窒息死させられ十字架に掛けられる連続殺人が発生。
被害者は牧師やマリアという名の娼婦など。
犯行の時、偶然残されたテープには「無敵なら私を滅ぼせ」というラテン語の声が録音されていた。
推理ドラマにとって動機は重要な要素である。
その動機に作品のテーマが反映されるからだ。
この作品の動機はこう。(以下、ネタバレ)
犯人ハントは敬虔なクリスチャン。
子供の頃、想いを寄せていた少女バレリーを事故で失った。
スケートをやっている時、氷が割れ少女は水の中へ。
一命はとりとめたが、昏睡状態で眠り続ける。
ハントは2年間神に祈り続けるが、少女は他界してしまう。
この事がハントの神への怒りとなった。
神への反抗がこの殺人事件を引き起こした。
ハントは言う。
「世の中の残酷さ。これは神の業だ。
神の冷酷さに対峙して私も神の子を殺すんだ。
完ぺきな神の子(敬虔なクリスチャン)を殺すことで、私が神に勝つのだ」
「神の沈黙」に対する怒り。
これが犯行の動機となった。
そして、これが作品のテーマになった。
ラスト、ハントと殺されそうになるクリスチャンのモニカはこんな会話をする。
モニカ「愛は不滅よ。バレリーは神の国で待ってるわ」
ハント「私は母を殺した。神の国には入れない」
(※ハントは敬虔なクリスチャンである母を同じ動機で殺している)
モニカ「神はすべての罪を許すわ」
ハント「私は自分も許せなければ、神も許せないのだ」
モニカ「私はあなたを許すわ」
原題は「TWIST OF FAITH」。
「信仰のゆがみ」とでも訳すのだろうか?
すごく真面目な映画なのだが、邦題が「ボディコレクター」となってしまう所が面白い。
★研究ポイント
動機から推理ドラマを作っていく方法。
動機:「神の沈黙」
その動機から展開される事柄:
1.殺されるのは神父、マリアという名の娼婦、敬虔なクリスチャン。
2.「無敵なら私を滅ぼせ」というキイワード。
3.水の事故で窒息した少女と窒息死させる犯人の犯行。
「推理小説作法」(光文社文庫)の「動機の心理」という文章では動機についてこう書かれている。
「動機というものは元来個性的なものである。殺人ひとつとってみても、同じ欲求を満足させるにも。同じ目的に到達するためにも、他の人間ならばもっと別な行動に出たかもしれない。ところが、犯人になる人物は、どうしても殺さざるを得ない切実な羽目におちいってしまった……その間の個性的な事情が明らかにされねばならない」
このことは今回の犯人ハントにそのまま当てはまる。
少女が水の事故で窒息しなければ、窒息死という犯行はなされなかった。
また、同じ文章ではこうも書かれている。
「動機を解明するための伏線が、トリックの伏線と同様に、作品の冒頭から随所に散りばめられていなければならない」
殺されるのは神父、マリアという名の娼婦、敬虔なクリスチャン、「無敵なら私を滅ぼせ」というキイワード、これら動機を物語る伏線は冒頭から散りばめられている。
被害者は牧師やマリアという名の娼婦など。
犯行の時、偶然残されたテープには「無敵なら私を滅ぼせ」というラテン語の声が録音されていた。
推理ドラマにとって動機は重要な要素である。
その動機に作品のテーマが反映されるからだ。
この作品の動機はこう。(以下、ネタバレ)
犯人ハントは敬虔なクリスチャン。
子供の頃、想いを寄せていた少女バレリーを事故で失った。
スケートをやっている時、氷が割れ少女は水の中へ。
一命はとりとめたが、昏睡状態で眠り続ける。
ハントは2年間神に祈り続けるが、少女は他界してしまう。
この事がハントの神への怒りとなった。
神への反抗がこの殺人事件を引き起こした。
ハントは言う。
「世の中の残酷さ。これは神の業だ。
神の冷酷さに対峙して私も神の子を殺すんだ。
完ぺきな神の子(敬虔なクリスチャン)を殺すことで、私が神に勝つのだ」
「神の沈黙」に対する怒り。
これが犯行の動機となった。
そして、これが作品のテーマになった。
ラスト、ハントと殺されそうになるクリスチャンのモニカはこんな会話をする。
モニカ「愛は不滅よ。バレリーは神の国で待ってるわ」
ハント「私は母を殺した。神の国には入れない」
(※ハントは敬虔なクリスチャンである母を同じ動機で殺している)
モニカ「神はすべての罪を許すわ」
ハント「私は自分も許せなければ、神も許せないのだ」
モニカ「私はあなたを許すわ」
原題は「TWIST OF FAITH」。
「信仰のゆがみ」とでも訳すのだろうか?
すごく真面目な映画なのだが、邦題が「ボディコレクター」となってしまう所が面白い。
★研究ポイント
動機から推理ドラマを作っていく方法。
動機:「神の沈黙」
その動機から展開される事柄:
1.殺されるのは神父、マリアという名の娼婦、敬虔なクリスチャン。
2.「無敵なら私を滅ぼせ」というキイワード。
3.水の事故で窒息した少女と窒息死させる犯人の犯行。
「推理小説作法」(光文社文庫)の「動機の心理」という文章では動機についてこう書かれている。
「動機というものは元来個性的なものである。殺人ひとつとってみても、同じ欲求を満足させるにも。同じ目的に到達するためにも、他の人間ならばもっと別な行動に出たかもしれない。ところが、犯人になる人物は、どうしても殺さざるを得ない切実な羽目におちいってしまった……その間の個性的な事情が明らかにされねばならない」
このことは今回の犯人ハントにそのまま当てはまる。
少女が水の事故で窒息しなければ、窒息死という犯行はなされなかった。
また、同じ文章ではこうも書かれている。
「動機を解明するための伏線が、トリックの伏線と同様に、作品の冒頭から随所に散りばめられていなければならない」
殺されるのは神父、マリアという名の娼婦、敬虔なクリスチャン、「無敵なら私を滅ぼせ」というキイワード、これら動機を物語る伏線は冒頭から散りばめられている。