徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

2023年5月から新型コロナの「隔離期間は5日間」へ、では濃厚接触者は?

2023年04月16日 19時12分57秒 | 小児科診療
2023年5月8日に、
新型コロナ感染症(COVID19)の隔離期間が7日から5日に短縮されます。
と聞くと、
「短くして大丈夫?」
と心配になりますね。

確か、当初10日間だった隔離期間が7日なった時も、
「短くして大丈夫?」
と話題になりました。

これは、武漢株→ アルファ株→ デルタ株→ オミクロン株という変異に伴い、
ウイルス排泄期間も変わってきたことが根拠となっています。

でも、7日間でも感染力はゼロではありません。
確か、まだ16%くらいの人が感染力を保持していたと記憶しています。

それでも短くできたのは、
ワクチン接種と感染対策が浸透したからです。

ワクチン未接種、かつマスク手洗いなしの状況では、
こうはできなかったと思われます。

今回、5日間で隔離解除になりますが、
「10日間は感染対策を続けましょう」
と呼びかけています。

それから、症状が続く場合はこの限りではありません。
「5日目に症状が続いている場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまで 外出を控える」という条件もクリアする必要があります。
この場合の「症状」はインフルエンザの時の「発熱」だけではなく、
痰やのどの痛みなども含むことが特徴です。
熱が下がっても、咳が続いていれば当然、
隔離期間は延長されるのです。




・とくに発症後5日間が他人に感染させるリスクが高いことから、発症日を0日目(無症状の場合は検体採取日を0日目とする)として5日間は外出を控えること。
※この期間にやむを得ず外出する場合でも、症状がないことを確認し、マスク着用等を徹底する。
・5日目に症状が続いている場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまでは、外出を控え様子を見ること。

・10日間が経過するまでは、ウイルス排出の可能性があることから、不織布マスクの着用や、高齢者等ハイリスク者と接触は控える等、周りの方へうつさないよう配慮する。発症後10日を過ぎても咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、マスクの着用など咳エチケットを心掛ける。  

では、濃厚接触者、具体的には感染者の家族はどういう扱いになるのでしょう。
なんと「隔離なし」です。

インフルエンザの時も本人は発症後5日間隔離ですが、
接触する家族全員隔離にはなりませんよね。
それと同じルールになります。
ただし、接触後7日間は感染対策(具体的にはマスク着用)が推奨されます。

5月8日を境に、ほかにどんなことが変わるのでしょう。
一覧表を見つけました。




この表を見て医療関係者の私は「?」と思うところがあります。
それは「対応する医療機関」が根拠なしに増えていることです。
新型コロナ関連の保険診療加算が消えていくため、
赤字覚悟でベッドを確保したり、
感染対策に注力する医療機関はむしろ減るのではないか、
特に入院を扱う病院レベルでは…と懸念しています。

それから群馬県では、
が公表されました。

小児科開業医の当院では従来から、
症状の長引く患者さんには漢方薬を中心に治療してきました。
なのでアンケートが来た時に「診療してます」とチェックしたところ、
当地域では当院一軒だけ、ということが判明して驚きました。
そうです、一般論として「手のかかることから人は手を引く」のです。


<参考>
■ 新型コロナの療養期間が短縮 なぜ「5日間」なのか? 現在の療養期間のまとめ
倉原優:呼吸器内科医
■ 新型コロナ、5類感染症変更後の療養期間を発表/厚労省
■ 感染症法上の位置づけ変更後の療養について

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