平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

医龍2 カルテ10

2007年12月14日 | 職業ドラマ
 カルテ10

 最終回を前に各キャラの見せ場を作った。
 松平幸太朗(佐藤二朗)は生体肝移植を行う雄太を見て
「ドナーが見つかるまで雄太君の肝臓は俺が守る」
 小高七海(大塚寧々)は雄太母子のやりとりを見て
「絶対にうまく行く。行かせてみせます」
 外山誠二(高橋一生)は規定違反、医師免許剥奪の状況にもかかわらず、朝田龍太郎(坂口憲二)に「やろう」。
 ひと言のせりふだが重みがある。
 その前段階では子供嫌いだと言いながら雄太とサッカーの話をし、「思いっきり走ったことのない」雄太に感情移入するシーンもある。
 ひと言のせりふということでは藤吉圭介(佐々木蔵之介)もそう。
「総力戦になる。フォロー頼むぞ」と朝田に言われ、「任せとけ」と言って廊下の角を曲がる。

 この様に各キャラの見せ場をちゃんと描けるのは、その前までにキャラがしっかり描けているから。
 例えば、母子のやりとり(自分の肝臓を提供する母親に「ありがとう」と言う雄太。それに対し母親は「お母さん、強いから全然大丈夫」と言う)の後に小高のカットが入る。
 このワンカットだけで、小高の過去を知っている視聴者は小高が何を思ったかがわかる。
 松平が消化器系の外科医であること、荒瀬と小高、麻酔医がふたりいることなどはすべてこの雄太君の手術をやるための設定だった。

 また今回、朝田も見せ場のせりふがあった。
 自分なんか必要ないとくじけそうになる雄太に
「先生は君のお父さんから諦めない心を学んだ。雄太ももう少しがんばってみないか?」
 信念の男・朝田にも患者を前に諦めてしまう時期があったらしい。
 こういう描写があると朝田も人間っぽく見えてくる。

 唯一、見せ場がなかったのはMEの野村博人(中村靖日)。
 手術シーンで「ME」のテロップで1カットあるだけ。
 最近いろいろなCMに出ていらっしゃるのに。

 物語のカセは次のとおり。
1.野口の妨害
2.トラックの横転事故
3.規定違反・医師免許剥奪

 これらを乗り越えて朝田たちは戦っている。
 見せ場や見栄を切るシーンがあることなど、この作品は東映特撮物を見るような感じだ。

※追記
 朝田と鬼頭笙子(夏木マリ)が廊下で鉢合わせするシーンは、ヤクザもの、ヤンキーものを見ているかの様。
 眼飛ばし合って。
 大人なんだからどちらかが道を開けてあげればいいのに。


コメント
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