平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

西郷どん 第20回 「正助の黒い石」~大久保の劣等感。武力ではなく政治で物事を解決しようとするのは正しいのだが、人望がない

2018年05月28日 | 大河ドラマ・時代劇
 大久保正助(瑛太)には人望がないんですね。
 だから、血気盛んな仲間からこんなことを言われてしまう。

「おはんの血はどこまで醒めてちょる!?」

 政治で物事を解決しようとする理論派の正助。
 暴力(暗殺・戦争)で解決しようとする武闘派の仲間たち。
 囲碁と剣術。

 出世して発言力を持ち、藩を動かし、国を変えるという正助の方法は間違っていないんですけどね。
 囲碁のように少しずつ自分の陣地(権力)を拡げていく。
 だが、血気盛んな連中はまだろっこしくて待つことが出来ない。
 いったんは国父・久光(青木崇高)を使い、〝精忠組〟として収めるが、炎は依然として燻り続けている。

 そんな正助と仲間たちの間をつなぐのが吉之助(鈴木亮平)。
 正助になくて吉之助にあるのは〝人望〟だ。
〝人間の大きさ〟〝器〟と言ってもいいかもしれない。

 正助は言う。
「おいたちには、常に前を走っちょった吉之助さが必要じゃ」
 正助は吉之助に劣等感を持っているんですね。
 前を走っている吉之助にどうしても追いつけなかった。
 今は吉之助の足が止まって、正助が前を走っているが、真っ正面に受ける風はきつい。
 正助には、吉之助の背中を見て走るナンバー2の役割、いわゆる参謀タイプが合っているんでしょうね。

 そんな中、「ありのままの正助でいい」「西郷さんにならなくていい」と言える満寿(ミムラ)さんは良い妻ですね。
 夫の良さも弱さもわかっている。
 愚痴でも何でもいいから、満寿と話をすれば正助の心も軽くなるのに。

 …………………

 久光も劣等感の持ち主なんでしょうね。

 死の床の斉興(鹿賀丈史)は諭す。
「やっとお前の世になる。好きなようにやれ、とは言わぬ。
 古き良き薩摩を守れ、新しい世をつくろうと思うな」

 何ともきつい言葉。
 斉彬(渡辺謙)には〝好きなようにやり新しい世をつくること〟を許したのに久光には許さない。
 斉興は、久光がその器でないことをわかっているのだろう。
 久光が世に出ても誰もついてこない。
 斉彬は自分で構想を練り行動して吉之助を動かしたが、久光は大久保正助に言われるがままでしたしね。

 どうしても斉彬にかなわない久光。

 なので、久光と正助が気心を通じたのは必然と言える。
 ふたりとも深い劣等感の持ち主であり、斉彬、吉之助という前を走る人物に追いつけない存在だからだ。

 物語として上手い構図ですね。

 最後はお由羅さま(小柳ルミ子)。
 満寿の所にやって来て、
「おひさしぶり~ね」(笑)

 何のことかわからない人はお父さん、お母さんに聞こう!
 
コメント (4)
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