ルイガノ旅日記

あちこち出かけた場所で目にとまったもの、
心惹かれたものを紹介しています。
よかったらおつきあい下さい。

ハワイ滞在記 2024年10月⑥~ワイキキビーチをホロホロ

2024年12月20日 | 海外旅行
オアフ島3日目の朝、ラナイで朝食をとっていると、イリカイホテルの向こうに半分だけ虹が架かりました。海側に架かっているはずのアーチは、空気中の微細な水滴が少ないのか、残念ながら目には見えません。5月と違って今回のハワイは、虹を見る機会が多かったです🌈


朝食後は、ラグーンからアラモアナ・ビーチパーク、マジックアイランドをホロホロ。写真はアラワイ運河を渡る手前、プリンスホテル付近から。まだ、かろうじて虹の端っこが見えていますね。(「散歩」や「ぶらぶら歩く」ことを、ハワイ語で「ホロホロ」と言います)
大気中の雨粒によって屈折させられた太陽の光が、いろんな色のスペクトルに分かれることで形成される虹。空気が澄んでいるほど、より明瞭な虹が見られます。


日本では虹の色は、一般的に7色(外側から赤、橙、黄、緑、青、藍、紫)と言われますが、色の識別を容易にするため、アメリカやイギリスは6色、ドイツやフランスでは5色とされています。国によって、虹の色数もバラバラなんですね~。
そもそも虹7色説は、今から320年前のニュートンの研究に由来しています。当時のヨーロッパでは音楽が学問の重要な一分野とされ、自然現象と音楽を結び付けて考えられていたらしい⁈ ニュートンが虹を7色としたのは、音楽の7音階(ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ)に虹のスペクトルを当てはめたのだそうです。科学的には、赤から紫まで無段階かつ連続的に変化しているので、どこで区切っても間違いとは言えませんね(笑)


広々として波も穏やかなアラモアナビーチ。虹はほとんど消えかかっています。部屋で虹に気づいてから1時間くらい経っていました。


アラモアナ・ビーチパークから海に向かって半島のように突き出したマジックアイランド。


アラモアナビーチと同じように、ホノルル市民の憩いの場となっています。


ぐるりと遊歩道がめぐらされ、あちこちにベンチが設置されているので、朝夕はジョギングや散歩をする人が多いです。


マジックアイランドの突端は、ほぼ完全に消波ブロック(石を積み上げた防波堤)に囲まれたラグーン。


波が穏やかで小さなラグーンですが、日中はライフガードがビーチを監視しています。


モンキーポッド。ネムノキの花に似たピンク色の花がたくさん咲いていました。


この日のランチは飲茶。これまで、飲茶と言えば中華街のレジェンドと決めていましたが、今回初めて、YouTubeで評判のよかったジェイド・ダイナスティ(アラモアナセンター4F)に行ってみることにしました。


レジェンドと違ってワゴンが店内を回るのではなく、テーブルに置いてある写真付きメニューから選ぶスタイル。
やはり、エビの蒸し餃子(Signiture Shrimp Dumplings)は外せません。


つるんとした食感が好みのルックファン(Shrimp Look Fun Roll)は安定の美味しさ。


この店で一番気に入ったのは、エビとニラの蒸し餃子(Shrimp & Chive Dumplings)でした。


定番のシュウマイ(Steamed Shrimp & Pork Dumplings)と、サクッとした食感のタロイモ揚げ(Deep-fried Taro Puffs)。


エッグタルト(Caramelized Egg Tarts)とカスタードタルト(Baked Egg Custard Tarts)。夫婦それぞれ、似たようなものを頼んでしまいました (^^ゞ


ジェイド・ダイナスティの近くにあったドジャースショップ。この日はそうでもありませんでしたが、ドジャースがワールドシリーズを制した後で再び立ち寄ってみると、店内がごった返してレジに長い行列ができていました💦


この日アラモアナセンターに来たもう一つの目的は、アウトドア用品ブランドのYETI直営店。


ジムでの水分補給用に新しいボトルが欲しかったのです。このほか、甥と姪のお土産にタンブラーやマグを購入しました。
おや、このボトルの色は、お向かいのイリカイホテルのベランダの色にそっくりですね(笑)


夕方は、夕焼けを見にワイキキビーチをホロホロ歩き。シェラトンホテル裏の舗道からダイヤモンドヘッドを望みます。


夕焼けを眺める人たちが、突堤に集まり始めていました。


空をオレンジ色に染めながら、太陽が水平線に沈んでいきます。


フォートデルッシービーチパークから椰子の木のシルエット越しに……。南国の夕日は何ともロマンチックです。


今年も残すところ10日あまりになりました。今日は、書き終えた年賀状を投函。妻によれば、わが家の大掃除もおおむね終了のようです(私が手伝ったのは、庭や玄関まわりの高圧洗浄くらいでしたが……💦)。毎日少しずつ、新年を迎える準備が整ってきています。
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ハワイ滞在記 2024年10月⑤~サンセット・セイリング

2024年12月13日 | 海外旅行
ハワイ滞在記に戻ります。4日目はハワイ島からオアフ島に移動。ホテルのラナイから、アラワイ・ヨットハーバーやマジックアイランド、アラモアナ・ビーチパークがよく見えました。お隣りはイリカイホテルです。


同じ場所でも、夜になるとすっかり雰囲気が変わりますね。


翌朝ラグーンの周囲を歩いていると、きれいな虹が出現~🌈


しばらく眺めていたら、いつの間にか外側に副虹が……。写真では見えにくいですが、幸運をもたらすと言われるダブルレインボーですヽ(^o^)丿


とても寿命が長い虹で、散歩を終えて部屋に帰っても、まだ消えずにかかっていました。


この日は、ワイキキ沖を航行するヨットから、太平洋に沈む夕日を眺めるサンセットセイルを予約。出航までの時間、ワイキキビーチの西端(デュークカハナモクビーチとフォートデルッシービーチ)をホロホロしました。(「ホロホロ」は、ハワイ語で「散歩」や「ぶらぶら歩く」という意味です)


広いフォートデルッシービーチに、バレーコートが6面くらい(あるいはもっと???)設置され、1チーム4人対抗のビーチバレー大会が行われていたようです。どのチームもかなり本格的で、見ごたえのある試合を楽しませてもらいました。


午後5時、予定どおりヒルトン桟橋から出航。搭乗したのはSpirit of Aloha号。ワイキキ周辺では最大級、80人乗りの65フィート・カタマラン(双胴船)です。この日の乗客は20人弱くらいだったので、キャビンもデッキも広々と使えました。


日没1時間前のダイヤモンドヘッド。わずかに赤みを帯びていますね。


出航して暫くはエンジン航行しますが、沖合に出ると、クルーが協力してセイルを張りはじめます。


この日は日曜日だったので1時間半のサンセットセイルでしたが、ヒルトンの花火が打ち上げられる金曜日は、サンセットと花火を海上の特等席で見る2時間のファイヤーワークス・ディナークルーズという特別プログラムになるそうです。


風を切って滑るように走るのは爽快そのもの。果てしない水平線を眺めながら飲むビールが、ことのほか美味しく感じられます。(船上でサービスされるビールは、ハワイ島コナ・ブリューイングカンパニーのBig WaveとCastaway IPAの2種類。もちろん、どちらも楽しみましたよ)


風をはらんでバサバサと音を立てるセイル。近くで見上げると迫力があります。


太陽がかなり傾いてきました。


東の空にかかる虹。船の上から虹を見たのは初めてかも……。


雲間から射しこむ光芒にも感動しました。


グラスをワインに変えて、この日の夕景に乾杯🍷


沖合を通り過ぎるのは、優雅なサンセットディナーが人気のスター・オブ・ホノルル号です。


日が沈んだら、サンセットセイルもそろそろ終盤。ビーチに向けて舵を切りました。


ワイキキの街並みにも、夜の帳が下りようとしています。


出航とおなじヒルトン桟橋でスピリット・オブ・アロハ号を降り、ラグーンタワーに帰ってきました。


夕食は、サンセットセイルで出されたマヒマヒのサンドイッチと、昼間のうちに買っておいたポキといなりずし。この後は、ビールとワインでゆったりとした夜を過ごしました。
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ハワイ滞在記 2024年10月④~ドトール・コーヒー農園 Mauka Meadows

2024年12月01日 | 海外旅行
ハワイ島3日目は、サンセット&星空ツアーのガイド、SHOYOさんのお勧めもあって、コーヒー農園を訪ねることにしました。ハワイ島観光の中心、カイルア・コナから車で20分ほどのフアラライ山麓、海抜500m付近はコーヒー栽培に適した気候で、「コナ・コーヒーベルト」と呼ばれています。このあたりには、ブルーマウンテン、キリマンジャロとともに世界三大コーヒーに数えられるコナ・コーヒーを生産する農家が集中しており、規模の大きなUCCハワイ・コナコーヒー直営農園や日系移民によるコーヒー栽培の先駆け内田コーヒーファーム、小規模ながらアットホームな村松小農園など、見学者を受け入れる農園も多いそうです。私たちは今回、農園からの景色が素晴らしいというクチコミを参考に、日本のドトールコーヒーが運営する Mauka Meadows Coffee Farmに行ってきました。


コナ・ベルトロード沿いにあるドトールコーヒー農園(Mauka Meadows Ocean)に到着。カイルア・コナの町の向こうに真っ青な海。フアラライ山麓から太平洋を望む雄大な風景が広がっていました。


試乗キャンペーンを利用してレンタルしたHyundaiのKONA。モーター駆動だけに静かで振動が少なく、乗り心地が非常によかったです。加速もスムーズでパワフル。快適なドライブが楽しめました。


駐車場に車を停めたら、入園料($5/人)をボックスに入れ農園の坂道を下っていきます。ここは無人なので、下のギフトショップで直接スタッフの方に払っても構いません。
そびえ立つ椰子の木、きれいに手入れされた芝生や植生は、「農園」と言うよりも植物園のよう。海の青さが目に染みる風景でした。


更に坂を下ると出現するプルメリアのアーチ。アーチをくぐると、太平洋を見下ろすパティオ。そこに、小さな噴水が設置されていました。


コーヒーだけではなく、色とりどりの花や樹木、果樹などが整然と並んだドトールコーヒー農園。訪れる人を穏やかに迎え入れてくれます。


坂道を挟んで反対側(海に向かって右側)はコーヒー畑。こちらも、きちんと手が入れられていました。
ドトールがハワイ島にコーヒー農園を開設したのは1991年。コナ・ベルトロードを挟んで海側が、私たちが訪れた観光農園 Mauka Meadows "Ocean"。山側はMauka Meadows "Mountain"と呼ばれ、両方を合わせると東京ドーム16個分の広さがあるそうです。


コーヒー豆の収穫時期は7月から12月。高い品質を保つため、完熟した豆だけひと粒ずつ丁寧に手摘みされます。また、11月から4月にかけては、綿帽子のような小さく白い花が咲き、あたり一帯が白い雲に覆われたような情景が見られるのだとか。地元ではこれを「コナの雪(Kona Snow)」と呼ぶそうです。


オレンジやグァバの果樹園。私たちはやりませんでしたが、ドトールコーヒー農園では生っている果樹を、その場で収穫して食べてもOKだそうです。


パイナップルも栽培されていましたが、こちらには「収穫は遠慮してください」と注意書きが……。


食べるにはまだ早そうですが、バナナもたわわに実っていました。


種類が違うものも……。


パンノキ。ハワイでは「ウル」と呼ばれます。神話によれば、ウルという人(本当は神)が自らをパンノキに変え、飢饉を救ったとされることから、ハワイ先住民はとりわけこの木を大事にしているのだそうです。


ここまで下りると、一気に視界が開けました。


ここで、Mauka Meadows農園で作られた100%コナ・コーヒーを試飲できます。美しい景色を眺めながら飲むコーヒー、美味しくない訳ありませんよね(笑)


可愛らしい建屋がふたつ。手前は焙煎室です。


焙煎作業の様子や焙煎を終えたコーヒーを取り出す場面を見せてもらいました。


日本のドトールから、ハワイ島Mauka Meadowsに転勤してきた若いご夫婦。奥様もここでは、農園での仕事を手伝っているそうです。明るく爽やかなお二人でした。(ブログ掲載の許可を戴いています)


試飲した2種類がとても香りがよく美味しかったので、自宅用とハワイ滞在中に飲む分を購入。


帰りはこの車で道路沿いの駐車場まで送ってくれました。結構な坂道を下りてきたので、これはありがたかったです💦


帰国後、Mauka MeadowsのHPを覗いてみると、農園を訪ねた記念にコーヒーの木を植樹することができるようです。"My Coffee Tree"が、日本から遠く離れたハワイ島のコーヒー農園でスクスク育ち、3年後にはコーヒーの実をつけるなんて、夢があっていいですね。


この日の夕方は、海岸沿いのワイコロア・ビレッジで海に沈む夕日を眺めました。


完全に日が落ちた後も、暫く余韻を……。


ハワイ島で過ごすのもこの日でおしまい。夕焼け観賞で締めくくりました。


翌日はアイアンマンレース世界選手権です。早朝からほぼ終日にわたって幹線道路がほぼ封鎖されるので、早めにホテルを出発。コナ空港からオアフ島に移動しました。
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ハワイ滞在記 2024年10月③~サンセット&星空観測ツアー@マウナケア

2024年11月25日 | 海外旅行
ハワイ島2日目の夕方から夜にかけて、ハワイ諸島最高峰のマウナケア(Mauna Kea)でのサンセット観賞と星空観測ツアーに参加しました。"Mauna" はハワイ語で「山」、"Kea" は「白い」という意味で、冬になると冠雪することから"Mauna Kea(白い山)" と名付けられたというのが定説です。
マウナケアの標高は4,205m。ただし、これは海面上(Sea Level)からの高さで、裾野にあたる太平洋の海底から測ると、エベレストよりも遥かに高い10,205mに達し、世界で最も高い山としてギネスに登録されています。
晴天率の高さ(年間300日)、大気中の水蒸気が少なく乾燥していること、太平洋上のほぼ中央に位置する孤島であること、夜間は光汚染が少なく漆黒に近い闇に包まれることなどから、空が澄みわたり地球上でもっとも天体観測に適した場所とされています。


午後3時ごろ、ツアーバスはクイーンズ・マーケットプレイスを出発。マウナケア方向に向かうワイコロア・ロードから、ハワイ島の最北端で最も古い火山帯、コハラ山地とコハラコーストが見えてきました。


少し左に視線を移すと、雲の合間に見え隠れする黒い影……ハワイ島から最も近いネイバーアイランド、マウイ島の最高峰ハレアカラです。


ワイコロア・ロードからダニエル・K・イノウエ Hwyを通ってマウナケアへ。ハワイ島を東西に横断する幹線道路で、北にマウナケア、南にマウナロアの雄大な山景を望む爽快なルートです。私たちがマウナケアを訪れた20年前は、悪路やアップダウンが多く「サドルロード(馬の鞍)」と呼ばれていましたが、故ダニエル・イノウエ上院議員の尽力もあって、きれいに整備され格段に走りやすくなっていました。
この交差点からマウナケア・アクセスロードに入り、まずはオニヅカ・センターに向かいます。


マウナケア山の中腹にあるオニヅカ・ビジターセンター(標高2,804m)に到着。
センターに名を冠するエリソン・オニヅカ氏は、ハワイ島コナ出身の日系二世。ハワイ州初かつ日系人初の宇宙飛行士で、1985年にスペースシャトル「ディスカバリー」で初飛行を果たした翌年、「チャレンジャー」に搭乗。不運にも発射73秒後の空中爆発によって命を落としました。彼の功績を称えるため、このセンターは「オニヅカ」と命名され、記念碑が建てられています。5月のハワイ滞在記で紹介した、オアフ島にある国立墓地パンチボウルにもオニヅカ飛行士の墓碑がありました。


駐車場に車を停めて少し上ります。気圧や低酸素に体を慣らし、高山病の発症を防止するため、山頂に向かう人は必ずここで30分以上の休憩をとることが義務づけられています。私たちも40分ほど、センターやこの周辺を散策して過ごしました。


この施設はマウナケアのインフォメーション・センターで、館内には数名のレンジャーが常駐。マウナケアや宇宙観測に関する教育施設ともなっています。


併設されたショップでは、宇宙関連グッズやオリジナルロゴ入りのパーカーやTシャツ、温かい飲み物などを販売。


時間をかけて体を高山に順応させるため、センター周辺にはテーブルとベンチが備え付けられています。山麓からは遠く上空に見えた雲海が、オニヅカ・センターを散策する私たちの眼下に広がっていました。


センターの少し山側に、景観とマッチした茶色い建物が見えました(写真中央)。後で調べてみたところ、天文台に携わる研究者や保守管理を行う人たちのための宿泊施設のようです。


通ってきた道がはるか下に……。遠くに見えるのはマウナロア山。雲間から山頂がわずかに顔を覗かせています。
オニヅカ・センターから山頂に向かう道路は、初めの8㎞は未舗装路(後半5㎞は、埃や粉じんが天体観測の支障となるため舗装されています)。片側は断崖でガードレールもなく、急勾配・急カーブが連続するので、慣れない人が運転するのはかなり危険です。この道を知り尽くしたツアーガイドのSHOYO(しょうよう)さんでさえ、と言うより知り尽くしているからこそ、非常に慎重に運転していました。20年前、私もセンターを出発してこの道にチャレンジしたことがあるのですが、砂利道が非常に滑りやすく、パラパラと雪まで舞い始めたため、早々に引き返した経験があります。今回のツアーで実際に走ってみて、あのとき断念してよかったとつくづく思いました。


途中、自転車で登頂を目指す人を何人も追い越しました。おそらく、2日後に迫ったトライアスロン世界選手権に出場する人たちでしょう。4,000mを超える山を、しかもこんな砂利道を自転車で走破するなんて、さすが鍛えあげたアイアンマンだと車内で驚嘆の声が上がりました。


かなり山頂に近づいた場所に置かれたパラボラアンテナ群。米国ハーバード・スミソニアン天体物理学センターと台湾の中央研究院天文及天文物理研究所が設置、運営するサブミリ波干渉計(Submillimeter Array, SMA)で、口径6mのアンテナ8台を統合して、ひとつの望遠鏡として使用する開口合成型電波望遠鏡です。


今回のツアーで直接目にすることはありませんでしたが、パラボラアンテナと言えばマウナケアにはもうひとつ、口径25mという巨大な超長基線アレイ(Very Long Baseline Array, VLBA)を用いた電波望遠鏡があります。これは、ニューメキシコ州のオペレーションセンターから遠隔操作される、アメリカ全土に配置された10台のパラボラアンテナからなるシステムで、10基を統合してひとつの巨大な電波望遠鏡として運用するもの。アンテナ群の東端はカリブ海ヴァージン諸島、西の端は北米大陸を飛び越えてハワイ島マウナケア山に設置される、なんとも壮大なシステムです。

更に上ると、山頂付近に設置された各国の天文台群が見えてきました。マウナケアには、世界11か国の13天文台が設置されていますが、上の写真のサブミリ波干渉計といい、噴石丘の上に立ち並ぶこれらの天文台といい、地球外の惑星に足を踏み入れたような感覚に陥りそうな光景でした。ちなみに一番手前(左)は、口径 8.2 メートルの光学赤外線望遠鏡 "すばる" を運用する日本の国立天文台ハワイ観測所です。


17時10分過ぎ、私たちを乗せた四輪駆動車は、ジェミニ北天文台の横に駐車。この日、ハワイ島の日没は17時51分。この場所から、雲海の向こうに沈む遥かな夕日を眺めます。先ほどのパラボラアンテナ群がずいぶん下に見えました。


口径8.1mの光学赤外線望遠鏡2基で構成されるジェミニ天文台。2基と言っても二つともマウナケアにある訳ではなく、もう1基は南米チリのセロ・パチョン山頂に設置されています。なので、こちらは「ジェミニ北天文台」、チリの方は「ジェミニ南天文台」。観測・研究の対象が宇宙だけあって、スケールの大きな話ですね。
天文台の窓が開き、天体観測が始まったようだと、ガイドのSHOYOさんが教えてくれました。中の望遠鏡まで見えなかったのが残念 (^^ゞ


山頂付近には多数の噴石丘が形成され、その数は100個を超えると言われています。噴石丘とは、マウナケアなど巨大火山の活動が活発だった数千年から数万年前、本来の火口ではない場所で小さな噴火が発生し、その際に噴出された溶岩や火山灰が堆積してできた小高い丘のこと(Wikipediaより)。天文台群もそうした噴石丘の上に建てられています。


もうひとつ向こうの噴石丘に建つ天文台群。一番左は、カナダ、フランス、ハワイ大学が共同で運用するカナダ-フランス-ハワイ望遠鏡(Canada-France-Hawaii Telescope, CFHT)だと思います。


ハワイ先住民の聖地とされるマウナケア山頂が、次第に赤みを帯びてきました。口頭伝承によるとマウナケアは、母なる女神パパハーナウモクと創造と天空の神ワーケアの子で、その山頂は天と地が結びつく場所とされているそうです。(これが正真正銘のマウナケア山頂です)


ツアーの軽食として配られたBLTサンドイッチも、夕日を浴びてオレンジ色に染まっていました。


太平洋の最も高い場所で食べるサンドイッチは格別の味。なんとも美味しく感じられました。こんな高山での食事は、若いころ登った富士山山頂のインスタントラーメン以来(笑) あの時よりもずっと高い場所にいるのが何だか夢のようです。(富士登山の時は頭痛や吐き気など高山病を発症。症状は軽度ながら今回も、目眩や息苦しさを感じました💦 妻は平気で、何ともなかったそうです)


太陽が、はるか遠くの雲海を染めていきます。


夕陽を浴びて、何もかもがオレンジ色に……。サンセットを眺める人の影が長く伸びていますね。


心なしか、時間がゆっくり過ぎていくような気がしました。すばる望遠鏡の隣に並ぶのは、米国カリフォルニア天文学研究協会が運用する双子の望遠鏡、 W.M.ケック天文台(1号&2号)です。


太陽が雲海に消えつつある頃、群青色の空は次第にその深みを増し、マウナケアに夜の帳が下りようとしています。


山頂に到着して50分近く、沈みゆく太陽をじっと眺めていました。日の出も日没も、宇宙の悠久の営みからすれば一瞬のまたたきに過ぎないとしても、私にとっては目眩くようなサンセットでした。


天体観測の支障とならないよう、日没後30分以内に下山しなくてはならないため、日が沈んだ後はあまり時間はありません。最後にもう一度、すばる望遠鏡を目に焼きつけて山頂を後にしました。


山頂を少し離れたところに車を停めたら、次は星空観測(Stargazing)です。暗くなるのを待つ間、星や星座、彗星などについて、SHOYOさんから興味深くわかりやすい説明を受けました。夜になって一気に気温が下がったので、サービスされた熱くて甘いココアの美味しかったこと!

(星空の写真は、すべてガイドのSHOYOさんが撮ってくれたものです。真っ暗闇の中で行う星空観測中はわずかな光も妨げとなるため、個人のカメラ撮影やスマホの使用は制限されていました)

私たちがハワイ島を訪れた10月は、2023年に発見された「紫金山・アトラス彗星」が観測可能な時期(写真中央で上に尾を引いている彗星)。肉眼で見るには少々遅すぎましたが、長く明瞭な尾を引く様子を望遠鏡で見せてくれました。


この日は午後1時33分に月が沈んだので、幸いなことに新月と同じ環境。星空観測を妨げるものが無かったこともあって、360度見渡す限り、満天の星を眺めることができました。もちろん、天の川もくっきり。紫金山・アトラス彗星だけでなく、流れ星もたくさん見つけることができましたし、ツアーを引率してくれたSHOYOさんのガイドぶりも素晴らしかった! 感動的な星空体験でした。


私たちが撮ってもらった記念写真にも、紫金山・アトラス彗星がしっかり写っていました。この彗星、8万年周期で太陽の周りを回っているそうなので、次の機会は8万年後。75年周期のハレー彗星どころじゃありません(笑) 今回見ることができてよかったですヽ(^o^)丿

(ダウンジャケットの貸し出しはツアーに含まれています)

ハワイ島で一番楽しみにしていた「マウナケア山頂サンセット&星空観測ツアー」、期待していたとおり素晴らしい体験ができました。国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡や観測成果などについては、こちらのHP「すばる望遠鏡」で詳しく解説されています。「すばるギャラリー」では、山頂から肉眼で捉えた紫金山・アトラス彗星の素晴らしい写真を見ることもできますよ。
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ハワイ滞在記 2024年10月②~キングスランド・ワイコロアビレッジ散策

2024年11月18日 | 海外旅行
週末の男子ごはん記事を挟みましたが、またハワイ滞在記に戻ります。
私たちがハワイ島に着いたのは、世界最高峰のトライアスロンと言われるアイアンマン世界選手権が行われる週。このため、世界各地でトライアスロンの予選を勝ち抜いたトップアスリートたちがハワイ島に集結していました。


スイム3.8km、バイク180.2km、ラン42.2kmで競われる過酷なアイアンマンレース。バイクのメインコースとなるQueen Ka'afumanu Hwyでは、事前トレーニングに励むアスリートをたくさん見かけました。


さすがに世界レベルのアスリートたち。男女を問わず、鍛えあげて引き締まった体型が印象的でした。


ハワイ島でレンタルしたHyundaiの最新EV "KONA"。私にとっては初体験の電気自動車です。EVならではの装備や機能がいろいろ。ドアが開けられないような狭い駐車場で、乗車することなくリモコンで車を前後に移動させる機能もありました。もちろん、写真のように人や障害物が出現すると自動停止。駐車スペースの広いアメリカでそれほど必要性があるとは思えませんが、日本なら便利かもしれませんね。


ハワイ島で迎える最初の朝。午後からは、マウナケア山頂でサンセットを眺め、星空を観察するツアーに参加予定です。朝食の後は、宿泊しているキングスランドや近くのヒルトン・ワイコロアビレッジを散策することにしました。


クラブハウスの後ろにある、キングスランドのメインプール。3本のスライダーやジャグジーを備え、大人専用や子供用を含め4つのプールエリアが隣接した規模の大きなプールです。


プールでバレーボールを楽しめる設備もありました。


キングスランドの周囲をぐるりと取り囲むゴルフコース。ゴルフ場の中にリゾートがあると言っても過言ではありません。


ゴルフ好きの人にはたまらない環境でしょうね。実際ここでは、ゴルフ三昧のバケーションを過ごす宿泊者も多いそうです。


グーグルマップ(航空写真)でこの周辺を見ると、真っ黒な溶岩大地の中にリゾートの周辺だけゴルフ場の緑がくっきり浮かび上がっています。


こちらは、キングスランドから車で5分くらいのヒルトン・ワイコロアビレッジ。ハワイ島北西部のコハラコーストに面した広大なビーチリゾートです。


敷地内の手軽な移動手段として、トラムやボートが運行されています。なんだかテーマパークみたいですね。


私たちはトラムではなく歩いて散策しました。南国ムード漂う庭園をめぐる遊歩道は、朝や夕暮れの散歩にぴったりです。


真っ青な空の下、そよ風に揺れる椰子の木。


歩いているだけで気持ちが和み、癒される風景が続きます。


遊歩道沿いのベンチに腰をかければ、目の前には茫々たるコバルトブルーの海。ハンモックでゆらゆら揺られながら、日差しを浴び海風に吹かれるのも気持ちいいでしょうね。


遊歩道の終点はブッダポイント。水平線に沈む夕日が美しいワイコロアビレッジの中でも、一番のサンセット・ビューポイントと言われています。


ビーチ沿いに残る真っ黒な溶岩。青い海、緑の芝生とのコントラストが際だっていました。


トラムと並行するように水路が巡らされ、ボートでのんびり移動することもできます。歩く速さくらいのゆったりしたプチ船旅。私たちも帰り道、メインロビーまでボートに乗ってみました。


ワイコロアビレッジを散策した後は、西海岸沿いの幹線道路 Queen Ka'afumanu Hwyを一路南下。 "Randy's HULI CHECHEN & RIBS" に向かいました。この道は、カイルアコナの町を過ぎるとHawai’i Belt Rdと名前を変えますが、ひたすら直進すればその通り沿いにあります。(私はグーグルマップのナビに従って、途中から海岸沿いに大きく迂回。ずいぶん遠回りしました💦)


Randy'sは、「ハワイ島に行くのなら、ぜひ寄ってみて!」とハワイに詳しい方が勧めてくれたフリフリチキン屋台です。辺り一帯に漂うチキンが焼ける香ばしい匂いが、空腹を抱えた私たちには刺激的でした(笑)


Randy'sがオープンするのは木曜と金曜の週2日。ハワイ島の人気チキン屋台だけに、この日も次から次へとお客さんが駐車場に入ってきました。テントの左側、駐車場横の空き地には、炙りたてのフリチキンが食べられるよう、テーブルとベンチが置いてあります。


私たちが頼んだフリフリチキンプレートは、鶏もも肉とむね肉、ご飯、コーンのセット。二人でシェアしても食べきれないほどの量でした。カリッとしながら中はジューシー。フリフリチキンも、別注文したマカロニサラダも美味しかったです。バナナブレッドと蒸しパンは、翌日の朝食用に買いました。


この後は、サンセット&星空観察ツアー。私たちにとって、ハワイ島滞在中一番のメインイベントです。午後2時45分にQueen's Market Placeでピックアップ予定なので、フリフリチキンのランチの後は真っ直ぐホテルに戻り、ツアーに出かける準備をしました。
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