吉之助(鈴木亮平)、リセットである。
価値観が180度変わったと言ってもいい。
島の娘・とぅま(二階堂ふみ)はサトウキビを作らされ、高い年貢を取り立てる薩摩について語る。
「この島は砂糖の地獄になった」
「蘭癖の殿様のせい」
「殿様が死んだ時は皆で喜んだ」
「私らは民のうちに入らんかったんじゃ」
とぅまらにとって薩摩は〝加害者〟だったんですね。
その元凶は〝蘭癖の殿様〟斉彬(渡辺謙)。
吉之助は共犯者でもある。
今まで信じていた価値観を否定されて、吉之助は怒り、狼狽するが、最後にこんな結論を得る。
「こん島の砂糖のおかげで薩摩は大藩と呼ばれるようになった」
「おはんらの苦労を何も知らないまま、おいは藩の金を湯水のごとく使っていた」
「おいにこの島のことを教えてたもんせ」
………………
物事には〝光〟と〝陰〟があるんですよね。
どんなにまぶしい光であっても、その陰では虐げられている人、苦しんでいる人がいる。
加害者と被害者。
このことにスポットを当てたこの作品はたいしたものだ。
ふつうの作品なら〝斉彬素晴らしい〟〝薩摩は正義〟を貫くところ、敢えてそれを否定した。
「おいにこの島のことを教えてたもんせ」
と言えた吉之助も立派。
斉彬の言葉を吸収したように、とぅまの言葉もどんどん吸収していくことだろう。
ひとつの価値観だけに固執するのではなく、もう一方の価値観にも耳を傾ける。
吉之助はひとまわり大きな人間になっていくに違いない。
それは敵対し、殺し合いやいくさをおこなう幕末において貴重なこと。
島の文化も面白い。
〝海神様〟
〝ユタ神様〟
〝ケンムンに惑わされないための手の入れ墨〟
〝自分の発した言葉を神様が信じて、それが現実になる〟
〝労働の際に歌う唄〟
当初、吉之助はとぅまの手の入れ墨を「罪人か」と嫌うが、それにもしっかりとした意味があることを知る。
自分の世界がいかに狭く、偏見にみちたものであるかを知る。
やはり人は旅をし、異文化に触れてみるべきですね。
吉之助が今回見聞きしたことから現在を見てみると、現在もヤマトンチュは沖縄を虐げていませんかね?
基地問題で翁長知事が戦う姿勢をみせると、地方交付金を減らし、首相は芸能人には会うのに翁長知事には会わない。
警官は基地反対の人々を〝土人〟と呼ぶ。
太平洋戦争では本土を守るために沖縄が犠牲にされた。
「おいにこの島のことを教えてたもんせ」
人は知らないことの方が多い。
吉之助のように素直に学ぶ姿勢を持とうと自戒する。
価値観が180度変わったと言ってもいい。
島の娘・とぅま(二階堂ふみ)はサトウキビを作らされ、高い年貢を取り立てる薩摩について語る。
「この島は砂糖の地獄になった」
「蘭癖の殿様のせい」
「殿様が死んだ時は皆で喜んだ」
「私らは民のうちに入らんかったんじゃ」
とぅまらにとって薩摩は〝加害者〟だったんですね。
その元凶は〝蘭癖の殿様〟斉彬(渡辺謙)。
吉之助は共犯者でもある。
今まで信じていた価値観を否定されて、吉之助は怒り、狼狽するが、最後にこんな結論を得る。
「こん島の砂糖のおかげで薩摩は大藩と呼ばれるようになった」
「おはんらの苦労を何も知らないまま、おいは藩の金を湯水のごとく使っていた」
「おいにこの島のことを教えてたもんせ」
………………
物事には〝光〟と〝陰〟があるんですよね。
どんなにまぶしい光であっても、その陰では虐げられている人、苦しんでいる人がいる。
加害者と被害者。
このことにスポットを当てたこの作品はたいしたものだ。
ふつうの作品なら〝斉彬素晴らしい〟〝薩摩は正義〟を貫くところ、敢えてそれを否定した。
「おいにこの島のことを教えてたもんせ」
と言えた吉之助も立派。
斉彬の言葉を吸収したように、とぅまの言葉もどんどん吸収していくことだろう。
ひとつの価値観だけに固執するのではなく、もう一方の価値観にも耳を傾ける。
吉之助はひとまわり大きな人間になっていくに違いない。
それは敵対し、殺し合いやいくさをおこなう幕末において貴重なこと。
島の文化も面白い。
〝海神様〟
〝ユタ神様〟
〝ケンムンに惑わされないための手の入れ墨〟
〝自分の発した言葉を神様が信じて、それが現実になる〟
〝労働の際に歌う唄〟
当初、吉之助はとぅまの手の入れ墨を「罪人か」と嫌うが、それにもしっかりとした意味があることを知る。
自分の世界がいかに狭く、偏見にみちたものであるかを知る。
やはり人は旅をし、異文化に触れてみるべきですね。
吉之助が今回見聞きしたことから現在を見てみると、現在もヤマトンチュは沖縄を虐げていませんかね?
基地問題で翁長知事が戦う姿勢をみせると、地方交付金を減らし、首相は芸能人には会うのに翁長知事には会わない。
警官は基地反対の人々を〝土人〟と呼ぶ。
太平洋戦争では本土を守るために沖縄が犠牲にされた。
「おいにこの島のことを教えてたもんせ」
人は知らないことの方が多い。
吉之助のように素直に学ぶ姿勢を持とうと自戒する。