平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第14回 「慶喜の本気」~今の幕府で本当にこの国を守れると思っているのか!? 俺がこの国の将軍になってやろう

2018年04月16日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は物語が大きく展開しましたね。
・将軍・家定(又吉直樹)の決断。
・一橋慶喜(松田翔太)の決断。
 決断の理由に関しては行間を読まなくてはならないんですけど、僕はこのくらいのテンポが好きです。
 ………………

 家定の決断のキイワードは〝息災〟だった。
 篤姫(北川景子)から「慶喜が将軍になると民が〝無事息災〟になる」と言われると、家定は反応した。
「無事息災か」
「姫もずっと息災でいられるということか?」

 家定はやさしいなぁ。
 子供のようであるけれど、心の底から篤姫を愛している。
 それが滲み出た言葉。

 篤姫といっしょにいられる喜びの言葉はこんなせりふにも。
「御台が笑うと嬉しく思う」
「いく久しく友好を得たいものじゃ」

 大人と子供が同居している家定。
 彼の中には〝政治〟や〝難しい国際情勢〟などはない。
 あるのは篤姫が〝息災〟であることだ。
 家定は別の論理で物事を考え、行動している。
 ………………

 一方、慶喜。
 一橋派と南紀派の権力闘争に巻き込まれ、えらい迷惑。
 慶喜は厄介なことを背負いたくなく〝ひーさま〟として普通に暮らしたいのだ。
 だから「ここではひーさまと呼べ」

 吉之助(鈴木亮平)から、「この国を守れるのはあなた様しかしない」と言われると、
「この志のないどうしようもない男が国を守れると思うのか?」

 今作の慶喜はなかなか魅力的な人物ですね。
〝志〟とか〝国を守る〟とか、吉田松陰を始めとする幕末の志士たちはどうも暑苦しい。
〝志〟は内戦を生み、〝国を守る〟は他国との戦争を生む。

 刺客に襲われたときの慶喜のせりふは、
「だから俺は天下国家に関わりたくないと言ってるんだ!」
 何とも人間的な慶喜様!
 こんなふうに弱さも吐露できる所、僕は好きですよ。

 それと、
 権力闘争から距離を置いているという点で、慶喜と家定は実は同じなんですね。
 ………………

 さて、そんな慶喜の背中を押したのは、吉之助の熱い思いだった。
 自分のためにやりたくもない人殺しをし、それでも思いをぶつけてくる吉之助に慶喜は心を動かされた。

 刺客や権謀術数を使い、徳川家を私物化している井伊直弼(佐野史郎)にも嫌気がさしたのかもしれない。
 だから「次期将軍を慶福に譲ってくれたら紀州を差し上げる」と提案してきた井伊直弼にこのせりふ。

「どうしてお前が紀州に行けと言える? つけあがるな!
 お前の言葉には命がない。
 今の幕府で本当にこの国を守れると思っているのか!? この大馬鹿者!
 俺がこの国の将軍になってやろう」

 決まったね。
 カッケー、慶喜!

 一方、慶喜のこの心変わりについては、勢いで何となく納得させられてしまった感じもある。
 人間、そう簡単に180度変われるものではないと思うから。
 聡明な人なので、国の危機という問題意識は持っていたんでしょうけどね。
 次回、さらに何らかの描写がなされるのだろうか?

コメント (4)
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