平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

1989 つづく。で終わる物語

2007年12月27日 | バラエティ・報道
 1989年
 昭和から平成になった年。
 美空ひばり、松下幸之助が亡くなった年。

 番組中、出演者の鳥越俊太郎さんは次のようなことを言っている。
「昭和は明日への希望が持てた時期。汗して働けば報いられ、豊かさという幸せが実現できた時間」
 確かに現在は豊かさは実現され、次にどんな幸せを実現したらいいのかわからない時代になっている気がする。
 三種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)、新三種の神器(車、クーラー、カラーテレビ)が豊かさの目標になっていたのは昭和。

 平成になった90年代。企業や人々が何を買ったかというと、土地や株。
 土地や株は豊かさを実感出来るモノではない。お金と言っていい。
 そしてお金を得て、次に何をするかという視点がない。
 その象徴がホリエモン。
 彼は政治や宇宙事業みたいなことを言っていたが、結局は売名行為やお金儲けとしてしか思えなかった。
 「お金で買えないものはない」、人の心も買えると彼は言ったが、果たして人々は彼に心服しているか?
 番組では松下幸之助が描かれたが、松下さんと比べてみればいい。
 松下幸之助には理念、理想がある。
 家電製品が安価で多く普及することで人々は豊かになり、幸せになれる。
 人間の幸せの実現のために企業がある。
 だから社員は終身雇用。松下政経塾の設置。
 自社の欠陥商品に対する対応。
 人にはお金や物の先にある「理念」「理想」が必要なのだ。
 美輪明宏さんが番組中に言っていたように「文化」が必要なのだ。

 もうひとつ美輪さんの言葉。
「正負の法則。何かを得れば何かを失う」
 確かにひとり一台のテレビが得られて家族の団らんはなくなった。
 近所の人たちが集まって力道山を見る時代などはるか彼方。
 映画「三丁目の夕日」のヒットはそんな時代への憧れだろうが、もはやそんな時代には戻れないのだから、現状の中で何が「生きる希望」で「幸せ」なのかを模索すべきであろう。
 「井上陽水スペシャルTV」(TBS)で、陽水さんは「パワーダウン」、「(進歩を)止めよう」と言っていたが。
 なるほど、このまま進んでいったら地球はますます破壊され、人はどんどん孤独になっていく気がするが。

 こうして総括されつつある昭和の時代。
 平成の時代が総括されるのはずっとあとになってからだろうが、今こそ歴史や松下さんの様な過去の人物に学ぶべき時であるような気がする。

※追記
 番組では今年のヒット商品が紹介された。
 今年のヒット商品はWii、ビリーズブートキャンプ……。
 かつての三種の神器に比べると一過性で生活に密着したものでない。
 豊かさを実現した今、かつての様な三種の神器は現れないだろう。


コメント
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