徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

健康に関するニュース、拾い読み

2011年06月27日 07時37分42秒 | 小児科診療
 最近目に付いた、子どもの健康に関するニュースをいくつか。

■ 睡眠不足の小児、体脂肪量増加による過体重のリスク増大

2011/06/17(金) No.J001572
睡眠時間が短い小児は過体重となるリスクが増大していることが、ニュージーランド・オタゴ大学のPhilippa J Carter氏らが行ったFLAME試験で示され、BMJ誌2011年6月4日号(オンライン版2011年5月26日号)で報告された。体重増加の原因としては、除脂肪体重の増加ではなく、むしろ脂肪蓄積の増大の影響が大きいという。子どもの睡眠不足が体重増加を招くとの指摘は多いが、最近の縦断的研究は睡眠時間や身体活動の客観的な反復測定を行っておらず、交絡変数の調整にもばらつきがみられるなどの限界があり、成長期の睡眠不足と体脂肪量、除脂肪量の変化の関連を評価した検討はないという。


 ・・・生活の基本が乱れていると健康は維持できないという証拠ですね。

■ 「喫煙で死ぬことがあります」…米でキツイ警告

2011/06/23(木) 読売新聞
【ワシントン=山田哲朗】米食品医薬品局(FDA)は21日、たばこの包装に新たに掲載を義務づける警告文のデザイン9種類を発表した。「喫煙で死ぬことがあります」という警告文と胸に大きな手術痕がある遺体の写真、「たばこは脳卒中や心臓病を引き起こします」の警告文と呼吸器をつけてあえぐ男性の写真など、どれも視覚に訴えるきつい内容だ。
 25年ぶりの大きな改定で、来年9月以降、米国内で販売されるたばこは、パッケージの上半分をこの警告に当てなければならなくなる。たばこ業界は、言論の自由などを理由に新規制無効を求める訴訟を起こしている。


 ・・・添付されている肺の写真を見るとタバコを吸いたくなくなります。医学生が解剖実習の後、喫煙率が低下するのと同じですね。親が喫煙すると、子どもは受動喫煙を避けられません。
 以前より少なくなりましたが、タバコの臭いをプンプンさせているお母さん・お父さんがいらっしゃいます。親の喫煙により、子どもの気管支炎や中耳炎、喘息のリスクが上がり、喘息発症後は薬が効きにくくてどんどん治療が強くなってしまう傾向があります。
 統計データでわかっているのに、日本のタバコ行政はまどろっこしい対応しかできていませんね。リスクの隠蔽体質は原発と同じ?

 もう一つ、喫煙関係のニュースを。妊娠中の母親の喫煙が赤ちゃんの心臓病のリスクを挙げるという報告;

■ 母の喫煙で心臓に先天異常

 妊娠早期の喫煙は、赤ちゃんの心臓に先天異常が生じる危険性を20%以上高めるとの調査結果を米疾病対策センター(CDC)が発表した。
 CDCは、米国で1980年代に生まれた6千人の子どもと、母親の喫煙の関係を解析。妊娠の最初の3カ月で喫煙していると、心臓の右心室から肺への血液の流れが滞る病気と、心臓の壁に穴がある心房中隔欠損症のリスクが20~70%高まることが分かった。これらの病気は毎年、出生異常による乳児死亡の原因の30%を占めている。
 妊娠中の喫煙は、ほかにも早産や低体重のリスクを高めることが知られており、CDCは「自分と赤ちゃんの健康のために喫煙をやめるべきだ」としている。


 母親本人の喫煙のみならず、受動喫煙(父親の喫煙)も当然影響を受けるはずです。

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