徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

炭酸飲料をたくさん飲むと子どもはキレやすくなる

2013年09月08日 20時17分27秒 | 小児科診療
 キレやすい子どもは食事が原因だった・・・というニュース。
 炭酸飲料をたくさん飲むと血糖値が速やかに上がり、その反動で血糖値が下がるとイライラ~キレやすくなります。

 それにしても、ファミレスの「ドリンクバー」は罪作り。
 1杯で数十gの砂糖が入っていますから、4杯飲むと砂糖100g(!)を摂取したことになってしまう。毒ですねえ。
 キレやすくなるのみならず、将来の2型糖尿病製造器です。
 ファミレスの関係者さん、子どもの健康を考えて、ドリンクバーから加糖飲料をなくしてください。

1日4杯以上の炭酸飲料で幼児の攻撃性が2倍に―米研究 5歳児のデータを解析(2012.8.13:メディカルトリビューン)
 炭酸飲料の飲み過ぎが社会問題となっている米国から、幼児の問題行動に関する新たな研究結果が報告された。米コロンビア大学公衆衛生学部のShakira F. Suglia氏らは、5歳児を対象に炭酸飲料と問題行動の関連について検討。炭酸飲料を飲んでいない子供に比べ、1日当たり4杯以上飲んでいる子供では他人への攻撃など問題行動を起こすリスクが2倍以上だったと、8月16日発行の国際医学誌「Jornal of Pediatrics」(電子版)に発表した。

◇1日1~3杯でも攻撃性増す
 2011年のデータを基に作成された「世界80カ国、炭酸飲料の摂取量マップ」によると、米国は1人当たり年間170リットルの炭酸飲料を飲んでおり、日本(同32リットル)の5倍以上で世界一となっている。
 Suglia氏らは今回、1998~2000年に米国の人口20万人を超える20都市・75施設で登録された約5,000人の女性のうち、子供の5歳時(60カ月)のデータが得られた2,929人(男児52%、黒人51%)を対象に、炭酸飲料を飲む量と問題行動との関連について調べた。
 炭酸飲料を飲む量は、1日当たり0杯が4,667人(56.9%)、1杯が730人(24.9%)、2杯が293人(10.0%)、3杯が129人(4.4%)、4杯以上が110人(3.8%)。過去2カ月の問題行動チェックリスト(CBCL)の点数は、「攻撃性」「注意」「離脱」の全項目で炭酸飲料を飲む量が増えるとともに上昇していた。
 これを踏まえ、母親の人種、婚姻状況、学歴、前年の生活保護受給の有無、子供の性別などの影響を除外して検討したところ、炭酸飲料を飲まない子供を0点とした場合の問題行動の点数は、1日4杯以上の子供で「攻撃性」4.74点、「注意」1.70点、「離脱」1.95点。「攻撃性」は1日1~3杯の子供でも0.74~2.00点と上昇していた。

◇「人の持ち物を壊す」「ケンカをする」が2~2.5倍に
 上記に加えて母親の抑うつ、配偶者・恋人による母親への暴力・虐待(IPV)、子供のテレビ視聴、あめ・菓子類や果汁飲料の摂取量などの影響を除外した結果、「攻撃性」で1杯(1.22点)と4杯以上(3.00点)、「注意」で4杯以上(1.52点)、「離脱」で1杯(1.00点)で関連が認められた。
 攻撃性の内訳を見ると、炭酸飲料を飲まない子供に比べ、1日4杯以上の子供で「人の持ち物を壊す」が2.54倍、「ケンカをする」が2.12倍、「人に身体的な攻撃を加える」が2.28倍に上昇していた。
 Suglia氏らは、炭酸飲料と子供の問題行動について「直接的に関係している可能性がある」と結論付けたが、母親の自己申告によるデータを解析しているため、炭酸飲料の1杯当たりの容量を定義しておらず、種類についてもデータが得られないなどの限界があるのも事実。同氏らもこの点を認め、今後のさらなる研究が必要と結んでいる。

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