平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第10話 「篤姫はどこへ」~俺は将軍になどならぬ。いろいろ動かれて迷惑しているとそう伝えておけ

2018年03月12日 | 大河ドラマ・時代劇
 相変わらず絶妙な語り口。
 わかりやすいストーリーテリング。

 一橋慶喜(松田翔太)は吉之助(鈴木亮平)言う。
「俺は将軍になどならぬ。いろいろ動かれて迷惑しているとそう伝えておけ」

 このせりふで慶喜の考えや立場が視聴者に伝わった。
 そうか~、慶喜は将軍になりたくないのか~。15代将軍になるのは嫌々、仕方なくなんだな。
 ということがわかる。
 おまけに、吉之助に慶喜かと問われて、
「ああ。一橋慶喜だ。こんないい男が世の中に2人もいるわけなかろう」
 そうか~、慶喜はこういうことを言う人なのか~(笑)
 キャラが立ちましたね。

 橋本左内(風間俊介)も視聴者に現在の状況を教えてくれた。
・斉彬(渡辺謙)が福井の松平慶永らと共に次の将軍として慶喜を推していること。
・幕府改革をおこない、「衆議一致」の政治体制をつくろうとしていること。
・海外列強の危機が迫っていて時間がないこと。
 この方がナレーションで語られるより、幕末の複雑な政治情勢がすんなり頭に入ってくる。
 一方、このやりとりで、吉之助が斉彬から何も聞かされておらず、政治的に真っ白であることが判明!
 左内は話しすぎたことにあせって、
「今した話はすべて僕の妄想ゆえ忘れてくれ」(笑)

 慶喜の時もそうだったが、話に何らかのオチがついているので、説明シーン(=お勉強タイム)が面白く見られる。
 吉之助の〝お庭番〟という役割が作劇で上手く機能している。
 それにしても吉之助、まっ白すぎ!
 完全な薩摩の素朴な田舎侍。
 でも、そんな吉之助がどんなふうに成長していくかは楽しみでもある。

 篤姫(北川景子)パートでも説明がおこなわれた。
・斉彬が幕府の政治機構の中では外様で末席であること。
・篤姫の将軍・家定(又吉直樹)への輿入れは、斉彬の幕府での発言力を強めるためであること。
・将軍・家定のこと。
 これが篤姫、吉之助、幾島(南野陽子)の3人コントの中で語られるから、これまた面白く見られる。
「もす、もす、もす」(笑)
 これで幾島のキャラがしっかり描かれた。
 篤姫と西郷の関係もいい。
 西郷にとって幸せな時は何か? と尋ねる篤姫。
 篤姫はものすごく不安なのだろうが、西郷の存在が心の支えになっている。
「洪福」という言葉は初めて知ったが、「大きな幸せ」を意味する中国語らしい。

 というわけで、
 様々な人物が登場し、主人公に絡んできて、大河ドラマとして盛り上がって来ました。
『真田丸』の秀吉と信繁の関係もそうだったが、主人公が主君に近い立場にいるというのは物語をスムーズに語る上で有効ですね。
 主人公が見聞きしたことが、そのまま歴史になる。

コメント (4)
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