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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第16回 「斉彬の遺言」~生きて殿の思いを果たそうと思いもす。ありがとうございました!

2018年04月30日 | 大河ドラマ・時代劇
 吉之助(鈴木亮平)は戦っている。
 斉彬(渡辺謙)の死で、皆が嘆きあきらめる中、ひとり次の策を考えている。
 次の策とは〝水戸の挙兵〟だ。

 成長したね、西郷どん。
 以前なら、斉彬が毒殺されたと疑って、犯人捜しに向かっていた。
 ところが今は天下国家のこと。
 皆が落胆する中、あきらめないのも主人公の資質。

 それと、今回も走りまくりましたね。
 水戸の挙兵をうながすために京から江戸。
 月照(尾上菊之助)を背負って大坂から薩摩。
 大河ドラマで、これだけ走りまわった主人公はいない。

 ところが、これだけがんばってきた吉之助もついに心が折れた。
 安政の大獄。
 迫る追っ手。
「おいは殿のもとに参りとうございます」
 と自決を考える。

 でも、殿が現れて、
「生きて殿の思いを果たそうと思いもす!
 ありがとうございました!」

 これで吉之助のアイデンティティが確立されましたね。
 すべては斉彬の思いを実現するため。

 その前には月照もこんなことを言っていた。
「薩摩守様のご遺志はどなたが継ぐのですか?
 今、死んでしまったら、そのお考えは死んでしまうのです。
 生きて、あなたが薩摩守様になりなされ」

「生物は自分のDNAを残すために生きている」って生物学者の人が言っていたけど、人の言葉や思想もDNAのひとつ。
 たとえば〝人権〟や〝民主主義〟って言葉がなくなったら、それらは社会から失われてしまう。
 学校で〝教育勅語〟を唱えるようになれば、そのDNAが植えつけられる。
 橋本左内(風間俊介)の「病んだこの国の医者になりたい」って言葉も吉之助に受け継がれたことだろう。
 ………………

 一橋慶喜(松田翔太)は都会のお坊ちゃんですね。

「我ながらバカなことをした。
 だが、これであきらめがついた。俺ができることはこれまでじゃ」
 とあっさり白旗。

 いっしょに逃げると言ってくれた品川宿・磯田屋のふき(高梨臨)には、
「おいおい、ちょっと待ってくれ。俺は地獄行きだぜ」

 言ってることはカッコいいけど、慶喜って実はヘタレなんだよなぁ(笑)
 でも僕はこういう人、嫌いじゃない。
 ………………

 井伊直弼(佐野史郎)は「恐れ入りたてまつります」

 世の中には、何度も繰り返して言えば言い逃れができる便利な言葉がある。
 現在で言えば、
「記憶にございません」
「訴追の恐れがあるので答弁を控えさせていただきます」
「すべての責任は行政府の長である私にある」←安倍ちゃん
「真摯に受けとめ、説明責任を果たしていきたい」←安倍ちゃん
「まったく問題ないと思いますよ」「その指摘はまったくあたらない」「個別の事案について答えることは控えたい」←官房長官のガースー

 いつの時代も政治家は同じだね。
 批判・反対勢力をつぶそうとするのも歴史の常で、今回の〝安政の大獄〟が良い例。
 現在はかろうじて言論の自由や人権や法律があるから何とかなっているが、権力者は常に反対者をつぶしたい誘惑に駆られている。

 というわけで、
 斉彬や吉之助の勢力は今回押し戻されました。
 しかし、押し戻されれば押し返すのも歴史の常で、幕末はこの歴史のダイナミズムがあるから面白い。

コメント (4)
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