「思えば私は年上のおなごが好きなようじゃ」
「……」
「そなたを、という意味じゃ」
「もう一度言って下さいませ」
「言えるか」
秀忠(向井理)と江(上野樹里)のやりとり。
何と甘く、少女漫画のような。
人間同士の葛藤が少ないのが、この作品の特徴。
秀忠遅参に関する家康(北大路欣也)の対応もあっさり。
家康は物わかりのいい父親でしかない。今までの父と子の葛藤はどこにいったのか?
遅参した秀忠の苦悩に関してもあっさり。
「たくさんの兵を死なせて苦しめた。ならばいくさなどまっぴらじゃ!」と秀忠に叫ばせたのはいいが、次のシーンでは三成(萩原聖人)との話になり、江戸に帰ってからは、なつの子供の話になっている。
秀忠が本当に苦しんでいるのならば、もっと深く描き込むべきなのでは?と思ってしまう。
なつとのことでも江は「私は心が狭いのだろうか」と寝込むほど悩んでいたのに、最後のシーンでは「わびるのはこちらの方じゃ」となつを許している。ここへ至る江の葛藤がまったく描かれていない。
あっさり薄味のこの作品。
三成も、家康への<憎しみ>とか、自分の人望のなさへの<無力感><孤独>とか、淀や豊臣家への<愛>とかが渦巻いて、描き込めば相当深く面白くなるはずなのだが、うわべだけ。
うわべの気持ちをせりふだけで描いたダイジェスト。
「江」はあっさり薄味、おまけにコクもない。
それに歯ごたえもない。
おそらく作家のエネルギーが枯渇してしまったのであろう。
たまには脂ぎった肉を食べたい。
「……」
「そなたを、という意味じゃ」
「もう一度言って下さいませ」
「言えるか」
秀忠(向井理)と江(上野樹里)のやりとり。
何と甘く、少女漫画のような。
人間同士の葛藤が少ないのが、この作品の特徴。
秀忠遅参に関する家康(北大路欣也)の対応もあっさり。
家康は物わかりのいい父親でしかない。今までの父と子の葛藤はどこにいったのか?
遅参した秀忠の苦悩に関してもあっさり。
「たくさんの兵を死なせて苦しめた。ならばいくさなどまっぴらじゃ!」と秀忠に叫ばせたのはいいが、次のシーンでは三成(萩原聖人)との話になり、江戸に帰ってからは、なつの子供の話になっている。
秀忠が本当に苦しんでいるのならば、もっと深く描き込むべきなのでは?と思ってしまう。
なつとのことでも江は「私は心が狭いのだろうか」と寝込むほど悩んでいたのに、最後のシーンでは「わびるのはこちらの方じゃ」となつを許している。ここへ至る江の葛藤がまったく描かれていない。
あっさり薄味のこの作品。
三成も、家康への<憎しみ>とか、自分の人望のなさへの<無力感><孤独>とか、淀や豊臣家への<愛>とかが渦巻いて、描き込めば相当深く面白くなるはずなのだが、うわべだけ。
うわべの気持ちをせりふだけで描いたダイジェスト。
「江」はあっさり薄味、おまけにコクもない。
それに歯ごたえもない。
おそらく作家のエネルギーが枯渇してしまったのであろう。
たまには脂ぎった肉を食べたい。