かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

バイク不調、修理費がかさんで財布がピンチに?!

2008-07-16 22:19:10 | Weblog
 7月も半ばを過ぎて、梅雨もようやく明けたとの話が気象庁よりありました。どうも今日は夕方から妙に曇りがちでしたし、明日は午後から雨になる可能性があるそうです。我が県の気象警報は、私の主観では峠を過ぎてから発令される、というように感じられるのですが、発表と気象の移り変わりのタイミングがなかなかあわないように思えてしまうというのは、気象庁全体にある一つの理なのかもしれません。

 さて、昨年の今頃はちょうど新潟県でとんでもない地震があったり、時間雨量100ミリを越すような大雨が降ったりして大変でしたが、今年は少々蒸し暑いほかは案外平穏無事に日々が過ぎていっているようです。あんまり何にもないと、たとえば五輪などでとんでもない大事件が起こったりするんじゃないか、などと考えなくてもよさそうなくだらないことを考えてみたくなったりするのですが、個人的には、バイクの調子が悪化したことの方が大問題だったりします。悪化したのは前のスプロケで、しっかりした歯車状態のはずのものが、気がついたら隙間のあいたくしの歯のように細く細くやせ細っていたのでした。不調に気づいて見せに行ったなじみのお店では、「よくこれで坂道が上がれたものだ」と苦笑交じりに感心されました。スプロケがやせ細るとチェーンを保持することが出来なくなり、力がかかるとチェーンが滑って空回りしたりするのです。当然チェーンが滑ればエンジンのパワーを後輪に伝えることが出来なくなりますから、幾らエンジンをふかしてみても走れなくなる、という寸法です。そういえば前々からスタート時にがらがらがら! と足元の付近で音が鳴り、バイクが走らなくなることが時折ありましたから、大分前から状態は悪化していたわけです。早速部品を発注し、週末には交換修理できる段取りはつけましたが、ここでスプロケ+痛んだチェーンの交換、という出費がかさむのはかなりの痛手です。なんとか工面して8月の上京費用を確保しなければならないのですが、結構厳しい綱渡りになりそうな気配です。
 昨日財布を落とした夢は、ひょっとして正夢だったりしたんでしょうか・・・。

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今日の夢は、まるで現実に過ごしているかのように、具体的で情報量の多い内容でした。

2008-07-15 22:41:54 | 夢、易占
 このところ、ちょっと暑さに慣れてきた、と思う反面、食欲がなんとなく落ちてきて、冷たいものやあっさりしたものが欲しくなるような感じもし、暑気当たりしかかっているのかも、と思わないでもない、一種独特のどっちつかずな状態で過ごしています。まあ目が回ったり力が入らなかったり喉がおかしくなったり、というような症状は無く、暑いながらも夜はそれなりにちゃんと寝てもいますので、とりあえず当面は何とかやっていけそうな様子です。もっとも、身体はそんな具合で問題はなさそうなのですが、ここに来て急に、オフィシャルな仕事とプライベートな仕事が、同時多発的に発生しました。以前にOKしたまま、まだろくに手をつけていない「お仕事」も、こちらもオフィシャルとプライベートにそれぞれありますし、まあなんてタイミングのいいこと、と我ながら感心しそうなくらいなのですが、どれもこれもこの菲才を必要としてくれているとあっては、少々無理をしてでも応えねばならないでしょう。当面この1週間ばかりは、夏バテなどと言ってられない状況になりそうです。

 さて、そんな疾風怒濤な毎日が始まる日の朝、5日ぶりに、長さといい内容のリアルさといい、これまであまり見た記憶が無いほどにはっきりした夢を見ました。
 私は高校時代の友人と二人連れ立って、とある商店街(多分大阪・梅田のアーケード)をそぞろ歩き、その先にある映画館に向かっています。映画を観ようというわけです。その映画館の前の自動販売機で缶ジュースを買い、観る予定の映画を確かめ、その映画について友人と話をしておりました。近くには新東宝だったか日活だったか、昔のロマンポルノと呼ばれていた成人映画をかけている映画館もあるのか、それと伺える題名が3本立てで書かれた上映予定表が目に入ったりしました。
 その後、一人買い物に百貨店(あるいは東急ハンズのようなお店?)に入った私は、そのお店で財布の中身を確かめておりました。1万円札2枚と千円札が4枚、入っております。ところが私は、中身を確かめたのに満足したのか、うっかりその財布を店に置き忘れて出て行ってしまったのでした。気がついたのはしばらくたってから。あ、そういえば財布は? と気づいた瞬間、私は事態の深刻さに文字通り青くなりました。その財布には、全財産と言うべきお札に加え、クレジットカードや身分証なども一緒に入っているのです。どこで落としたのか、必死に思い出して探しに行こうとした矢先、妙にひょろ長い背の高い肌黒な男性が、私の方をじっと見ておりました。黒人か? とも思いましたが、手のひらはピンク色をしており、どうやら顔やむき出しの腕がこんがり日焼けしているようでした。私もその男性を思わず凝視していたのですが、その男性が手から失った私の財布を取り出し、私に渡してくれました。そうか、拾って後を追いかけてきてくれたのか! なんて親切な人なんだ、と感激した私は、お礼として最低1割を差し上げないと、と財布からあるだけの千円札、すなわち4枚を取り出して、何度も頭を下げながらその礼金を手渡しました。結局4千円を失ったわけですが、私はその損失に十分見合うだけの幸せを手にすることが出来ました。

 さて、夢でお金をなくすというのは、逆夢となって現実ではそれに倍するお金を手にすることが出来るという吉兆になるというそうです。本当ならありがたいことですが、ひょっとしたらこの級に立て込んできた仕事が、そんな利益をもたらすものなのかもしれない、などと都合よく考えていたりします。

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不愉快な話のときには、せめて見た目だけはマシにいたしましょう。

2008-07-14 21:44:51 | Weblog



 さて、暑苦しい梅雨明け前の不快指数を大幅にアップしかねない話がニュースになっておりました。韓国大統領が、我が国の中学校社会科の新学習指導要領解説書で竹島を「領土」と表現したことに立腹、「深い失望と遺憾を表明せざるを得ない」、「断固として厳重な対応」を取る、というわけで、駐日大使を引き上げることに決めたそうです。まあ好きにすればいい、と私などは思うのですが、我が国政府が、本来必要とも思えない配慮をして固有の領土」との記述を避けるようにしたというのにこの過剰反応ぶり、これなら最初から配慮など不要だったと言うよりなく、まともな反応とはいえない相手の傍若無人ぶりには、不快感だけが募ります。まあかの国は今、アメリカ牛肉問題で右往左往し、北朝鮮の金剛山観光で女性客を銃殺され、と大揺れに揺れている最中であり、ここでこの問題に寛容な態度を示したりしたら政権がもたない、という事情もあるのでしょう。ゆえにこそ、ここはヘタな「配慮」を示すよりも、あえて堂々「固有の領土」に対する不法占拠と明記し、徹底的に悪役を演じてやった方が、かの大統領を助けてあげられたんじゃないでしょうか。まあどっちにしても不愉快には違いないですが(苦笑)。

 というわけで、暑苦しい中、一抹の清涼感を覚えさせる季節の花、ということで、合歓の木の花です。白からピンクにグラデーションを見せる細いオシベが何十も集まり、さながら花火のような独特の可憐さが際立つ花です。私は昔これを「オジギソウ」と勘違いして葉を触り、何の変化もしないのに首を傾げましたが、合歓の木も夜にはオジギソウのように葉が閉じますし、どちらもマメ科の植物ですので、遺伝的には近縁種といえるのでしょう。一年草のオジギソウと違って、こちらは結構大木になり、木によっては、今を盛りと枝中にこの花を飾っています。

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新作短編 その7-2

2008-07-13 19:03:28 | 麗夢小説 短編集
こちらは今日更新の続きです。まだの方は、まずその7-1からご覧ください。


---------------------本文-------------------------

 まるで電気のスイッチを切り替えたみたいに豹変した朝倉に、榊は苦笑せざるを得なかった。そう言えば、捜査中に調べあげた朝倉の性格は、基本的に明るいお調子者だ。命を奪われかねない死地を乗り越えて、ようやくその本領を発揮するだけの余裕が出てきたということなのかもしれない。だが、仲間が三人も死んでいることを思えば、それは少々軽率な振る舞いにも見える。
「私、困ります」
「せっかくの機会なんだし、せめて今日一日だけでも」
 少ししつこすぎる朝倉の誘いをたしなめようとした榊の視線が、突然二人の男の視線に妨げられた。
「引かれよ。麗夢殿が嫌がっておられる」
「その辺で止めてもらおうか、朝倉君」
「何? あ、ひょっとして麗夢さんの元カレ? 良いよ、僕、過去のことは気にしないから」
「な、なんと?!」
「元カレじゃない!」
 ポーカーフェイスを装ってはいたが、朝倉に軽くつつかれ、二人はあっさりと面の皮一枚下の憤怒の形相を顔面に浮かべた。榊は苦笑しつつも、改めて男達三人の間に割って入った。
「円光さんも鬼童君も大人げないぞ。朝倉さんも少々不謹慎と言うべきだな」
「・・・ま、そうですね。ここでナンパなんてしてたら『彼女』に本当に殺されちゃうかもしれないし」
「き、貴様! 想い人が他にありながら何というふしだらな!」
「二度と麗夢さんには近づかないでもらおう!」
 円光と鬼童は一段と牙を剥いたが、当の朝倉はひらひらと手を振ると、榊の手から入場券を一枚受け取り、そのまま入り口の方へあっさりと歩いていった。
「まったく最近の若い連中ときたら!」
「うちの学生なら一から鍛え直してやるんですがね!」
 円光と鬼童がまだ憤りも納まらぬ横で、麗夢はただ一人首を傾げた。
「・・・なんなのかしら、あの変わり様」
「にゃあ」
「ぅ~ワン!」
 その足元で、アルファとベータも首を傾げている。
「生命の危機が去ったことで、ようやくほっとしたんでしょうな。まあ、大目に見てやりましょう」
 榊が、苦笑したまま麗夢をエスコートして資料館入り口へと向かうと、円光、鬼童も慌ててその後を追った。
 2004年にリニューアルオープンした鉄筋コンクリート造平屋建の建物に足を踏み入れると、まず巨大な銅像が見学者達を迎えてくれる。遭難した部隊の生き残りの一人で、最初に発見され、部隊遭難の一報をもたらした後藤伍長の銅像である。実物はここからもう少し上がっていった馬立場と言うところに建っており、これはそのレプリカになる。更にその周囲には、遺品の数々や事件の概要を伝えるミニチュア、行軍隊の服装を再現したマネキンなどが展示され、往事の事件の様子を伝えている。
 榊、麗夢、円光、鬼童は、しばらく展示物を眺めていたが、やがて、遭難者達の写真が展示されている一角で、おや? と鬼童が首をかしげた。
「どうしたの? 鬼童さん」
「え、いえ、この写真、なんとなくよく似ているような気がしたものですから」
 鬼童が指差した先にある一枚の古ぼけたモノクロ写真。そこに写る一人の男に、麗夢も、あ、と声を上げた。
「朝倉さんにそっくり・・・」
「やはり麗夢さんにもそう見えますか。さて、この方の名前は何でしょうね・・・」
 写真の人物の名前を探す鬼童の脇で、ふと麗夢は、先に入ったはずの朝倉の姿が見えないことに気が付いた。
「そう言えば、朝倉さんは?」
 麗夢の疑問に、背の高い三人の男達はきょろきょろと辺りを見回した。
「え? 先に入っていきましたから、奥の方にいるのでは?」
「厠ではないか?」
「おかしいな・・・。探してみよう」
 円光がトイレの表示を目ざとく見つけてそちらに向かう間に、榊が右へ、鬼童は写真をあきらめて左の奥へと大またで歩いていった。麗夢も、改めて辺りを見回し、銅像の周囲を巡ったが、全くその姿を見つけることが出来なかった。
「どう? 見つかった?」
「いいえ。円光さんは?」
「厠には誰もおりませんでした。いちいち扉も開けて確かめたのだが・・・」
 戻ってきた榊と円光が首を横にふるうちに、鬼童が麗夢の元に帰ってきた。
「こっちにはいませんでした。でも、ちょっと面白い話を聞きましたよ」
「何? 面白い話って」
「この資料館では、当時の軍隊が使っていた軍帽や外套などを貸してくれるんです。要するにコスプレですが、そこの係の人に聞いたら、朝倉とよく似た男が一式借りていったまま、まだ帰ってこないそうです」
「まさか、変装して出ていった、と?」
 目を剥いた榊に、麗夢は即座に反論した。
「そんな格好だとかえって目立つわ。でも、本当にどこに行ったのかしら?」
「もう一度、手分けして館内を探してみよう。見落としがあったのかも知れない」
 資料館の床面積は480平米、館内もそんなに複雑な設計にはなっていない。出入り口は正面ただ一つ。ベータが臭いを辿り、榊は身分を告げて特別に関係者以外立入禁止の区画にまで足を踏み入れたが、どちらも発見することは出来なかった。朝倉の姿は、まるで忽然と宙にかき消えたかのようにどこにもなく、麗夢も榊も、さすがに途方にくれてしまった。
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新作短編 その7-1

2008-07-13 18:57:35 | 麗夢小説 短編集
 今日はこれまでで一番の暑さだったんじゃないか、と感じた次第ですが、何とか熱中症とやらにもかかることなく、一日、物書きに興じておりました。あ、実際には撮り溜めして放置していた「仮面ライダーキバ」を3話ほど観て、ついでに「プリキュア5Go!Go!」を1話だけ観て、「たかじんのそこまで言って委員会」を観て、「コードギアスR2」を観て、その合間にボツボツと書いておりましたら、思ったより長くなってしまったので、思い切って2つに分割しました。
 まあやっとここまで話をもってこれましたけど、さて、次からが大変なんですよ、きっと(苦笑)。


------------------------以下本編-----------------------------

 幸畑墓苑は、総面積約3.5ヘクタールの敷地に、市の史跡にも指定されている陸軍墓地や、最近新築なった八甲田山雪中行軍遭難資料館の他、多目的広場、駐車場などが整備されている。車から降りた一行は、駐車場入り口の案内看板を頼りに、資料館の前を通り抜け、目的の墓地の方へと足を向けた。
 参道に沿って進むと、松林に囲まれた開けた芝生の広場の一番奥、少しテラス状に高くなったところに、整然と並ぶ石造りの墓標の一群が姿を現した。中央の石がもっとも大きく、その左右に一列となって、やや小ぶりのおよそ人の背丈ほどの石が、全部で10ほど並んでいる。その手前に、大きく左右に分かれ、綺麗に隊列を組んだ更に小振りな石の墓標が7列ずつ、全部で左が95、右に94基並べてあった。案内看板によれば、奥の大きな石が雪中行軍隊の指揮官などの上級士官達の墓、手前の小さな石が、下士官、兵達のものだそうである。小さな石も階級によって厳然と大きさが異なるところが、軍隊という組織のあり方を表しているようで、麗夢には興味深かった。
「で、君が粗相をした、と言うのは、どの辺りかね」
「ええと、あの時はほとんど雪で埋まっていたから・・・。あ、確か、あの一番奥だったような・・・」
 今朝からほとんどしゃべらないでいる朝倉が、ぼそりと呟くように奥まった一角を指さした。
「では、早いとこ片づけようか」
 榊が、途中で入手した日本酒の一升瓶を手に、これも途中で購った花束を手にした朝倉を促した。おぼつかなげに歩き出した朝倉に続き、アルファ、ベータがとことことついていく。その後を麗夢が歩き、半歩遅れて、麗夢を挟むように鬼童と円光が並んで続いた。本州最北端の地とはいえ、真夏の日中の日差しは強く、蝉時雨をBGMに歩くのはなかなかに暑い。鬼童は額の汗をぬぐいつつ、前を行く少女の豊かな髪がミニスカートと共に揺れる様に思わず目を細めていたが、隣から囁かれた不審気な声に、思わず我に返って振り返った。
「鬼童殿、今日はあの気を計るからくりは持参されていないか?」
「え? あ、携帯型を持っていますが、それが何か?」
「ここの気は何と出ている?」
「ここ? この墓地の精神波強度ですか?」
 鬼童は思わず腕時計に擬した装置をちらりと見たが、測定限界以下の安定した精神力場しか感知できなかった。
「別に、何も検知できないですが、円光さん、何か感じましたか?」
「いや、実は拙僧も何も感じない」
「なら良いじゃないですか。僕はまた、円光さんの超感覚に何かひっかかったのか、と思いましたよ」
 しかし円光は、相変わらずまっすぐ前を見つめたまま、厳しい表情で鬼童に言った。
「いや、実は、何も感じなさすぎるのだ、鬼童殿」
「感じなさすぎる?」
「拙僧の杞憂であれば良いのだが、この静けさ、どうも引っかかる・・・」
「・・・何かの罠、だとでも?」
 鬼童の目がきらりと光った。円光の勘は正直馬鹿にならないものがあることを、これまでの経験から鬼童は知っている。この旅は麗夢が行くからというだけの理由で付いてきたようなものだが、もし円光が言うように「何か」があるのなら、それはそれで貴重なデータを採取する機会が得られるかも知れない。
「拙僧も麗夢殿も、ことの最初から何か引っかかりを覚えていた。何もなければそれでよいのだが、念のための警戒は、怠らない方が良いと存ずる」
「なるほど。では、僕も僕なりに注意しておきましょう」
 一番後ろの二人の密談には露とも気づかず、朝倉と榊は、朝倉が引っかけたという墓石の前に花と清酒を供え、後に続いた麗夢と共に、並んで手を合わせていた。鬼童と円光も追いついてその参列に参加する。鬼童はややおざなりに、円光は口の中でぶつぶつと経を口づさみながら、それぞれに謝罪と哀悼の念を祈りに込めた。
 そんな参拝を一通り終えると、今まで陰鬱な表情でほとんどしゃべらなかった朝倉が、急に明るく一堂に呼びかけた。
「せっかくだから、資料館の方も見ていきませんか? スキーの時は時間が合わなくて、結局見られなかったんですよ」
「ん? あ、ああ。ここまで来たら付き合うよ。皆はどうする?」
 朝倉の急変に戸惑いつつも、榊は後ろの3人に声をかけた。
「私も行きます」
「あ、じゃ僕も」
「拙僧もお供いたす」
「じ、じゃあ行こうか」
 即答で同意した3人に榊は更に戸惑ったが、結局一堂連れ立って参道を引き返し、駐車場近くの八甲田山雪中行軍遭難資料館まで戻った。榊が入場券を購入しに窓口に向かう間、麗夢と並んで待っていた朝倉は、突然人なつっこい笑みを浮かべると、麗夢に言った。
「ところで綾小路さんは誰か付き合っている人はいますか?」
「え? い、いいえ。特にいませんけど・・・」
 その背後で、見るからに意気消沈した溜息が二つ聞こえたような気がしたが、入場券を手にした榊は、強いて聞かなかったことにして朝倉に言った。
「どうしたんだね? 藪から棒に」
 すると朝倉は、魅力的な笑顔を閃かせつつ、榊に答えた。
「いえ、これで禊ぎも終わったし、取りあえず悪夢も終わった、と言うことでしょう? なら、そろそろ謹慎も解いてもいいかなって。ね、麗夢さん、フリーなら僕と付き合ってもらえませんか?」
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このことあるを予期して実家に避難したわけではないのですが、奈良県に光化学スモッグ注意報発令です。

2008-07-12 22:36:10 | Weblog
 今日は久しぶりに実家に帰り、両親の元気そうな姿を確かめました。父は昭和一桁世代なのにまだまだ元気で、新し物好きの性格はまるで変わっておらず、いつの間にか、実家のテレビが京阪ケーブルネットのデジタル放送バージョンに変わって視聴できるチャンネルが数倍に増えていたり、携帯を新機種に替えていたり、私などよりも余程デジタルな社会に生きているみたいです。もっとも、あまりに新し過ぎるとついていけないみたいで、その辺のフォローを私がすることになるのですが、それでも好奇心旺盛に老後の楽しみを満喫する姿は、大いに見習うべきものがあります。まだ親父達には敵わないな、と舌を巻いた一日でした。

 さて、私が山一つ越えて大阪の実家に顔を出している間に、こちら奈良県では光化学スモッグ注意報が発令されていたそうです。花粉症を悪化させる要因として、中国大陸から流れてくる汚染物質や大気が光化学スモッグを誘発しているため、という説が昨年にもネットニュース等で流れておりましたが、今回もその類のことなのでしょうか。大阪では夕方に大阪市中心部で今年の第一号注意報が出ていたようですが、何故に奈良県で出るのか、不思議といえば不思議です。それだけ今日は風もなく、気温が高くなったということなのかもしれません。ちなみに実家では、午後3時ごろから雲が多くなり、5時前から所によりかなり強めの夕立雨と雷があったため、さほど暑いという印象は受けませんでした。
 気象情報と違い、光化学スモッグは各都道府県で独自に調査し、注意報等を発令することになっているためか、近隣府県の状況などを調べるのも苦労する、と思っていたのですが、調べているうちに「環境省大気汚染物質広域監視システム」通称『そらまめ君』なるページを見つけました。各地の観測情報を集めて整理し、見せてくれるシステムのようです。「空をマメに見る」、という駄洒落からそらまめ君と名づけられたマスコットが今はやりのゆるキャラっぽい味のある顔つきで、なかなかに好感の持てるサイトに感じました。これからは時々観に行って、大気状況の観察をさせていただきましょう。

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倫理は大事ですが、倫理だけでは科学や芸術の進歩もないわけで

2008-07-11 23:11:14 | Weblog
 ようやく週末、明日は何か久しぶりの感じがする休みですが、これも久しぶりに実家に顔を出さねばならない用事があるので、なかなか完全に自由行動、というわけには参りません。まあその分明後日日曜日には完全確実にフリーな一日が取れそうな気配なので、休息はそのとき存分にとるといたしましょう・・・あ、小説の更新はがんばらないとなりませんね(苦笑)。

 さて、東大医科学研究所の教授が、虚偽の内容が記載された論文を発表し、ニュースになっています。といっても、よくあった実験結果の改ざんとかではなく、学内の倫理審査委員会に承認を受けた、とか、実験のための検体を提供した患者の同意があったとか論文に記載していたのが、実は承認も受けていなければ同意もとっていなかった、ということなのだそうです。
 ヒトを対象にした研究では、世界医師会の「ヘルシンキ宣言」により、倫理委員会による審査や研究に協力する人に十分説明して納得してもらった上で同意してもらうインフォームド・コンセントの取得を求めており、厚生労働省の臨床研究に関する倫理指針でも、文書でのインフォームド・コンセント取得を義務づけていますから、この論文の記述は、明らかにそういう点で違反行為だった、ということになります。まあそういう意味では処分されるのは仕方ないところでしょう。ただ、倫理的に問題があったとしても、得られたデータはしっかりした実験がなされたものならば倫理とは関係なく有効な数字のはずですし、それが失われてしまうのは惜しい気もいたします。当該の教授が処断されるのは致し方ないとして、そのデータは何らかの方法で生かす算段が取れないものか。と思います。
 倫理というと最近でも時折国の出す科学研究費の一部を商社等にプールしていたのが発覚し、ニュースになっておりましたが、その研究費というのが制度的に研究者にとって使いにくいお金である点はあまり報道されず、そういうことをする研究者はけしからん、というような論調な報道であるのが少々気にかかります。芸術にせよ科学研究にせよ、お金を出すものはいちいちその使い道に口出しすべきではないと思うのです。ようは最大限その成果が挙げられればよいはずで、そのためには、最大限の自由を研究者や芸術家には与えられるべきだと私は思うのです。というとそれをいいことに自堕落に好き勝手する輩が出てくる、という点が問題になるのですが、研究能力に関係なく、使うお金にがんじがらめに規制の網をかけ、色々な書類の山を延々作成させられる労力の無駄を思えば、それを省くだけで、不心得者の無駄遣いを十分に上回る成果が上がるのではないでしょうか。大体が商社等にプールしていたのは、つまらない規制をかけてお金を使いにくくしていたからであって、自分の財布に収めるための行為ではなかったのでしょう。その点を峻別して真の不心得者を処罰するとともに、そうでないものに対しては十分な規制緩和をして、そもそもそんな「不正」行為に頼らなくてもよいように環境を整えるのが、パトロンの役割というものだと私は思います。現代のパトロンたる官僚連中は、創造者達が自分たちと同レベルの倫理感しかもっていない、と勘違いしているから、いろんな規制をかけてくるんじゃないでしょうか?

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今朝の夢はなかなかにスペクタクルでした。

2008-07-10 22:17:59 | 夢、易占



 今朝は久々にダイナミックは映像が楽しめる夢を見ました。
 私はとある池の傍に立っています。公園の中らしく、池の周りは森に囲まれ、池に向かって釣堀のような橋が架かっています。周りには他にも人が何人かいて、そぞろ歩いている様子です。水面をのぞくと、結構透明度の高い水のせいか、およそ水深2~3m位が透け、たくさんの魚が泳いでいるのが見えます。マスやアユのような魚が見えるので、水は相当に綺麗なのでしょう。
 亀も泳いでいます。甲羅だけで1mはありそうな、どう観ても海亀なんですが、私は夢の中で、でかい草亀だと思い込んでいます。その亀がゆらぁりと向こうから首を水面に突き出して泳いできたかと思うと、また向こうへと去っていきます。2匹いるらしく、一匹が行った後からまた別のがゆっくりと泳いできました。
 次に泳いできたのは、体長10mはありそうな巨大なトカゲでした。その巨大トカゲが漂うように泳いできたかと思うと、岸に上がってきました。開けた口にはさめのような鋭い歯が並び、見るからに獰猛そうです。『怪獣だ!』との叫び声が上がり、人々が算を乱して逃げ出しました。私も急いで逃げないと食われる、と半ばパニックになりながら逃げようとしたのですが、足がうまく動かず逃げられません。これは一戦やらかすしかないか、とおもったところで、目が覚めました。

 さて、こうして思い出してみても結構緊迫感のある夢だったのですが、夢占いによるとトカゲも亀も幸運のしるしだそうで、海がめが泳いでいるのは特にラッキーなのだとか。綺麗な水の池も悪い意味はなく、総じて吉夢と言ってよいようです。さて、何かいいことがあればいいんですが。

 ところで写真は、職場近くに自生しているヤマモモの木。ちょうど今頃、大き目のビー玉くらい(駄菓子屋の飴玉、の方が適切かも)の実がたわわに実り、次々に赤く熟していきます。甘酸っぱい豊富な果汁は汗をかいた時にはなかなかの甘露ですが、少しクセがある松やにくさい香りのために、バクバク食べよう、という気にはなりません。この実が熟しだすと、いよいよ梅雨も開け、夏本番を迎えます。

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糖尿病患者2千万人の脅威。

2008-07-09 22:40:29 | Weblog
 今日は朝随分涼しくて、いつものような薄着でバイクに乗っていましたら、ものの10分といかぬところであまりに寒すぎていったん停車し、後ろにくくりつけてある雨合羽を一枚、ウインドブレーカー代わりに着ました。これまで結構暑かっただけに、急にこうも気温が下がると風邪でも引いてしまいそうです。帰りは帰りで、夕方なにやらいやらしげな黒雲が空を覆っているな、と思ううちに雨が降り出し、気象庁サイトの短時間降雨予想を見ると北からゆっくりと雨雲が流れてきて、どうやら数時間は止みそうにない、というのが確認できたため、あきらめて完全装備で帰路につきました。途上相当激しく降る場面もありましたが、雷さえなければそう厄介でもありません。どうやら梅雨は、もうちょっと続くみたいですね。

 さて、メタボリックシンドロームというと日本では今大はやりで、ウェスト測定が健康診断に取り入れられたりもしていますが、北京で開かれた米国糖尿病学会で発表されたところによると、中国でも近年2型糖尿病患者が続発し、その数約二千万人、世界第2位となったとのことです。何故にアメリカの学会が北京で開かれるのか、という疑問はさておき、中国人も含めた我々黄色人種の遺伝子は欧米人と比べて2型糖尿病に対して抵抗力がないため、ちょっと栄養状態が良くなってくるとたちまち発病の危険を覚悟しなければならなくなります。中国が経済発展して人々の食生活も豊かになれば、当然日本同様メタボリックシンドロームの問題が浮上してくるわけです。十数億人の国で2千万人というと百人のうち1人か2人が糖尿病を患っている計算になりますが、かの国の大半は食うや食わずの栄養失調状態でしょうから、患者のほとんどは都市部に住まう一握りの富裕層が中心ということになるのでしょう。とすると、ひょっとしたらかの国が滅びの道を歩むのは、環境破壊や資源不足や食糧不足や水不足ではなく、富裕な指導者層の大量病死によるのかもしれない、なんていいたくなるくらい、この2千万人、という数字は恐ろしげな数です。
 どうやら中国ではまだ糖尿病、という病気の認知が国内にそれ程行き渡っておらず、医師ですらちゃんと診断できずに放置されている患者がたくさんいるのだそうで、2千万人以外に潜在的な患者がもっともっとたくさんいるのではないか、とささやかれているようです。食えるものなら何でも食う積極果敢なお国柄は、もののない時代には重宝したのでしょうが、そろそろ都市部では節制を学ばないといけないのでしょう。できれば食以外でも節度を学んで欲しいところですが、さて、21世紀は本当に中国台頭の時代になりうるでしょうか?

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嫦娥1号の月映像、公開できるようになってから話すればいいのに。

2008-07-08 22:42:11 | Weblog
 今日は朝出がけに空を見るとかなり危なっかしそうなグレーの暗い雲が空を覆っておりましたが、雨は降らず、かつ、遠望される仕事場の方角の空は白く明るい様子だったため、念のための簡易雨具だけ引っ掛けて、出発しました。途中から大粒の雨がぽつぽつ身体に当たりだしましたが、もう15分も走って峠一つ越えればあの明るい空の下に到達できる、とそれだけを頼りに我慢しておりましたが、なんと、黒雲よりも明るい雲の下の方が雨脚が強く、雷もピカピカして不気味でしたし、大粒の雨滴は、薄手の簡易雨具越しに身体に当たると結構痛いとろくでもない状況でしたが、今更雨宿りして本格的な雨中走行仕様に着替えるのも億劫でしたし、まあ季節が季節だから、ここは濡れていくのも一興、と半ばあきらめつつ開き直りました。おかげで出勤した頃にはすっかりぬれねずみになっておりましたが、そう気分も悪いものではありませんでした。まあこれで雷が本格的に鳴りわめいていたらそれこそそんな余裕はなかったでしょうが、雨だけならたまにならこういうのも悪くはありません。
 朝からそんな前向きの気分だったせいか、今日は思いのほか仕事が進み、色々これまで抱え込んでいた懸案が片付いたりめどがついたりしました。多分今日は残り半年の仕事の行く末を決めるターニングポイントになった日として、年末に思い起こすこともあるかもしれません。そんな未来のために、それが今日だった、ということが思い出せるよう一応記録しておきます。

 さて、中国が月探査のために打ち上げた嫦娥1号が、月面の撮影に成功し、その画像がまもなく完成する、という話が出ていました。
 それにしても、「まもなく完成する」??? どうして完成してから堂々発表しないのでしょうか。中国として初めての月面映像ということで、フライングしたくなるほどうれしかった、という気持ちはなんとなくわからないでもないのですが、ひょっとして、万万が一、「なにか」あったりしたときに、どう取り繕うのか、旗から観ていても不安になります。この間のトラの写真騒ぎが尾を引いているせいか、あるいはもともとヨウヨウクニクなお国柄が喧伝されているせいか、かの国からの報道にはどうも眉につばつける癖がついてしまっているのですが、一科学技術の成果としては、是非どんなものか見てみたいですし、我が国の「かぐや」と補完しあえるようなデータだったら言うことはありません。
 ところで嫦娥といわれても中国神話を多少かじっていないと何のことかわからない人が多いんじゃないかと思います。ニュースでも月に住むという仙女、としか紹介されていないみたいですし。神話によると、嫦娥(こうが、もしくはじょうがと読みます。もちろん中国語の発音は別)は古代の弓の名人ゲイ(羽という漢字の下に廾と書きます)の奥さんです。美女だったそうですが、ある日、ゲイが入手した不老長寿の薬を一人で飲んで月に行ってしまった、とか、西王母という仙人から薬を盗んだとか、いう話があり、月ではガマガエルの姿になっているのだそうです。日本人は月にウサギを見ますが、中国ではカエルを見るらしいですね。多分色々な説話が交じり合っているのでしょうけれど、日本の感覚からすると月探査船の名前にするにはちとためらいを覚えそうな気もいたします。ちなみにゲイは突然天に10個の日が昇ったときに、得意の弓で9個まで射落とした、という伝説もあります。そんな風にとんでもなく強かったものの、弟子に桃の木でできた棍棒で殴られ、亡くなったのだとか。中国は体系だった神話があまりない国ではありますが、拾い上げてみると色々面白いものもあったりします。

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せっかくの七夕ですが、空はすっかり雲に覆われて星などまるで見えません。

2008-07-07 21:54:17 | Weblog
 さあブログを書こう、とサイトにアクセスしてみてびっくり。昨日アップしたはずの小説の続きがトップに出てきません。代わりに出ているのがおとついの日記。まさか消滅?・・・と数瞬いやな予感にとらわれましたが、記事一覧を確かめたところ、下書きから投稿に切り替えたはずのボタンが、下書き草稿のままになっていました。これでは公開されませんから、トップに出てこなくて当然です。それにしても、小説をアップするときはこの凡ミスをやらかさないように特に注意しているつもりだったんですが、またしてもミスをしてしまいました。ひょっとして、まだこのところのミスの連鎖反応状態が解けていないのかもしれません。今日も気をつけないと。昨夜はあまりの暑さにぜんぜん寝付けず、恐らく夜明け前に1,2時間まどろんだだけというていたらくでした。日曜日の休息がそれなりに効いているのか睡眠不足の割には眠気は少ないのですが、それでも仕事中や通勤途上など、時折あらがいがたい眠気を覚えることもままありましたので、身体が疲弊しているのは間違いないでしょう。そんな状態ですから、またつまらないミスを重ねてしまいかねないわけで、今日は更に一段と念には念を入れて、ブログのアップを完了するつもりで、今も警戒を厳にキーボードを叩いています。日本語変換がもう少し賢く漢字を選択してくれたら注意力をすべてミス撲滅に使えるんですけど。

 さて、今日7月7日は七夕の日。24節気で言えば「小暑」ということで、梅雨が終わりをむかえつつあり、本格的な暑さが訪れる頃、なのだそうです。例年はまだまだ梅雨の真っ只中でそんな気配は露とも感じない頃合なのですが、今年に限ってはほぼ暦どおりに季節が動いているみたいで、今日もうだる暑さにあえぐ一日となりました。何でも東の方では大気が不安定になって雷や激しい雨に注意せよ、と呼びかけられているそうですが、こちらは不快な雲が薄く天を覆って蒸し暑さを倍増させているばかりでした。ここで一発夕立でも降れば随分過ごしやすい気候になるのですが、どうもそれも望み薄のようで、明日は朝から昼前まで雨模様、その後天気が回復、と、もう一番いやなパターンの天気な予報が託宣されています。中途半端に降った後にかんかん照りのお日様でも現れようものなら、そこらじゅうがサウナ同然、文字通りの蒸し風呂になってしまいます。どうも梅雨時は予報も難しいのか、あまり的中したような記憶がないのですが、できれば明日は外れて欲しいと願わずにはいられませんが、とりあえず今夜なんとか涼しげに熟睡して、明日の猛暑を乗り越える体力を回復させておきたいところです。

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新作短編 その6

2008-07-06 22:04:18 | 麗夢小説 短編集
 今日は昼までぐっすり、といきたかったのですが、こういう休日に限って朝はきっちり目が覚めてしまうもので、6時半には目が覚めてしまいました。そこで二度寝をもくろんだのもののなぜか目がさえてしまい、結局寝ることができませんでした。もっとも、昼間は暑いですが、朝は結構涼しいので眠れなくても横になっているだけで結構気持ちよかったりします。そのままごろごろ布団にしがみつき続け、8時になってようやく枕から頭を上げました。

 さて、今日はamazonからようやくブツの届く日で、待つこと半日、午後2時過ぎになってやっと玄関のブザーが鳴りました。早速中身に比べていつも大振りな箱を開け、何はともあれいの一番に「ドリームハンター麗夢XX」第2話を堪能、他の作品をさっと読み流して、もう一つ、到着を心待ちにしていた「深海のYrr」中巻を開きました。上巻の比較的ゆったりしたストーリー展開に比べて、中巻は冒頭から一気に破局が押し寄せてきて、目が回りそうです。気がつくと、もう200ページばかり
読み進めておりました。こんなペースで読んでいたら、下巻もあわせて今週末までもたないかもしれません。

 それでは、そんな合間を縫って私のお話の方も書き進めて参りましょう。
 一つ気づいたのですが、なぜか連載という形をとると、全体の長さが読みにくい気がするのです。コミケにあわせて長編書いてたときは大体これくらいの枚数になるだろう、と初めから予想して、それが大きく外れることもなかったのですが、このお話だけは、一体どこまで延びるのか、自分で言うのもなんですが見当がつきません。私としては、すでに頭の中で展開しているクライマックスを早く書きたくてうずうずしているのですが、そこまでいたるのに思いのほか手間取っていることに我ながら驚いております。まあそれはさておき、とにかく先へ進めましょう。幾らなんでも今月中には書きたいところまで届くはずですから。

-----------------------本文-------------------------

 朝倉の快復を待つこと一週間。午前10時東京・羽田空港を飛び立った麗夢達一行は、定刻通り11時過ぎには本州最北端の空港、青森空港に到着した。ここから目的地である青森市幸畑の陸軍墓地までは、直線距離で東におよそ10キロ余りになる。榊があらかじめ用意したレンタカーに納まった一行は、一路幸畑を目指して青森市郊外の田園風景の中を走り出した。
「見て! アルファ、ベータ、八甲田山よ!」
 助手席に納まった麗夢が、膝に抱いていたお供の二匹に声をかけた。
「ニャア!」
「ワン!」
 二匹のお供も運転席の榊越しに、身を乗り出して目を向ける。後席に納まった円光や鬼童、それにたっての希望で再び訪れることになった朝倉幸司も、同じように幾つもの嶺が折り重なって見える八甲田山を見た。
「でも、どれが八甲田山なのかしら?」
 一目見ただけで、明らかに異なる頂と見分けられる山が5つか6つはある。高さもそれ程変わらないように見えるそれらが前後左右に寄り添っているため、ちょっとした山脈のようにも見える。
「八甲田山、という山はないのです、麗夢殿」
 麗夢の真後ろから円光が話しかけた。
「え? どういうこと?」
「八甲田山というのは、あの山々全部の総称なのです。一番左端に見えるのが前獄、その隣の手前が田茂萢岳、と言うように、一つ一つには、全部別の名前が付いているのです」
「じゃあ、昔遭難があったというのは、その山の中で迷ったりしたわけ?」
「いいえ、八甲田山は大体1500m前後の高さですが、彼らが遭難したのは、あの前嶽の更に左側、標高700m位の所だったそうですよ」
 中央に朝倉を挟んで榊の後ろに坐る鬼童が、麗夢に言った。
「彼らの目的は、そもそも真冬の八甲田山を登山することじゃなくて、冬山で武器や食料などの輸送が可能かどうか調べることと、耐寒訓練が目的だったんです。だから目的地も途中の田代という所までだったんですよ」
「今ならロープウェイで真冬でも頂上まで一気に上がれるのに・・・」
「ろくに冬山装備も無しに歩いて登るのは、さぞ困難を極めたと思いますよ」
 円光や鬼童等と雑談をかわしつつ、麗夢はさりげなくその間に坐る朝倉の様子を観察した。とにかくここまでは無事に辿り着いたことに、麗夢は密かに安堵の溜息をもらす。麗夢は円光と共に、この1週間というもの、まさか、よもや、と思いつつも、万に一つの可能性を無視しきれず、交代でそっと朝倉の護衛を続けていたのだ。もちろん榊も配下を貼り付け、24時間ぬかりなく警護を続けていたが、幾ら榊が全国屈指の名警官であり、その配下には屈強の手練れが揃っていると言っても、相手が死霊とあってはあまり役に立ちそうにない。鬼童も一応は気を付けてくれたが、実戦となるとこれも余り過度の期待は出来ない男だ。勢い、確実を期すには麗夢と円光以外に適任はなく、時折アルファ、ベータの手を借りながら、今日まで頑張ってきたのである。それも恐らくは今日で終わる。麗夢の溜息は、そんな徒労に終わった1週間を締めくくるための、儀式とでも言うべきものであった。
「ニャウン?」
 目ざとくアルファが小首を傾げて麗夢に振り向いた。麗夢も苦笑いを浮かべると、軽く舌を出して自分を諫めた。
「そうね、まだ気を抜いたらいけないわよね。何せここからが敵の本拠地なんだから」
「脅かさないで下さいよ、麗夢さん」
 ハンドルを握る榊が、苦笑混じりに相の手を入れる。
「ご安心めされい、警部殿。たとえ万々が一に何かあったとしても、拙僧や麗夢殿がいれば大丈夫」
「そうそう、アルファやベータもいるし、鬼童さんだっているんですから」
「僕を頼りにして下さるとはうれしいですね、麗夢さん」
 うれしそうに笑顔を向ける鬼童に笑顔を返しつつも、多分何も起こらないだろう、と麗夢は考えていた。その気分は、一人麗夢だけじゃなく、一行の全員が共有するものだったに違いない。円光でさえ、一週間の護衛が何事もなく過ぎたときには、さすがに考え過ぎだったか、と麗夢にぽつりと洩らしたほどである。既に死霊は退治した、この上何が起ころうというのだろう。榊はもちろん、皆がそう思うのは無理からぬ所だ。
 ただ・・・。
 麗夢はおぼろげに心の片隅をたゆたう不安な気分を自覚していた。はっきり何かを予感しているわけではない。恐らくは気にかけなければほんの数瞬のうちに忘れはてる程度の、不安と言うにはあまりに未熟なもやもやした気分である。今もふっとよぎるそんな思いは、自分が愛車のハンドルを握っていないからだろうか。榊から、飛行機で行く、と聞いた時に、一度は自分はプジョーで走っていきます、と告げて榊を困らせた。それは、そんな気分が最後まで拭えなかったからに相違ない。麗夢は無意識に左脇のホルダーに納めた愛用の銃を服の上から確かめ、自分自身に問いかけてみたが、残念ながら答えは出てこない。今はただ、無事この禊ぎ旅行が滞りなく済んで、全ての決着が付くのを祈るしかなかった。
 やがて榊の運転するレンタカーは、青森環状線と呼ばれる県道44号線を東に進み、青森市郊外の住宅地を通り抜けた。更にその周辺では一際目立つ鉄筋コンクリートの立ち並ぶ、青森大学の前を通り抜け、その先の幸畑交差点で右に折れた。
「遭難した部隊もこの道を辿ったそうですよ」
「こんな道で遭難したのかね」
「100年以上前の、それも真冬の話ですからね。今とは比べものになりませんよ」
 冬には積雪で閉ざされてしまう県道40号線も、さすがに真夏は普通のアスファルト道にしか見えない。辺りも少し鄙びてきたような気はするものの、少しばかり緑の多いごく普通の住宅地に見える。榊と鬼童のやりとりに頷きつつも、100年前の遭難事故が、麗夢にはどこか別の世界の話のような感じがしないでもなかった。
「ああ、警部、そろそろですよ」
 鬼童が目ざとく道案内の看板を見つけ、榊に注意を促した。程なく駐車場への案内が現れ、榊はハンドルを右に切って、目的地・幸畑墓園へと、車を乗り入れた。
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急に仕事が立て込みましたが、これで来月少しは時間が取れるようになればいいんですが。

2008-07-05 21:57:32 | Weblog
 昨日は仕事で午前様となり、4時間ばかり寝て、今日も日中は通常勤務ということで、なんだかひたすら働き続けているみたいな気がします。中にはそれくらい当たり前に日常仕事をこなしているような方もいらっしゃるのかもしれませんが、滅多にそういうスケジュールで仕事することのない私としては、心身ともになかなかクルものがあり、昨夜はブログ更新できませんでした。そして今夜はというと、すでに意識は半ば朦朧としつつも、まだ何とかがんばっていられるのでとりあえず書いています。

 書くといえば連載している小説ですが、多忙ななか、細々と千字くらいは続きを書いています。とりあえず今夜ゆっくり寝て、明日目覚めてからもう少し書き足して、今週のアップを行うつもりでいます。クライマックスはこの分だと再来週くらいになりますでしょうか。7月中には終わることができるかもしれないな、と漠然と感じているところです。
 そういえば、今日amazonから注文していた本を発送した、というメールが届きました。多分明日には着くことでしょう。これでやっとこちらでも、「ドリームハンター麗夢XX」と「深海のYrr」の続きを読むことができます。麗夢の方は今更言うこともないほど私にとっては待望の続きなのですが、この「深海のYrr」もなかなかに読書意欲をかき立てる面白そうな話になっています。横文字の地名や人名が少なからず混乱をきたすのですが、巻頭の登場人物紹介をいちいち参照しつつ、何とか主人公クラスの数名については頭の中で整理されました。あとは明日届く中巻とすでに手元にある下巻とで、梅雨明け前後は十分に活字に堪能できそうです。
 あとはそろそろ『夏』の予定を本格的に決めないといけない頃合かと考えています。一応念のため期間中の宿は早いうちに押さえておいたのでその点は問題ありませんが、懐具合や仕事の様子を鑑みながら、果たして今年は上京できるのかどうかを見極めていかねばなりません。もちろん同時に御大のご予定を伺い、日程調整もしていく必要もあります。今年は、いよいよコミックスの連載も始まって昨年とは違う新たな展開が生まれてきたところでもありますから、是非ともご尊顔を拝し奉り、お言葉を伺いたいものです。そのためにも早めにもろもろの予定を固めて、8月第3週週末の時間を確保しませんとね。

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そろそろ夏になってきたのかも。

2008-07-03 22:25:04 | Weblog
 朝見た天気予報では今日は雨模様の一日だったはずなのですが、確かに朝のうちこそ雨の中合羽着てバイクで走っていかなければならなかったものの、到着後は目の覚めるような青空と日向で立ってるだけで汗が噴出すようなカンカン照りのお日様とが、夕方まで空を支配しておりました。雨はどこに行ってしまったんでしょう? 今気象庁のサイトまで観に行きましたら、これから夜のうちに雨、明け方まで降って、それ以後は晴という、まるで今日の天気をなぞるような空模様が予報されていました。ちなみに週間予報は一週間ずっと曇時々晴ないし晴時々曇と雨マークはなし。どうやらそろそろ梅雨明けも近いみたいですが、気象庁の予報はこのところいまいち当てにならないところがあるので、期待はほどほどに空を見守るといたしましょう。

 さて、地球温暖化をうんぬんするなら テレビの放送を自粛したらどうか、と時々書いていたのですが、どうやらNHKが深夜の放送自粛を本格的に検討するようですね。6日一日だけみたいですが。これが蟻の一穴となるか、はたまた単なる話題づくりのパフォーマンスで終わるか、しばし行く末を注目したいですが、わずか一日、それも深夜だけ止めるくらいなら、1日24時間休みます! とでも言った方が余程インパクトがありますし、たった一日でも深夜だけの自粛よりもはるかに意義深いものがあったでしょう。民放は経済的損失を考慮するとそうおいそれとは休みを取ることはできないでしょうから、CM収入などに拘泥しなくて良いNHKこそが、ここは率先して実験的試みをどしどしやってあげるべきでしょう。

 昼休みに観たネットニュースで、食料品の値上げが相次ぐ中、遺伝子組み換え食品を敬遠する人が減って価格や安定供給に重点を置く人が増えた、という記事を見たのですが、今探してみるとどうも見つかりません。その記事は、携帯でのアンケートをまとめたもので、有効回答数が千人といいますから、まずまずのサンプルが集まったと見てよさそうです。その質問の中で、遺伝子組み換え食品に関する項目があり、以前やったときは容認派が四分の一しかなかったのに対し、今回は三分の一と若干増えた、という話でした。まあ続出する値上げに背に腹は代えられぬ、というわけでしょうか。それでもまだ三分の二のヒトは組み替え食品を敬遠されてるというのは、日本の食糧事情がまだ十分に理解されていないのか、はたまたアンケート回答者がそういう逼迫した情勢に左右されないだけの裕福な生活を送ってらっしゃる人々なのかもしれません。今日本人を蝕んでいるのは過度の脂肪摂取ですし、それに比べれば確認されてもいない遺伝子組み換え食品の危険性などは無視できるレベルのリスクじゃないか、と思うのですが、この種の科学アレルギーはそう簡単に治るものでもないので、我が国で遺伝子組み換え食品が定着するには、とことんまで行って「背に腹は代えられぬ」ヒトが自然増加するまで待つしかないのかもしれません。ヨーロッパ諸国みたいに食料自給率が高ければ良かったんでしょうけれど、米減反が予定通り行ってない、と発表するような省庁が農政を管轄するような国では、到底夢物語でしかないようです。

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うっかりとぼんやりで眠たい一日が過ぎていきました。

2008-07-02 22:29:17 | Weblog
 今日はどうも1日ぼんやりしていたような状態で、一個1300円する遠心分離用のチューブを落っことして割ってしまったり、お茶を入れているときになぜか目標を見誤り、急須に入れるはずの湯沸しポットのお湯を左足の甲に落としてしまったり(これは本当に熱かった(泣))、水曜日なのに、なぜか一日中今日は火曜日、と思い込んでいたり。通勤の往復もぼんやりしていて、幸い危ないシーンはなかったものの、もし今まで幾度か遭遇している間一髪な事態が今日起こっていたら、ほぼ確実に事故を起こしていただろうな、と思うくらい、危険な状況でした。
 原因の一つは睡眠不足で、どうも朝明るくなるのが早いせいか、中途半端に早く目が覚めてしまい、睡眠時間が大きく削られてしまったりしているのです。今ですらこれですから、サマータイムが導入されたりしたら、まず数日で体調不良になって、いずれそのうち寝込むか事故るかしてしまうことでしょう。ああいうやらずもがなな試みは、やる前によく考えていただきたいものです。
 それにしても、サミットがあるせいなのか、最近やたらと環境問題、特に炭酸ガス排出が槍玉に上がっています。サマータイムからして、そもそもは環境にやさしい、という話から始まっているみたいですし、コンビニの夜間営業問題とかも、なかなかにぎわっているようです。電気は今のところ溜め込んでおくことができないので、夜間といえども一定量使う必要があり、そもそもコンビニの営業を自粛しても、冷蔵庫は動かさなくてはならないし、ほとんど炭酸ガス削減効果は期待できない、という話です。まあ正直言って私は夜間で歩いたりしませんので、コンビニが開いてようが閉まっていようがどうでもよいことなのではありますが、利用する人がいるからこそ営業もしているのでしょうから、あまり効果がないのならあえて商売に口を挟むこともないのではないか、と思わないでもありません。
 それよりも冷房をやめるとかテレビ放送を2,3日お休みしてみるとか、考えた方がまだマシな気もします。
 でも、個人的には、本当に炭酸ガスを制御することが地球温暖化を抑制することにつながるのか、疑問もあります。日本近海を始め、あちこちの海を覆いつくすメタンハイドレートなどに膨大な量が存在するメタンは、炭酸ガスの50倍の温室効果を発揮するガスと聞き及びますし、雨の元になる水蒸気だって、立派な温室効果ガスです。都市のヒートアイランド現象などは確かに人間の活動が最たる原因なのでしょうが、地球規模の温度上昇が人間活動の結果と本当にいえるのか、もう少し吟味した話があってもよいように思うのです。その上でやはり人間のせいだ、立証できたのなら、有無を言わさずサマータイムを導入しようがコンビニを夜締めようが何だって効果のありそうなことは片端から強制的にやればいいじゃないですか。言い訳や抜け道がいっぱいある状態であやふやな話をするから、ついてこない国や人が出てきたりするんじゃないか、と私は思います。

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