今年12月、開館50周年を迎える北九州市立美術館。二つの筒が宙に迫り出す独特の外観が印象的なこの建物は、2年前に逝去された世界的建築家、磯崎新氏の代表作のひとつで、「丘の上の双眼鏡」という愛称で北九州市民に親しまれています。
少し離れた位置から見上げると、あたかも四角い双眼鏡が北九州市街を覗き込んでいるように見えますね。
その双眼鏡から見えるのはこんな町並みです。
北九州市立美術館では現在、島根県津和野市にある「安野光雅美術館」のコレクションを集めた「安野先生のふしぎな学校」を開催中(今週末まで)。
安野光雅さんは1926年(大正15)、津和野市生まれです。幼いころから画家を夢見て24歳で上京。小学校の教員として子供たちと日々接する傍ら、本の装丁や挿絵などを手がけていました。
1968年(昭和43)安野先生は、『ふしぎなえ』で絵本作家としてデビューを飾ります。その後も、やわらかな淡い色彩を基調とした、子ども目線を忘れない優しい雰囲気が漂う作品を次々と発表。2020年(令和2年)94歳で亡くなるまで、画家、絵本作家、装丁家、執筆家として幅広い分野で活躍し、日本のみならず世界中で高い評価を受けました。(安野先生の絵がタペストリーにして飾られた通路。ここは写真撮影OKでした)
『7』~「かぞえてみよう」より(1975年)
絵の題材が、それぞれ七つ描かれています。
『ふしぎなのり』~「はじめてであうすうがくの絵本」より(1982年)
『オオカミとサギ』~「きつねがひろったイソップものがたり1」より(1987年)
「蚤の市」より(1983年)
通路から見る北九州市。
安野先生の創作活動の原点となった教員時代に思いを馳せる教室。先生の本を手に取って自由に読むことができるコーナーです。(写真撮影OKでした)
ほのぼのと気持ちが温かくなる安野光雅ワールドを体験できました。
こちらは、津和野の安野光雅美術館のパンフレット。作品とも共通する優しい笑顔が素敵です。
安野光雅さんが旅した世界の風景に惹かれ、ミュージアムショップで買った絵葉書。
1階ホールから2階への階段。
その右側に展示されているのは、オーギュスト・ロダン『ピエール・ド・ヴィッサン』。
イギリスとフランスの百年戦争で、イギリスに包囲された港町カレーを救うために人質となった市民たちの記念碑として制作された『カレーの市民』のなかの一体です。全体像は、上野の国立西洋美術館に展示されています。
階段の反対側には、32歳から15年間ロダンに師事したエミール=アントワーヌ・ブールデルの『ペネロープ』。ギリシャ神話を題材に、トロイ戦争に出征した夫オデュッセイヤの帰りを待ち続ける貞淑な妻ペネロープを描いたものです。ホノルル美術館のセントラル・コートヤードにも、この作品が展示されていました。
中2階に展示されている、京都出身の彫刻家三沢厚彦作『アニマル2016-01』
2階は北九州市立美術館のコレクション展示室。こちらの部屋も写真撮影が認められています。
エドガー・ドガ『マネとマネ夫人像』
ドガが友人マネに贈ったものですが、何が気に入らなかったのか、マネがその一部を切り裂いてしまったといういわくつきの絵です。
ピエール・ボナール『パリの朝』
ピエール=オーギュスト・ルノワール『麦わら帽子を被った女』
「津和野町立安野光雅美術館コレクション~安野先生のふしぎな学校」、もっと早く観に行きたかったのですが、なかなかタイミングが合わず、期間終了間際になってしまいました(会期は7月6日~8月25日)。冒頭にも書いたとおり、北九州市立美術館は今年が開館50周年。9月7日からは、この50年を振り返る「あの時、この場所で。~コレクションの半世紀~」が行われます。
少し離れた位置から見上げると、あたかも四角い双眼鏡が北九州市街を覗き込んでいるように見えますね。
その双眼鏡から見えるのはこんな町並みです。
北九州市立美術館では現在、島根県津和野市にある「安野光雅美術館」のコレクションを集めた「安野先生のふしぎな学校」を開催中(今週末まで)。
安野光雅さんは1926年(大正15)、津和野市生まれです。幼いころから画家を夢見て24歳で上京。小学校の教員として子供たちと日々接する傍ら、本の装丁や挿絵などを手がけていました。
1968年(昭和43)安野先生は、『ふしぎなえ』で絵本作家としてデビューを飾ります。その後も、やわらかな淡い色彩を基調とした、子ども目線を忘れない優しい雰囲気が漂う作品を次々と発表。2020年(令和2年)94歳で亡くなるまで、画家、絵本作家、装丁家、執筆家として幅広い分野で活躍し、日本のみならず世界中で高い評価を受けました。(安野先生の絵がタペストリーにして飾られた通路。ここは写真撮影OKでした)
『7』~「かぞえてみよう」より(1975年)
絵の題材が、それぞれ七つ描かれています。
『ふしぎなのり』~「はじめてであうすうがくの絵本」より(1982年)
『オオカミとサギ』~「きつねがひろったイソップものがたり1」より(1987年)
「蚤の市」より(1983年)
通路から見る北九州市。
安野先生の創作活動の原点となった教員時代に思いを馳せる教室。先生の本を手に取って自由に読むことができるコーナーです。(写真撮影OKでした)
ほのぼのと気持ちが温かくなる安野光雅ワールドを体験できました。
こちらは、津和野の安野光雅美術館のパンフレット。作品とも共通する優しい笑顔が素敵です。
安野光雅さんが旅した世界の風景に惹かれ、ミュージアムショップで買った絵葉書。
1階ホールから2階への階段。
その右側に展示されているのは、オーギュスト・ロダン『ピエール・ド・ヴィッサン』。
イギリスとフランスの百年戦争で、イギリスに包囲された港町カレーを救うために人質となった市民たちの記念碑として制作された『カレーの市民』のなかの一体です。全体像は、上野の国立西洋美術館に展示されています。
階段の反対側には、32歳から15年間ロダンに師事したエミール=アントワーヌ・ブールデルの『ペネロープ』。ギリシャ神話を題材に、トロイ戦争に出征した夫オデュッセイヤの帰りを待ち続ける貞淑な妻ペネロープを描いたものです。ホノルル美術館のセントラル・コートヤードにも、この作品が展示されていました。
中2階に展示されている、京都出身の彫刻家三沢厚彦作『アニマル2016-01』
2階は北九州市立美術館のコレクション展示室。こちらの部屋も写真撮影が認められています。
エドガー・ドガ『マネとマネ夫人像』
ドガが友人マネに贈ったものですが、何が気に入らなかったのか、マネがその一部を切り裂いてしまったといういわくつきの絵です。
ピエール・ボナール『パリの朝』
ピエール=オーギュスト・ルノワール『麦わら帽子を被った女』
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「津和野町立安野光雅美術館コレクション~安野先生のふしぎな学校」、もっと早く観に行きたかったのですが、なかなかタイミングが合わず、期間終了間際になってしまいました(会期は7月6日~8月25日)。冒頭にも書いたとおり、北九州市立美術館は今年が開館50周年。9月7日からは、この50年を振り返る「あの時、この場所で。~コレクションの半世紀~」が行われます。