平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

八重の桜 第7回「将軍の首」~そった事あるはずがねえ。会津が憎まれるなんて

2013年02月18日 | 大河ドラマ・時代劇
「言路洞開」……相手の話をよく聞き、誠を尽くして説き聞かすこと。
 この時代にも、こういう言葉があったんですね。
 おそらく漢語だろうから、中国人も理解する言葉だろう。
 現在、日中の火種になっている<尖閣問題>。
「言路洞開」というキーワードで、両者よく話し合ってもらいたいもの。
 決して、武力で解決してほしくない。
 暴力には暴力しか生みませんからね。
 やられたらやり返すで、暴力や憎しみの連鎖が果てしなく続く。
 しかし、容保(綾野剛)は「言路洞開」ではなく、「武力」「暴力」の道を選んでしまった。
 当時の情勢からは仕方のない判断だったのかもしれないが、松陰(小栗旬)、覚馬(西島秀俊)の「誠を尽くして動かぬものはない」とはかけ離れた選択。
 せめて現代人のわれわれは、この選択の結果、会津が陥った歴史の悲劇から学びたい。
 今回、「言路洞開」という言葉を作家さんは持ち出してきたが、ここにはそんな作家さんのメッセージがあるように思える。

「尊皇攘夷」という言葉も面白い。
 ラスト容保は「尊皇攘夷は幕府を倒す口実」と理解したが、このように言葉の背後には、それが意味すること以外の思惑があるんですね。
 たとえば現代で言えば、「原発がなくなれば日本経済は失速する」。
 これって本当かな? 「原発を維持するための口実」ではないのかな?

 日本に新たな開国を迫るTPP問題は、幕末の状況と似ている。
 斬り合いこそしていないが、賛成派・反対派で争っている。
 こう考えると、『歴史は繰り返す』で、人間はあまり進歩していないんですね。

 八重(綾瀬はるか)の言葉も興味深い。
「会津が憎まれる? 幕府のお指図で朝廷さお守りしているのに。はるばる都まで行って働いておられるのに。そった事あるはずがねえ。会津が憎まれるなんて」
 八重の言葉は<素朴>で、ある意味<正論>である。
 しかし、現実の政治の世界では、正論は正論でなくなってしまうし、立場が違えば、正しい行動が憎むべき悪になってしまう。
 こう見ていくと、現実ってメチャクチャで、現実に生きることって大変ですね。
 今後、<素朴>な八重は、こんな<政治の力学>と、どのように折り合いをつけていくんだろう?


コメント (2)
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