半谷範一の「オレは大したことない奴」日記

B級自動車ライターのカオスな日常

趣味の弾作り? ハンドロード(リローディング)の話 その5

2016-03-28 21:46:22 | ライフル射撃、ライフル銃
大口径ライフルを撃ちに行こうと思ったら、弾が全然残っていないことに気付きました。というわけで、急遽弾を作ることにしたのですが・・・・・・あっ、そういえば前回の“趣味の弾作り?”は、まだ話が途中のままだったよなぁ。というわけで、今日は久々に続きを書くことにしましょう。




ライフル銃の場合、弾頭をシートする位置が命中精度に大きな影響を与えます。昔は弾頭がライフリングにタッチする位置がベストといわれていたのですが、現在は一定のクリアランス(フリー・トラベルとかジャンプとか、色々な名前で呼ばれています)をとるのが良いとされています。

しかし、ここで難問が発生します。元々ライフリングの始まる位置は銃によってすべて微妙に違いますし、たとえ同じ銃であっても使っている間に徐々に変化してきます。当然のことながら、使用する弾頭の形状によっても大きな違いが出てしまいます。つまり、たとえ同じ弾種であっても、使用する銃や弾頭に合わせて調整しなければならないというわけです。

高い精度を追求するためにハンドロードしているような皆さんは、非常に精密なゲージを使用して計測し、そのシート量を決めています。しかし、以前にも書いたとおり、私がリローディングしているのは純粋に経済的な理由(笑)。市販の弾と同じくらい当たれば満足というレベルです。というわけで、最近はホーナディが出しているこんな簡単なツールを使用しています。




ご覧のように、シャフトを内蔵したゲージの先に、ダミーの薬莢が取り付けられるようになっています。



このダミーの薬莢、本物の薬莢を使用して製作してあります。私は市販の物をそのまま使用していますが、自分の銃で使用した薬莢をベースに自作すれば、より正確な物が作れると思います。


ネックの部分はユルユルなので、そこに使用する弾頭を差し込みます。




それを使用する銃に差し込んでシャフトを押し込み、動かなくなった位置がライフリングにタッチした位置ということになります。




次に側面のネジを締め込んでシャフトの位置を固定し、ゲージを抜き出します。このとき、弾頭は銃身の中に残ってしまうので、銃口側からナイロンのロッドなどを入れて押し出します。そして再度弾頭をゲージの薬莢に装着して全長を測れば、ライフリングにタッチしたときの全長が分かるというわけです。



正確に計るためのアダプターもありますが、私はノギスで直接計ってしまいます。


弾頭をシートするときに使用するシーティング・ダイは、シート量を微調整できるようになっているので、タッチした位置から一定のクリアランスがとれるように調整します。クリアランスの適正値は弾種はもちろん、弾頭や使用する火薬の種類や量などによっても異なりますが、一般的には0.020~0,040インチの範囲内のどこかで最良の結果が出ることが多いようです。私の場合は安全のためにやや多めのクリアランスをとるようにしています。




シーティン・・ダイをプレスに装着し、弾頭を装着します。最初は何度も確認しながら適正値になるように微調整します。






はい、できあがり。完成した弾はすべて全長と重量を再チェックします。法規で1日に製造できる数は100発以内なんで、大した手間じゃありません。



最初は“こんなアバウトな作り方で大丈夫か?”と思ったものの、実際には市販の競技用の弾と比べて遜色ない精度が出せました。

前述のように、私は“ハンドロードで究極の精度を追求する”といったことにはあまり興味がありません。でも私はビンボーなんで、とてもじゃありませんが高価な市販の競技用の弾を買うのは無理。これから先もコツコツ弾を作り続けることになるんだろうなぁ・・・・・・


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コメント (9)
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