平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

オトコの子育て その3

2007年12月15日 | ホームドラマ
 最終話

★そばにいるだけでいいんだよ。
 自然体という言葉が篤(高橋克典)にはふさわしい。
 悪く言えばちゃらんぽらん。
 6年前、家を出ていった理由とは「パチンコで擦ってクリスマスプレゼントを買うお金がなくなったから」。パチンコをしたのはお金を増やして子供たちに少しでもいいものを買ってあげようと思ったからだが。
 今回、家に帰らなかったのは「帰って来たらとっちめてやる」という言葉を聞いたから。篤は家に帰るために6年前子供たちの欲しがっていたプレゼントを買うが、凛子が何を欲しがっていたか思い出せない。
 何とも情けない。
 嫌なものから逃げる。
 どうしようもないダメ親父だ。
 でも、そんな親父でも子供たちには必要だったのだ。
 次男と次女は篤のためにクリスマスプレゼントを買い、長女の凛子は自分が6年前に書いた絵日記を見てかつての自分の気持ちを思い出す。
 その日記には……。
 どんなダメ親父でもそばにいるだけでいいのだ。
 ダメならダメで子供たちは何とかする。凛子の様に。

 また立派な父親とは何だろうとも考えてしまう。
 隣の父親・正樹(尾美としのり)。
 確かに完璧で自分や家族を管理できているが……。
 でもそんな正樹の様な父親でも子供の竜也(熊谷知博)には必要らしい。
 眼鏡拭きのクリスマスプレゼントを渡す。
 クリスマスを否定していた正樹だが、「たまにはいいんじゃないか」と照れくさそう。
 ここにも心通い合う家族が……。

★肩の力を抜いて
 篤というキャラは肩の力が抜けたキャラだ。
 隣の父親・正樹は肩に力が入っている。
 他のドラマで言えば、金八先生も肩に力が入っている。
 お金のことを説明するのにこんなことを話していた。
 お金を持っていたらスポーツカーを買いたいという生徒に
「スポーツカーを欲しい理由はスポーツカーを『すごい』『かっこいい』と言ってくれる友だちが欲しかったからじゃないのか」と問う。
 ハーレムが欲しいという生徒には「結局は愛情がほしいからではないのか」と問う。
 授業だから仕方がないが、大げさな説明だ。
 一方、篤。
 そんな説明をしなくても、誰かがそばにいることが、『すごい』『かっこいい』と言ってくれる誰かがいることが大切なことだと教えてくれている。

 篤と金八先生、方法論が違っても結論は同じなのだ。(もっとも篤の場合はそのことを教えようとはしていないが)
 ドラマが葛藤である以上、肩の力の抜けたキャラを描くのは難しいが、今後、篤の様なキャラをもっと見てみたい。

※追記
 凛子役の子役、夏居瑠奈さん、絵日記のシーンでは本気で泣いていた。
 こういう作り物でないリアルを見たい。
 一方、正樹役の尾美としのりさん、洋介(小泉孝太郎)に反論された時のコケ方は見事。
 これは芸の技。

※追記
 「あなたっていう人は!?」
 このせりふは「結婚できない男」でも使われていたせりふ。
 尾崎将也ワールドには女性に呆れられる男たちが出てくる。


コメント
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