平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

相棒11 「シンデレラの靴」~あの失敗があったから今があるんだと思おう。とりあえず走り出してみたら?

2013年02月21日 | 推理・サスペンスドラマ
 今回はふたつのアリバイくずし。
 ひとつめは、元マラソン選手・桂馬麗子(中山忍)。
 彼女は代々木のジムから氷川神社まで本当にランニングしていたのか?
 監督・高木富雄(国枝量平)の所に行って殺害をしていたのではないか?
 走る享(成宮寛貴)。
 坂や工事現場があり、いくら麗子でも1時間で帰って来ることは無理。
 これでアリバイがくずれた。

 しかし、このアリバイ崩しは徒労に終わった。
 麗子は足を捻挫していたのだ。
 彼女は走れない。
 ということは監督・高木の所に行って殺害することは不可能。
 事件は振り出しに戻る。

 右京(水谷豊)はふたつめのアリバイ崩しを行い、真犯人を暴く。
 その真相究明のためのポイントは
・動機
・メール自動送信サービス
・共犯者の偽装工作
 だ。

 アリバイ作りとしては<メール自動送信サービス>は安易かな?
 享を走らせてアリバイを崩すというのもイマイチ。
 今回の作家さんは、アリバイ工作のトリックというよりは<動機>の方を重要視したようだ。
 その動機とは、<走ることを妨げる存在>=監督・高木を許せないという思い。
 麗子にとっても真犯人にとっても、<走ること>は自分のアイデンティティ、存在理由だった。
 だからそれを<奪われること>は何よりもつらいこと。
 かつて高木は麗子たちから走ることを奪ったが、同じことを上星高校の陸上選手・南条遥(川本まゆ)にもしようとしている。
 だから殺した。

 当たり前のことですが、他人の大事なもの(今回の場合は「走ること」)を奪ってはいけないですよね。
 直接的には描かれていなかったが、ヤクザともつき合いのあった高木はドーピング血液などをネタに、金品や体の要求など、もっとあくどいことをしてそう。
 いずれにしても、ありがちな俗っぽい小悪党ですけどね。
 高木が<小悪党>であることが、今回の作品を薄っぺらいものにしている。

 オチの「タスキは渡された」も、あまりキレがないように思うのですが、どうでしょう?
 サブタイトルがせっかく『シンデレラの靴』なのですから、もう少しシンデレラに掛けてもよかったような気がします。



コメント (8)
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