心を閉じて、しゃべることをやめた成瀬順(CV 水瀬いのり)は声を振り絞って叫ぶ。
「いい加減にしろ! 消えろとかそんな簡単にいうな! 言葉は傷つけるんだから、絶対にもう取り戻せないんだから!」
言葉は傷つけるんですね、自分もまわりも。
そして世界を壊してしまう。
だから、順は〝タマゴの呪いに掛けられた〟と理由をつくってしゃべるのをやめた。
でも、順の心の中には、しゃべりたいことがいっぱいあった。
その中のひとつが先程のせりふ。
そんな順を解放したのが、坂上拓実(CV 内村昴輝)だった。
拓実は言う、
「歌だったらしゃべれるんじゃない?」
だから、ミュージカルをやるか否かを決めるホームルームで、田崎大樹(CV 細川佳正)と拓実が言い合いになる時、突然歌い出す。
♪ わた~しはーやれーるよー。不安はーあるけど~、きっと ♪
順が「口の出したら終わってしまう」とメールで語った時は、
「口に出して言わないとわからない」
拓実と仁藤菜月(雨宮天)が縒りを戻し、順が失恋し、ふたたび心を閉ざしてしまった時は、
「傷ついていいから、お前の本当の言葉を聞きたいんだ!」
すると、順の口から次から次へと出てくる拓実と菜月への悪口(笑)
「思わせぶり」「いい格好しい」「あの女はウソつき」「いい子ぶりっこ」(笑)
順~、こんなことを考えていたのか~~(笑)
でも、こうやって毒を吐くのも大事だよね。
そうしないと、自分の中で、どんどん毒がまわってしまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/df/4c4210d937cc03c211acbdf6794d5b43.jpg)
言葉は人を傷つける。
耳を傾けてみれば、周囲には、人を傷つける言葉でいっぱいだ。
自分が何かを言ったら傷つく言葉も返ってくる。
だから言葉を封印し、周囲をシャットアウトするのは自分を守るひとつの方法。
だが一方で、言葉は人を救うこともある。
順にとっては拓実の言葉がそうだった。
拓実も順の言葉によって救われていた。
「わたしのお陰? (わたしの)せいじゃない?」
「お前の言葉で、うれしくなったから」
心の中の言葉をすべて吐き出した時、順が見た世界とは?
それは、とてもやさしくて美しい世界だったのだと思う。
さあ、自分の心の中を語ってみよう。
傷つくこともあるかもしれないが、理解してくれる人もきっと現われる。
やさしい映画だった。
ラストのミュージカルの大団円。
ベートーヴェンのピアノソナタ『悲愴』とミュージカル映画『オズの魔法使い』の『Over The Rainbow』という正反対のものが、こんなに合うとは思わなかった。
「いい加減にしろ! 消えろとかそんな簡単にいうな! 言葉は傷つけるんだから、絶対にもう取り戻せないんだから!」
言葉は傷つけるんですね、自分もまわりも。
そして世界を壊してしまう。
だから、順は〝タマゴの呪いに掛けられた〟と理由をつくってしゃべるのをやめた。
でも、順の心の中には、しゃべりたいことがいっぱいあった。
その中のひとつが先程のせりふ。
そんな順を解放したのが、坂上拓実(CV 内村昴輝)だった。
拓実は言う、
「歌だったらしゃべれるんじゃない?」
だから、ミュージカルをやるか否かを決めるホームルームで、田崎大樹(CV 細川佳正)と拓実が言い合いになる時、突然歌い出す。
♪ わた~しはーやれーるよー。不安はーあるけど~、きっと ♪
順が「口の出したら終わってしまう」とメールで語った時は、
「口に出して言わないとわからない」
拓実と仁藤菜月(雨宮天)が縒りを戻し、順が失恋し、ふたたび心を閉ざしてしまった時は、
「傷ついていいから、お前の本当の言葉を聞きたいんだ!」
すると、順の口から次から次へと出てくる拓実と菜月への悪口(笑)
「思わせぶり」「いい格好しい」「あの女はウソつき」「いい子ぶりっこ」(笑)
順~、こんなことを考えていたのか~~(笑)
でも、こうやって毒を吐くのも大事だよね。
そうしないと、自分の中で、どんどん毒がまわってしまう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/df/4c4210d937cc03c211acbdf6794d5b43.jpg)
言葉は人を傷つける。
耳を傾けてみれば、周囲には、人を傷つける言葉でいっぱいだ。
自分が何かを言ったら傷つく言葉も返ってくる。
だから言葉を封印し、周囲をシャットアウトするのは自分を守るひとつの方法。
だが一方で、言葉は人を救うこともある。
順にとっては拓実の言葉がそうだった。
拓実も順の言葉によって救われていた。
「わたしのお陰? (わたしの)せいじゃない?」
「お前の言葉で、うれしくなったから」
心の中の言葉をすべて吐き出した時、順が見た世界とは?
それは、とてもやさしくて美しい世界だったのだと思う。
さあ、自分の心の中を語ってみよう。
傷つくこともあるかもしれないが、理解してくれる人もきっと現われる。
やさしい映画だった。
ラストのミュージカルの大団円。
ベートーヴェンのピアノソナタ『悲愴』とミュージカル映画『オズの魔法使い』の『Over The Rainbow』という正反対のものが、こんなに合うとは思わなかった。