被害者の身元が判明したのは良しとして、それを皆に公表する必要はないでしょうに。

　今朝の奈良市アメダスの最低気温は５．６℃、最高気温は１８．８℃、五條市アメダスの最低気温は２．３℃、最高気温は１８℃でした。が、今日も１日出張先の福井県にいましたので、福井市のアメダスの記録を見てみると、最低５．１℃、最高２１．５℃でした。見事に晴れ渡った上天気の一日で、今回、ひょっとして寒くなるかも？　と用意していった防寒具のたぐいは、ついに最後まで荷物のまま持って返ってくることになりました。まあひょっとして体調が崩れるかもしれない懸念もありましたし、荷物と言っても大したものでもなかったので良しと致しましょう。

　さて、そんな旅先の今朝、宿で食事をしながらＮＨＫニュースを観ていたのですが、神奈川県の連続女性殺人事件で、犠牲となった９名の身元が判明した、という内容の放送がなされていました。一人ひとり高画質の写真が映し出され、詳しいプロフィールが紹介され、その知人とされる人物へのインタビューが添えられるという力の入れようでした。しかし、観ていて疑問に思ったのですが、これって一体誰に対して、何のために報道しているんでしょうね？　少なくとも私は、犠牲になった女性たちの詳細など知りたいとは思いませんし、もし自分の身内だったとしたら、こうして死んでから晒し者にされるのは許しがたい死者への冒涜だと感じているんじゃないかと思います。前々から犯罪被害者の情報がやたらあからさまに開示されることに疑問を感じるのですが、個人情報云々で何かと厳しい折に、何故に被害者の人権が無視されるが如き報道が許容されるのか、不思議でなりません。私が知りたいとしたら、身元がはっきりしたこと、それで遺骨なり遺品なりがちゃんと親などの関係者に返されたこと、というようなアウトラインが判ればそれで十分で、名前とか年齢とかも含めてそれ以上の細かいことなど知ってもしょうがないですし、知りたいとも思いません。大体、行方不明になった時点でこれほど詳細に報道されていれば目撃情報が集まるなどして被害に会う前に見つけられたかもしれません。しかし、マスコミはそういった遺族が望むであろう協力は一切せず、残酷な結末を迎えてから、その悲惨さをこれでもかと暴き立ててよしとしているのです。まさに、文字通りハイエナやハゲタカのごとく死体を貪り尽くす所業と言え、その罪深さは犯人のそれと変わらないのではないかと私には思えます。