなくなり、加齢とともに体温は下がっていく傾向にあるので、冷えを感じるのが強くなります。
思春期を少し過ぎた若い女性で、卵巣の働きが悪い時期にも、高温期がないことで冷えを感じます。

最近若い女性の体温が低いといわれるのは「冷え性」というよりは「低体温症」の可能性もあります。
原因として
*恒常性(体温を常に一定に保とうとする働き)が低下→冷暖房による。
*運動不足→乗り物の普及や電化製品の進歩により、からだを動かして
      エネルギーを使うことが少なくなっている。

このような基礎代謝量の低下が体温を低くします。
またこういった環境下で「低体温症」の子供が増えているという報告も有ります。

「冷え性」と「低体温症」との比較
冷え性 ⇒冷えを自覚しやすい。 体を温めたいけど温めきれないので、体の末端である手足が冷える。
低体温症 ⇒冷えを自覚しにくい。 体を温めたくない状態。そのため体温自体が低い。

「冷え」を予防し免疫力を高めるためには
① 規則正しくバランスの良い食生活・・腸を動かしてカロリーを消費することがエネルギーを出すことになります。
② 精白していないものを食べる。(白米・白砂糖・白パン)
③ よく噛むこと。
④ 腹七、八分目。
⑤ 睡眠を十分にとる。
⑥ 腹式呼吸・・朝起きる前か寝る前に1日10回。お布団の上で膝を立てて行いましょう。            
⑦ 身体をよく動かし、筋肉を鍛えること(運動)・・心肺機能をアップします。

さあ、身体の中から『冷え』を追い出すためにも、生活の中に有酸素運動(ウオーキング・ジョギング・水泳など)を取り入れて、食生活にも気をくばりながら、基礎代謝をアップしていきましょう。