平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

軍師官兵衛 第21回「松寿丸の命」~されど! 殿が裏切るはずがございませぬ! 何故に松寿丸を!?

2014年05月26日 | 大河ドラマ・時代劇
 光(中谷美紀)は語り、叫ぶ。
「これも武家に生まれた者の定め、いた仕方ございませぬ。
 されど!
 殿が裏切るはずがございませぬ!
 それなのに何故に!? 何故に松寿丸を!?」
 光の複雑な心情を語った名ぜりふだ。
 おそらく後半が本音だろう。

 人は自分の大切なものを守るために生きている。
 光の場合は、子供と夫。
 ラストシーン、光が夫のために祈る仏壇の傍らには、おね(黒木瞳)から贈られた松の扇。

 ところが織田信長(江口洋介)の場合はすこし違う。
 天下布武。
 この大義のためなら個人が犠牲になっても仕方がないと考えている。
 これが権力者の考え方だ。

 もちろん群雄割拠の無秩序状態は民に不幸をもたらすので秩序回復は必要なのだが、この<無秩序>や<不幸>のほとんどは権力者がつくりだしている。
 今回の村重の謀叛だって信長の強権がなければ起きなかったことかもしれない。
 現代の安倍首相だって「国民の生命と財産を守る」といかにも正しそうなことを言っているけど、近隣との摩擦をつくっているのは彼自身だし、少しも外交努力をしていない。
 まあ、同じことは中国の指導者にも言えるのだが、ともかくいつの時代も権力者というのはどうしようもない。
 国益、大義と称する自分の思いのために争いを起こし、結局、いつもひどい目に遭うのは名もなき庶民だ。
 権力者はぜいたくな暮らしをして高見の見物。
 官兵衛(岡田准一)は地下牢の中で嘆き苦しんでいるのに、信長は安土城の高い所からワインを飲みながら残酷な命令を出している。

 半兵衛(谷原章介)はイケメンですね。
 松寿丸のことを秀吉(竹中直人)にも迷惑がかからず、官兵衛にも救いになるような方法で収めている。
 それは自らの責任を伴うものなのだが、死期が迫っている半兵衛にしてみれば何でもない。

 松寿丸の無事を伝えるおねの方法も工夫が凝らされていた。
 職隆(柴田恭兵)の説明は少しこじつけっぽかったのですが、これが凡庸な脚本家なら、何の工夫もなく、生存のこと書いた手紙を直接送ったりするんでしょうね。

コメント (4)
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