「24」のすごい所は、特撮などを使ったすごい映像シーン、アクションシーンを使わずに「核爆弾テロ」と言った素材を描いている所だ。
映像をよく見てみるとわかる。
ドラマのほとんどは会話シーンで構成されている。
・捜査をするジャックの会話
・CTUでのメイスンらの会話
・大統領と側近たちの会話
・テロリストの会話
・ジャックの娘キンバリーの会話
それなのに緊迫感を持っているのは、各自の抱えているテーマ・葛藤を見事に描いているからである。
シーズン2 第12話にはこんなやりとりがある。
テロリストのボス・アリを拘束したジャック。
爆弾のありかを尋問する。
しかし、アラーのために死を覚悟したアリを説得できない。
イスラム教の司祭もアリを説得する。
「あなたはコーランの違った解釈をしている」
だが、アリは言う。
「その議論は天国でやろう」
ジャックは最終手段に出る。
祖国にいるアリの家族を拘束。
衛星回線を使って、家族がアメリカ軍に拘束された映像を見せる。
そして爆弾のありかを言わなければ、家族をひとりずつ殺していくと脅迫するのだ。ジャックは言う。
「自分もお前の家族を殺したくない。妻を殺された俺は家族が殺されるとはどういうことかを知っている」
葛藤するアリ。
同時にジャックも葛藤している。
このジャックの行動に対して大統領もリアクションする。
「子供を人質にすることなど、許すことは出来ない」
しかし、大統領の側近は反論する。
「しかし、これは戦争案件で多くの命を救うためには、多少の犠牲は仕方がない」
爆弾の起爆装置を運ぶ妹マリーに姉は電話をかけ説得を試みる。
この説得にはもうひとつ意味がある。
逆探知して、マリーの居場所を突き止めようというのだ。
妹のマリーは言う。
「世の中を変えるには誰かが死なないといけないの」
「そんなこと、どうして?」
人と人とがぶつかり合っている。
ドラマは人と人とのぶつかり合いだ。
第13話ではこんなやりとりがあった。
本部からCTUに人がやって来る。
テロリストに爆破されたロスのCTUが機能でているかを確認するためだ。
「本部は監督したがっているだけだ。本部のバカ共を接待している時間なんてない」
実にかっこいいせりふだ。
本部のシステムを使って指揮をとる様に言う本部の連中にメイソンは言う。
「本部に移動する1時間半がもったいない。それにここのシステムは復旧しています。それにシステムデータだけでは作戦を実行できません。スタッフの経験とチームワークが必要です」
会話だけで緊迫感を出している。
さらにメイスンは被爆して身体がボロボロの状態。彼のスーツの上着からは、膿が滲み出ている。
それを本部の連中に悟られたら指揮権を剥奪されてしまうというサスペンスも伴う。
★研究ポイント
派手な戦闘シーンがなくても作り出せるサスペンスドラマの作り方。
1.盛り込む情報量を多くする。
結果、展開も速くなる。
この点、日本のドラマのスピードは遅い。
2.リアリティのあるせりふを作る。
政治絡みのせりふはリアリティを出す。
(前述の大統領のせりふ、アリと司祭の会話など)
また、軍事・テクノロジー絡みのせりふはリアルに聞こえる。
例え、それが根拠のない嘘であっても緊迫感がそれをリアルに見せる。
例えば、こんな例。
核爆弾が空港にあって、飛行機に積まれているのがわかった時、メイソンはこんな指示を出す。
「ユニットBEUを派遣しろ。飛行機は離陸を禁止。離陸した飛行機はF11戦闘機で打ち落とせ」
核爆弾を積んだ飛行機のテールナンバー、格納庫を現場に伝える時は、こんなせりふを言う。
「テールナンバーはN-345。NはニューヨークのN。格納庫はMDー7。MはメキシコのM、DはデンマークのD」
核爆弾の起爆装置を解除する時は、こんな会話。
「起爆装置を解除できません」
「内部から設定を変更しろ」
「設定を変更すると起爆が速くなる仕掛けになっています」
ユニットBEUが実際にあるかどうかわからない。
実際の作戦指揮で「メキシコのM」と言うのかわからない。
設定を変更すると起爆が速くなる起爆装置があるかどうかわからない。
しかし、作品のスピード感がリアリティを与える。
その他、「拷問に耐えられる訓練を受けた男」や「焼えて黒こげになった紙から書いてあったことを復元するコンピュータのプロ」らが登場する。
これもそんな奴らが本当にいるかどうかわからない。
だが、大した疑問なく見えてしまうのは、作品のスピード・サスペンスのせいだ。
映像をよく見てみるとわかる。
ドラマのほとんどは会話シーンで構成されている。
・捜査をするジャックの会話
・CTUでのメイスンらの会話
・大統領と側近たちの会話
・テロリストの会話
・ジャックの娘キンバリーの会話
それなのに緊迫感を持っているのは、各自の抱えているテーマ・葛藤を見事に描いているからである。
シーズン2 第12話にはこんなやりとりがある。
テロリストのボス・アリを拘束したジャック。
爆弾のありかを尋問する。
しかし、アラーのために死を覚悟したアリを説得できない。
イスラム教の司祭もアリを説得する。
「あなたはコーランの違った解釈をしている」
だが、アリは言う。
「その議論は天国でやろう」
ジャックは最終手段に出る。
祖国にいるアリの家族を拘束。
衛星回線を使って、家族がアメリカ軍に拘束された映像を見せる。
そして爆弾のありかを言わなければ、家族をひとりずつ殺していくと脅迫するのだ。ジャックは言う。
「自分もお前の家族を殺したくない。妻を殺された俺は家族が殺されるとはどういうことかを知っている」
葛藤するアリ。
同時にジャックも葛藤している。
このジャックの行動に対して大統領もリアクションする。
「子供を人質にすることなど、許すことは出来ない」
しかし、大統領の側近は反論する。
「しかし、これは戦争案件で多くの命を救うためには、多少の犠牲は仕方がない」
爆弾の起爆装置を運ぶ妹マリーに姉は電話をかけ説得を試みる。
この説得にはもうひとつ意味がある。
逆探知して、マリーの居場所を突き止めようというのだ。
妹のマリーは言う。
「世の中を変えるには誰かが死なないといけないの」
「そんなこと、どうして?」
人と人とがぶつかり合っている。
ドラマは人と人とのぶつかり合いだ。
第13話ではこんなやりとりがあった。
本部からCTUに人がやって来る。
テロリストに爆破されたロスのCTUが機能でているかを確認するためだ。
「本部は監督したがっているだけだ。本部のバカ共を接待している時間なんてない」
実にかっこいいせりふだ。
本部のシステムを使って指揮をとる様に言う本部の連中にメイソンは言う。
「本部に移動する1時間半がもったいない。それにここのシステムは復旧しています。それにシステムデータだけでは作戦を実行できません。スタッフの経験とチームワークが必要です」
会話だけで緊迫感を出している。
さらにメイスンは被爆して身体がボロボロの状態。彼のスーツの上着からは、膿が滲み出ている。
それを本部の連中に悟られたら指揮権を剥奪されてしまうというサスペンスも伴う。
★研究ポイント
派手な戦闘シーンがなくても作り出せるサスペンスドラマの作り方。
1.盛り込む情報量を多くする。
結果、展開も速くなる。
この点、日本のドラマのスピードは遅い。
2.リアリティのあるせりふを作る。
政治絡みのせりふはリアリティを出す。
(前述の大統領のせりふ、アリと司祭の会話など)
また、軍事・テクノロジー絡みのせりふはリアルに聞こえる。
例え、それが根拠のない嘘であっても緊迫感がそれをリアルに見せる。
例えば、こんな例。
核爆弾が空港にあって、飛行機に積まれているのがわかった時、メイソンはこんな指示を出す。
「ユニットBEUを派遣しろ。飛行機は離陸を禁止。離陸した飛行機はF11戦闘機で打ち落とせ」
核爆弾を積んだ飛行機のテールナンバー、格納庫を現場に伝える時は、こんなせりふを言う。
「テールナンバーはN-345。NはニューヨークのN。格納庫はMDー7。MはメキシコのM、DはデンマークのD」
核爆弾の起爆装置を解除する時は、こんな会話。
「起爆装置を解除できません」
「内部から設定を変更しろ」
「設定を変更すると起爆が速くなる仕掛けになっています」
ユニットBEUが実際にあるかどうかわからない。
実際の作戦指揮で「メキシコのM」と言うのかわからない。
設定を変更すると起爆が速くなる起爆装置があるかどうかわからない。
しかし、作品のスピード感がリアリティを与える。
その他、「拷問に耐えられる訓練を受けた男」や「焼えて黒こげになった紙から書いてあったことを復元するコンピュータのプロ」らが登場する。
これもそんな奴らが本当にいるかどうかわからない。
だが、大した疑問なく見えてしまうのは、作品のスピード・サスペンスのせいだ。