平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第11回 「斉彬暗殺」~わしがなぜお前をそばに置くかわかるか?  わしもお前と同じ大馬鹿者だからだ

2018年03月19日 | 大河ドラマ・時代劇
 斉彬(渡辺謙)、松平慶永(津田寛治)、徳川斉昭(伊武雅刀)の密談。
 一橋派と南紀派の対立。
 吉之助(鈴木亮平)は〝ドロドロした権力闘争〟〝政治の世界〟を目撃しているんですね。

 そんなドロドロした世界に背を向ける者がいる。
「俺は将軍になどなりたくない! そう申したはずじゃぞ!」
 一橋慶喜(松田翔太)だ。

 慶喜はさらに「ここにはまともな父親がいないようじゃ」と斉彬らを批判。
 特に斉彬には痛烈で、
「幼子が死んだのにめでたいと盃を交わす」
「篤姫という娘の行く末も考えていない」
 そして、品川に飲み直しに行く。

 慶喜、かっけー! 粋だね!
 権力を求めて暗躍している大人たちを完全否定し、自らは権力を求めない。
 篤姫(北川景子)や亡くなった虎寿丸に思いを馳せるあたり人間味もある。
 でも、井伊直弼(佐野史郎)の間者と刃物沙汰になると、ヘタレで逃げまわる(笑)

 慶喜、いいキャラになっていますね。
 こんな慶喜、未だかつて見たことない。
 慶喜でスピンオフドラマを創ればいいのに。

 吉之助はさらに政治の世界を目撃する。
 斉彬の暗殺未遂だ。
 斉彬の食事にヒ素を盛られていた。

 まっすぐな吉之助は犯人を斉興(鹿賀丈史)とお由羅(小柳ルミ子)と考え、乗り込むが、逆に返り討ち。
 斉興たち以外にも斉彬を憎む者がいることを識らされる。
 ドロドロとした政治の世界。
 そして、簡単に手玉に取られる吉之助には〝駆け引き〟や〝したたかさ〟の欠片もない。
 吉之助は政治の世界に入ってはいけない人間なんですよね。
 入れば、絶対、苦労する。
 篤姫や虎寿丸のことを考えてしまうという点で、慶喜と同じタイプの人間でもあるようだ。

 しかし、そんな吉之助を斉彬は評価している。

「わしがなぜお前をそばに置くかわかるか?
 わしもお前と同じ大馬鹿者だからだ。
 民のために命を捨てられる。
 そうだろう?
 民のための国を。そんな国をつくりたい」

 民のために命を捨てられる大馬鹿者という点で、斉彬は吉之助を買っているのだ。
 だが、今の吉之助には政治家として欠けているものがたくさんある。
・非情さ
・大局を見る目
・腹芸
・駆け引き
・したたかさ

 吉之助は、篤姫の不幸を考えてしまうという点で非情さに欠けているし、すぐに斉興の所に突っ走ってしまうという点で、まだまだ直情的である。
 そんな吉之助に対して、斉彬は
「つまらん! つまらん! つまらん!」

 斉彬の政治学校で、吉之助は変わることができるのか?
 まあ、人間の根っこはそんなに変わらないものだと思うけど。
 吉之助は、最後まで〝やさしさ〟や〝まっすぐさ〟を捨てられずに生きるのだろう。

コメント (4)
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