日本列島は相変わらず新型コロナウイルスのオミクロン株が席巻中です。
「感染力は強いが、重症化はしにくい」
のが特徴と言われていますが、実際のところ、どうなんでしょう。
最初にオミクロン株の洗礼を受けた沖縄からデータが公表されました。
以下の記事を読むと、
・小児(0〜19歳)はすべて軽症か無症状
・加齢とともに中等症例が増加するが、重症例はいない
という傾向が読み取れます。
第六波は第五波までとは異なり、
小児中心に感染が拡大していますが、
少しずつワクチン効果の切れつつあり高齢者にも広がっています。
すると、中等症例が多くなり、医療を圧迫し、
さらに感染数の母数が増えれば、一部重症化して死亡例も出てくるでしょう。
リアルワールドでは、死亡者数が第五波をとうとう上回りました。
欧米では、重症化しにくいオミクロン株を“もはや脅威ではない”と、
感染対策を緩める方向へベクトルを変更しました。
しかしここ日本では、まだそれができない状況です。
何が違うのでしょう。
それはワクチン3回目の接種完了状況です。
欧米では3回目接種完了者が日本と段違いに多く、
高齢者が罹患しても、重症化する率が日本よりさらに低いため、
入院に至らず医療を圧迫しないため制限緩和に踏み切れました。
現在、子どもへの接種が話題になっていますが、
その前に高齢者を含むハイリスク者の3回目接種を完了しなければ、
感染対策としての意味が薄れてしまいます。
■ 沖縄の第6波から見えてきた重症度の実際 〜80歳以上では中等症7割、若者にとってはインフルエンザ様〜
三和 護=編集委員(2022/01/13、日経メディカル)より抜粋;
沖縄県疫学統計・解析委員会が2022年1月11日に公表したCOVID-19発生動向報告によると、宮古・八重山医療圏で診断された新規陽性者714人のうち、
(96.6%)無症候または軽症:690人
( 2.4%)中等症I(息切れ、肺炎所見あり):17人
( 1.0%)中等症II(酸素投与、呼吸不全あり):7人
・年齢別では80歳以上の69.3%が中等症
・人工呼吸管理を要する重症者は出ていない。
年齢別に見ると、
年齢別に見ると、
【中等症I】
(20~39歳)5人
(40~59歳)5人
(60~79歳)2人
(80歳以上)5人
【中等症II】
(20~39歳)0人
(40~59歳)2人
(60~79歳)1人
(80歳以上)4人
・80歳を境に重症度に大きな違いが表れており、80歳未満では97.9%が無症候または軽症だったが、80歳以上では中等症Iが38.5%、中等症IIが30.8%だった。
図1 沖縄県宮古・八重山医療圏の新規陽性者数に見る重症度の分布
(沖縄県の発表から)
■ 年代別推移
■ 年代別推移
(50%)20歳代3624 人
(12%)30歳代896人。
(12%)10歳代 859人
「活動性の高い20歳代に突出して陽性者が多く、40歳未満が78%を占めている」のが特徴。
■ オミクロン株感染の病原性と症状
・若者にとってはインフルエンザに近い。
■ オミクロン株感染の病原性と症状
・若者にとってはインフルエンザに近い。
・ハイリスク者、特に高齢者については、沖縄県でも症例が少なく「まだ判断できない」。
・中等症以上の80 歳以上9人のうち8 人はワクチン2回接種を完了し、1人は1回接種の段階だったと紹介している。
・60~79歳では中等症以上が6.7%。