今年に入りアジアからの輸入麻疹が増えていると先月取りあげました(”輸入”麻疹に御用心)が、とうとう実害が出ました。
大学病院小児病棟で集団発生し、病棟閉鎖に追い込まれたのです。
入院治療を予定していた子どもたちにとって、多大の迷惑・被害が発生したことになります。
■ はしか院内感染の疑い、小児病棟を一時閉鎖- 日本医科大付属病院、医師や患者が発症
(2014.3.7 CB News by キャリアブレイン)
日本医科大付属病院(東京都文京区)は5日、院内で麻疹(はしか)の患者が発生したとして、小児病棟を一時閉鎖したと発表した。医師1人と小児患者4人の感染を確認しており、厚労省や東京都、保健所に報告済み。院内感染の疑いがあるため、「感染防止と収束を確認するため、当分の間、小児病棟を一時閉鎖する」と説明。同病院の感染制御部が中心となって感染防止に努めているという。【新井哉】
□ 入院制限や早期退院措置などで感染防止徹底
同病院によると、2月14日以降、小児病棟の医師1人と小児患者4人が麻疹を発症。予防接種が未接種だったり、抗体価が低かったりする患者や職員らの感染防止を図るため、新規の入院患者の受け入れを停止。退院が可能とみられる患者に対しては、早期退院の措置を取ったという。
発生が判明した段階から同病院は、病棟の入院制限などの措置や部署の垣根を越えた情報共有を進めてきたという。3月4日からは感染防止の徹底を図るため、小児病棟を一時閉鎖した。同病院は収束が確認できるまでは、閉鎖措置を継続する方針。
□ 患者報告増加、救急外来で二次感染の事例も
今年に入ってから全国的に麻疹の患者報告数が増加。国立感染症研究所のまとめでは、1月6日から2月23日までの7週間の報告数は、昨年同期に比べて約3倍の114人を記録。特に首都圏での報告数が伸びており、医療機関の救急外来で二次感染した疑いのある事例もあったという。
免疫力を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こす可能性もあるため、厚労省や患者が発生した自治体は「母子健康手帳などで予防接種歴の確認をしてほしい」などと呼び掛けている。
ふつうの風邪の潜伏期(感染してから症状が出るまで)は数日間ですが、麻疹は長くて7-10日間。
さらに特徴的な症状が出る数日前からヒトに感染させる能力が発生しますので始末に悪い。
ウイルスをまき散らす状態で、本人も知らずに日常生活を続けているのです。
その状態で、免疫力が低下している患者さんが多数入院治療している小児病棟へ・・・考えただけでも恐ろしい。
それを回避するにはワクチン接種の徹底しかありません。
ふだん「ワクチン反対!」と言っている人たちは、このニュースをどう捉えているのでしょう。
きちんと意見を公開して欲しいものです。
もし、見て見ぬ振りするなら・・・”無責任”としか言いようがありません。
今後問題になることが予想されるのは「1歳未満の乳児への接種の可否」です。
母親が麻疹に罹患済みであれば、生後10ヶ月頃までは胎盤由来の抗体が赤ちゃんを守ってくれますが、しかし麻疹の予防接種(MRワクチンとして)は1歳以降の定期接種として設定されています。
さらに、今や母親自身がワクチン世代。ワクチンで感染を予防し罹患せずにいる場合は自然感染より免疫が弱いので、経胎盤抗体は赤ちゃんを守るほど十分には移行しない可能性があります。
乳児の多い保育園で発生した場合のワクチン接種・診療マニュアルを厚労省か関連学会で出していただきたいものです。
大学病院小児病棟で集団発生し、病棟閉鎖に追い込まれたのです。
入院治療を予定していた子どもたちにとって、多大の迷惑・被害が発生したことになります。
■ はしか院内感染の疑い、小児病棟を一時閉鎖- 日本医科大付属病院、医師や患者が発症
(2014.3.7 CB News by キャリアブレイン)
日本医科大付属病院(東京都文京区)は5日、院内で麻疹(はしか)の患者が発生したとして、小児病棟を一時閉鎖したと発表した。医師1人と小児患者4人の感染を確認しており、厚労省や東京都、保健所に報告済み。院内感染の疑いがあるため、「感染防止と収束を確認するため、当分の間、小児病棟を一時閉鎖する」と説明。同病院の感染制御部が中心となって感染防止に努めているという。【新井哉】
□ 入院制限や早期退院措置などで感染防止徹底
同病院によると、2月14日以降、小児病棟の医師1人と小児患者4人が麻疹を発症。予防接種が未接種だったり、抗体価が低かったりする患者や職員らの感染防止を図るため、新規の入院患者の受け入れを停止。退院が可能とみられる患者に対しては、早期退院の措置を取ったという。
発生が判明した段階から同病院は、病棟の入院制限などの措置や部署の垣根を越えた情報共有を進めてきたという。3月4日からは感染防止の徹底を図るため、小児病棟を一時閉鎖した。同病院は収束が確認できるまでは、閉鎖措置を継続する方針。
□ 患者報告増加、救急外来で二次感染の事例も
今年に入ってから全国的に麻疹の患者報告数が増加。国立感染症研究所のまとめでは、1月6日から2月23日までの7週間の報告数は、昨年同期に比べて約3倍の114人を記録。特に首都圏での報告数が伸びており、医療機関の救急外来で二次感染した疑いのある事例もあったという。
免疫力を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎などの重い合併症を起こす可能性もあるため、厚労省や患者が発生した自治体は「母子健康手帳などで予防接種歴の確認をしてほしい」などと呼び掛けている。
ふつうの風邪の潜伏期(感染してから症状が出るまで)は数日間ですが、麻疹は長くて7-10日間。
さらに特徴的な症状が出る数日前からヒトに感染させる能力が発生しますので始末に悪い。
ウイルスをまき散らす状態で、本人も知らずに日常生活を続けているのです。
その状態で、免疫力が低下している患者さんが多数入院治療している小児病棟へ・・・考えただけでも恐ろしい。
それを回避するにはワクチン接種の徹底しかありません。
ふだん「ワクチン反対!」と言っている人たちは、このニュースをどう捉えているのでしょう。
きちんと意見を公開して欲しいものです。
もし、見て見ぬ振りするなら・・・”無責任”としか言いようがありません。
今後問題になることが予想されるのは「1歳未満の乳児への接種の可否」です。
母親が麻疹に罹患済みであれば、生後10ヶ月頃までは胎盤由来の抗体が赤ちゃんを守ってくれますが、しかし麻疹の予防接種(MRワクチンとして)は1歳以降の定期接種として設定されています。
さらに、今や母親自身がワクチン世代。ワクチンで感染を予防し罹患せずにいる場合は自然感染より免疫が弱いので、経胎盤抗体は赤ちゃんを守るほど十分には移行しない可能性があります。
乳児の多い保育園で発生した場合のワクチン接種・診療マニュアルを厚労省か関連学会で出していただきたいものです。