かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

技術者を大事にしない官民の姿勢を改めずして高専だけ支援しても実は結ばないでしょう。

2022-01-03 20:00:10 | Weblog
 奈良市の今朝の最低気温は4.4℃、昼間の最高気温は11.4℃、五條市の今朝の最低気温はー1.1℃、昼間の最高気温は10.6℃でした。年末年始の休日最終日の今日は、冬晴れの実に良い天気でした。久しぶりに布団を干しましたが、しっかり日を浴びてふかふかを取り戻したので、今夜はきっと良い眠りを堪能できることでしょう。明日からは少しずつ天気は下り坂で、6日木曜日にはひょっとしたら崩れるかもしれないという予報が出ています。朝の冷え込みは引き続ききつくなる模様ですから、明朝起きて仕事に行くのがなかなかに大変そうです。

 さて、政府は、熊本、福岡、長崎、大分、宮崎、鹿児島にある8つの高等専門学校で半導体技術の専門教育を受けられるよう、半導体技術者育成拠点を整備していく方針を固めたとのことです。教育内容は半導体に特化した知識や技術の習得とのことですが、具体的には、半導体の開発・製造に携わる企業と協議して企業側が求める技術水準などを把握した上で、文部科学省や独立行政法人国立高等専門学校機構とも連携して内容を詰めていくのだとか。ちょうど熊本県に台湾積体電路製造(TSMC)が工場を建てることが決まっているため、その周辺県の高専に設置していくとのことです。
 遅きに失した感はありますが、たとえ周回遅れでも走り出さないわけには行かない世界ですから、その事自体は歓迎すべき話であろうとは思います。ただ、やるからにはちゃんと我が国にそういった専門技術者が定着して我が国の半導体産業を底上げできるように活躍の場をしっかり作っていく必要があるはずです。かつて、文部科学省は博士を量産する政策をとっておきながらその博士の働き口を用意することを怠るばかりか、大学での任期制雇用を無造作に広げてただでさえ不安定な新卒博士の生活を危うくし、結果我が国の研究基盤は大きく損なわれてしまったと私は思います。この話もその轍を踏むのではないかと危惧するわけですが、結局の所、官も民も技術者・研究者を大事にすることを意識するようにしないと、供給をいくら増やしても、優秀な人材から順に海外へ流出していくことになるでしょう。目先の利益に目が眩む愚はそろそろ卒業して、長い目で人材を育て技術を鍛え強靭な産業基盤を築いていく長期戦略を立てて実行して欲しいものです。

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