怒濤の展開でしたね。
・将軍・家定(又吉直樹)の死。
・井伊直弼(佐野史郎)の事実上のクーデター。
・斉彬(渡辺謙)の挫折。
・考える吉之助(鈴木亮平)&提言。
「殿、兵を挙げてたもんせ。向かうは江戸でなく京。
天子様のお膝元で馬揃えし、われらの決意を示すとです」
斉彬はこれを受けて、
「西郷、よう言った。
まさか、あのやっせんぼに言われて腹が決まるとな」
「泣くな。西郷、京で会おう」
「西郷、今からお前はわしになれ」
そして、
・斉彬の死。
前半を締めくくるエピソードとして起伏に富んだ最高の盛り上がり!
………………
ストーリーテリングが相変わらず上手い。
史実(=物語)を単に描くだけでなく、さまざまな工夫をしている。
★「秋に食べよう」と篤姫(北川景子)に言って描いた家定の〝柿の絵〟。
家定は生死をさまよう中でも、これにこだわり柿の絵を描いた。
しかし、これを井伊直弼に利用されてしまう。
後日、遺書として渡された〝柿の絵〟で篤姫は家定の想いを知る。
〝柿の絵〟が小道具として上手く機能しているのはもちろんだが、夫婦の愛情話を政治の権力争いとも絡めていて実に巧み。
★井伊直弼による〝言葉の言い換え〟や〝文書の書き換え〟は、おそらく現在の政治スキャンダルを意識している?
井伊直弼は家定の「頼んだぞ、掃部頭」という言葉を「自分に幕府の全権を任せる」ことに変えてしまった(家定の意思は「柿の絵を御台に渡してほしい」ということだったのに)。
帝の勅書から「長子」を省いたのも文書の改ざんだよなあ。
★江戸と京の政変を知って吉之助は薩摩まで走った。
やはり主人公は走らなきゃね。
最近の大河の主人公は怠惰で、屋敷の中の議論に終始して体を動かすことをしない。
お約束だけど、走るとその人物は主人公になる。
★山あり谷ありの起伏も激しかった。
南紀派が勝って挫折する斉彬と吉之助。
しかし吉之助はあきらめない。
大久保正助(瑛太)に叱咤されて、状況の打開策を思いつく。
いったん腹が決まれば、なりふり構わず突っ走るのが吉之助だ。
制止を振り切って斉彬に談判し、斉彬も迷っていたが、同じことを考えていて腹を決める。
生まれる新たな希望。
ふたたび始まる躍動。
しかし、それを一気に吹き消す斉彬の死。
やはりドラマはこれくらいの起伏があると面白い。
激動の時代なのだから、ネコの目のように次々と状況が変わっていくのが作劇としては正解。
それと、ここから〝天子様の奪い合い〟が始まるんですね。
帝がどちらを向くかで政治状況が変わってくる。
井伊直弼も今回のエピソードで完全な悪者になった。
次回の『安政の大獄』でそれはさらに高まる。
作品は〝怒り〟〝憎しみ〟〝対立〟〝粛正〟〝戦闘〟のフェイズに入ったようだ。
・将軍・家定(又吉直樹)の死。
・井伊直弼(佐野史郎)の事実上のクーデター。
・斉彬(渡辺謙)の挫折。
・考える吉之助(鈴木亮平)&提言。
「殿、兵を挙げてたもんせ。向かうは江戸でなく京。
天子様のお膝元で馬揃えし、われらの決意を示すとです」
斉彬はこれを受けて、
「西郷、よう言った。
まさか、あのやっせんぼに言われて腹が決まるとな」
「泣くな。西郷、京で会おう」
「西郷、今からお前はわしになれ」
そして、
・斉彬の死。
前半を締めくくるエピソードとして起伏に富んだ最高の盛り上がり!
………………
ストーリーテリングが相変わらず上手い。
史実(=物語)を単に描くだけでなく、さまざまな工夫をしている。
★「秋に食べよう」と篤姫(北川景子)に言って描いた家定の〝柿の絵〟。
家定は生死をさまよう中でも、これにこだわり柿の絵を描いた。
しかし、これを井伊直弼に利用されてしまう。
後日、遺書として渡された〝柿の絵〟で篤姫は家定の想いを知る。
〝柿の絵〟が小道具として上手く機能しているのはもちろんだが、夫婦の愛情話を政治の権力争いとも絡めていて実に巧み。
★井伊直弼による〝言葉の言い換え〟や〝文書の書き換え〟は、おそらく現在の政治スキャンダルを意識している?
井伊直弼は家定の「頼んだぞ、掃部頭」という言葉を「自分に幕府の全権を任せる」ことに変えてしまった(家定の意思は「柿の絵を御台に渡してほしい」ということだったのに)。
帝の勅書から「長子」を省いたのも文書の改ざんだよなあ。
★江戸と京の政変を知って吉之助は薩摩まで走った。
やはり主人公は走らなきゃね。
最近の大河の主人公は怠惰で、屋敷の中の議論に終始して体を動かすことをしない。
お約束だけど、走るとその人物は主人公になる。
★山あり谷ありの起伏も激しかった。
南紀派が勝って挫折する斉彬と吉之助。
しかし吉之助はあきらめない。
大久保正助(瑛太)に叱咤されて、状況の打開策を思いつく。
いったん腹が決まれば、なりふり構わず突っ走るのが吉之助だ。
制止を振り切って斉彬に談判し、斉彬も迷っていたが、同じことを考えていて腹を決める。
生まれる新たな希望。
ふたたび始まる躍動。
しかし、それを一気に吹き消す斉彬の死。
やはりドラマはこれくらいの起伏があると面白い。
激動の時代なのだから、ネコの目のように次々と状況が変わっていくのが作劇としては正解。
それと、ここから〝天子様の奪い合い〟が始まるんですね。
帝がどちらを向くかで政治状況が変わってくる。
井伊直弼も今回のエピソードで完全な悪者になった。
次回の『安政の大獄』でそれはさらに高まる。
作品は〝怒り〟〝憎しみ〟〝対立〟〝粛正〟〝戦闘〟のフェイズに入ったようだ。