かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

ほんのちょっとした事で蛇口から水が出なくなる、というのは、考えてみたら空恐ろしいことです。

2012-05-19 23:19:47 | Weblog
 千葉など、利根川水系の浄水場で起きたホルマリン禍は、チョットした戦慄でした。原因として、川の水に溶け込んでいた何らかの有機物が、消毒用に浄水場で添加した塩素によって反応し、ホルムアルデヒドを生成、水によく溶けるのでそのまま水道水に溶けこんでしまった、ということらしいですが、そんな事なら利根川に限らず、日本中のどの川でも有り得る話なのではないか、と思ったのです。こちらで言うと大和川とか、淀川だって下流域はそう綺麗とは言えないでしょうし、原因と目される有機物の種類次第では、比較的綺麗な川や井戸水などでも起こりうるのではないでしょうか。我が国の高度な浄水技術でも溶け込んだ有機物を除去するのは基本的に無理がある話ですし、タンニン酸などのタンニン系物質を使えば水に溶けたホルムアルデヒドをトラップできるはずですが、大量の水を安全にするのに必要とされる装備やそのための経費などを考えるとすぐに採用できるとも思えません。あまり頻繁になればそれでもやるしかなくなるでしょうが、できればそのような事態は起こらないでもらいたいものです。

 蛇口から水が出てこなくなる、というのは実に深刻な問題で、多分、停電とかガスが止まるとかよりも生活に多大な影響が生じる話なのではないでしょうか。私は香川県の大学で学びはしましたが、幸いなことに、渇水に遭遇することはありませんでした。それでも、地元のヒトからその大変さはよく聞いておりましたし、うちの職場は山の中で井戸水頼りなため、ポンプが故障したり、定期点検などで1日2日程度の断水なら経験もしております。そんな短時間な断水なら飲水関係は案外何とかなりますが、なんといっても一番困るのは尾籠な話ながらやっぱりトイレで、井戸の揚水ポンプが故障した時には全く難儀を致しました。すぐそこに、250万トンもの水を貯め込んでいるダムがあるのに、建物の生活用水のラインは飲料水と同じなので緊急時でもその水が使えません。万一の時はトイレとかのいわゆる浄水でなくても使えるところにはそういった無処理の水でも使えるような設備になっていれば心強いのですが、まあそんなフェイルセイフを整える費用と万一が生じる可能性を天秤にかければまず絶対に無理でしょう。そこでそういった水を汲んでバケツなどで流すわけですが、これも慣れるまで苦労させられました。

 普段は当たり前すぎて出なくなることを想定するのは大変難しい水道水ですが、大地震などの大規模天災ばかりでなく、ほんの僅かな化学物質の悪戯位の事で容易にそういう事態が起こりうるということは、ちょっと意識しておいたいいんじゃないか、と思いました。しかし、職場での水の算段はなんとかなるとしても、自宅の算段はなかなか付きそうにないです。せいぜい、お風呂の残り湯を安易に捨てたりしないようにするくらいでしょうか。

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