平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第9回~直盛の「いつか、もし…」の答えは、辻が花の着物を着せることだった

2017年03月06日 | 大河ドラマ・時代劇
「殿、お働き、まことご苦労様でございました。
 おひげを整えましょうね」

 今回は千賀(財前直見)の回だった。
 夫・直盛(杉本哲太)を亡くしても悲しみに暮れず、亡くなった家臣たちの妻を気遣い、手紙をおくる。
 立派な武家の妻だ。
 もしかしたら手紙を書くことで悲しみを紛らわそうとしていたのかもしれない。

 次郎法師(柴咲コウ)に対しても、気遣いを忘れない。
 手紙で、次郎の資質が父・直盛譲りのものであることを語る。
 直盛のやさしさや井伊家を思う気持ちはしっかり次郎に受け継がれているのだ。

 そして、ここで千賀が伝えたかったのは、次郎が<直盛の娘>であること。
 <次郎法師>と<おとわ>。
 <次郎法師>として、おとわは気丈にふるまっていた。
 一方、千賀としては、次郎がしばし直盛の娘<おとわ>に戻ってもいいではないかと思っていた。
 だから、手紙の宛名は〝とわ様〟。
 手紙の内容は、直盛の娘を思う気持ちだった。
〝村で働く娘を見つめる直盛〟
〝月を見て、おとわは月のように美しいと語る直盛〟
 そして、直盛が言いかけた「いつか、もし……」の答え。
 直盛の願いは、いつか次郎を還俗させて〝辻が花の着物〟を着せることだった。

 

 この手紙を読んで、次郎は<おとわ>に戻り、父親の死を心から悲しむことができた。

 一方、何かを失えば何かを得るのも世の常である。
 千賀は、直盛を失ったが、しの(貫地谷しおり)に子ができて井伊家の世継ぎを得た。
 それは千賀にとって、〝希望〟〝救い〟であっただろう。
 雨の日は永遠に続かない。いつか晴れる日がやって来る。
 ……………………

 最後は政次(高橋一生)。
 人の世は、誤解や行き違いがいっぱいで、偶然も左右して、人生は大きく狂い出す。
 たったひとつのボタンの掛け違えや歯車の狂いが運命を大きく変える。
 このあたりはシェイクスピアの『ハムレット』っぽいな。
 奥山朝利(でんでん)を殺してしまった政次が真っ先に来たのが、次郎の所っていうのもね……。
 政次の心の拠り所は、おとわだったのだろう。
 こういう高橋一生さんに女性はキュンと来るんだろうなぁ。

コメント (4)
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